他職種

【企業系検査技師が解説】臨床検査技師の経験が活かせる他職種14選|違う仕事に転職!

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「臨床検査技師の経験が活かせる他職種にはどんな種類があるのか?」

臨床検査技師から他職種への転職を検討している方は多いですが、いざ別の仕事に就こうとするのは不安が伴うものです。

Sドラゴン
Sドラゴン

私自身、転職サイトで情報収集するまではどんな選択肢があるのか一切知りませんでした。

「他職種に興味があるけど、選択肢が未知数で動けない」

本記事では、上記のような方に向けて臨床検査技師からキャリアチェンジできる他職種のうち下記に該当する職種を紹介します。

  • 新たに資格を取得する必要がないこと
  • 臨床検査技師の経験が活かせること
  • 医療業界と関連性が高い職種であること
Sドラゴン
Sドラゴン

なお、本記事で紹介する職種は私(臨床検査技師)が転職活動中に実際に紹介してもらった職種です。机上の空論ではないのでご安心ください。

臨床検査技師からのキャリアチェンジを検討されている方はぜひ参考にしてください。

この記事を書いた人

Sドラゴン

■転職経験を5回もつ臨床検査技師。新卒で臨床検査業務に従事した後、胚培養士、CRC、アプリケーションスペシャリスト、研究開発、検査サービス市場投入、衛生検査所管理者を経験。
■臨床検査技師が直面する転職の課題に対して、豊富な転職経験と現場で培った専門知識を活かし、実績と経験に基づいた実行可能なキャリアアドバイスを提供します。

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本記事で紹介する他職種は下記記事の転職サイトから紹介された職種です。

【14社比較】臨床検査技師が厳選した転職サイト・エージェントおすすめ9選 「おすすめの転職サイト」というものは転職に求めることに応じて変わります。 あらゆる選択肢にアクセスできる現代の環境は、あなたの望...

【筆者の独断と偏見】目的別におすすめの他職種

臨床検査技師から転職できる14職種について、希望条件別におすすめの職種を私の独断と偏見でノミネートしました。

転勤・残業上等!とにかくお金が欲しい。でも難しい仕事は嫌だ

こんなタイプは試薬メーカー、検査機器メーカーの職種(アプリケーションスペシャリスト、フィールドエンジニア)がおすすめ。

これらの職種は決められたことを忠実に遂行するオペレーターであり、業務内容を一度覚えてしまえば後は惰性で働き続けることができます。但し、大手メーカーには転勤が付き物。5年〜10年スパンで勤務地が変わる可能性が高いです。また、業務内容は簡単ですが作業に時間がかかることが多く、加えて医療機関での作業は夕方以降に開始するケースが多いため検査技師に比べて残業時間は確実に増えるでしょう。その分、年収は臨床検査技師の1.5〜2倍程度。会社の母体が大きければ大きいほど年収は高く、扶養手当や住宅手当等の福利厚生も充実しています。

なお、臨床検査技師からDMR(営業)に転職して活躍している人も大勢いますが、ノルマがキツいことが多いため、メーカー志望ならできれば技術職としての採用がおすすめです。

ワークライフバランス命。家事・育児と両立できる仕事に就きたい

こんなタイプは治験施設支援機構(SMO)の治験コーディネーター(CRC)がおすすめ。

CRCの業務時間は始業時間と終業時間が自由自在のフレックスタイム制。月間の労働時間に到達すれば何時から働いても良いため家庭との両立が取りやすい職種です。

例えば

  • 午前中は市役所に行きたいから午後から出勤する
  • 子供が熱を出して迎えに行かなければならないため15時に退勤する

こんなことが事前申請不要でできてしまいます。

また、基本的には自宅から担当施設へ直接出勤する直行、施設から自宅に直接帰れる直帰制のため、施設での業務開始時間に間に合えばギリギリまで家の用事ができます。そのため、在籍する社員はプライベートを優先する20代・30代の女性が90%以上を占めており、働くママさんも多く、家庭の事情に対する理解が得られやすい職場です。

但し、CRCは治験スケジュールが最優先となるため、朝一の採血の立ち会いのため7:30に出勤する、担当医師から症例報告書にサインをもらうためカンファレンスが終わるまで(20時)待機、など理不尽に感じる対応に迫られることもあります。また、滅多にありませんが、時間外に治験患者の電話対応が発生することもあります。人によっては「24時間拘束されている気分で気が休まらない」とストレスを感じることもあります。

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こんなタイプは研究開発職をおすすめします。

まず、製薬・体外診断薬の研究開発職は薬学or超高学歴でなければ正社員として採ってもらえないので、臨床検査技師が目指すにはかなりハードルが高いです。

そのため、狙うとすれば食品メーカー、化粧品メーカーの研究員、または初期段階は派遣社員として研究開発職になる方法です。派遣社員なら製薬や体外診断薬メーカーでも勤務できる可能性があるため、大手企業で研究がしたい方は派遣からキャリアを始めることをおすすめします。

生活があるため派遣は困る。こんな方はバイオベンチャーやスタートアップの研究開発職を狙いましょう。中小企業の研究開発職員はある程度のキャリアを積むとより収入が大きく安定した大企業に流出することが一般的です。そのため、中小企業であれば学歴や実績を持たなくても人柄を見て採用してもらえる可能性が高いです。

中小企業の研究開発職はハローワークや有名な転職サイトでは扱っていないことが多く、j REC-IN Portalというサイトで探してみることをおすすめします。

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こんなタイプはバックオフィスや勤務地が固定ではない外勤職がおすすめ。具体的にはDMR、アプリケーションスペシャリスト、フィールドエンジニア、臨床開発モニターです。(メディカルサイエンスリエゾン、メディカルアフェアーズも外勤職ですが、製薬メーカーのため採用される確率は限りなく低いです。)

遠方出張を頻繁にしたい方は、比較的会社規模が小さなメーカーを狙いましょう。

DMR、アプリ、エンジニアの出張の頻度は会社の規模によります。規模が大きな会社だと全国に営業所(支店)が点在しているため、配属エリア内での近場出張しかありません。(稀に他支店のヘルプとして遠方出張することもありますが。)一方、規模が小さな企業だと支店は東京・名古屋・大阪などの都心部にしか設置されていないため、必然的に守備範囲が広がり遠方出張の機会も多くなります。

お目当ての職種の求人が出ているかどうかは時期とタイミングに左右されます。自分で探すにせよ、転職エージェントに紹介してもらうにせよ、下記記事で紹介している転職サイトを活用して求人の市場調査は頻繁に行いましょう。

【14社比較】臨床検査技師が厳選した転職サイト・エージェントおすすめ9選 「おすすめの転職サイト」というものは転職に求めることに応じて変わります。 あらゆる選択肢にアクセスできる現代の環境は、あなたの望...

臨床検査技師から転職できる他職種14選

まずは、臨床検査技師からキャリアチェンジできる職種の年収・業務レベル・ワークライフバランス・転職難易度を一覧表でご紹介します。

Sドラゴン
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気になる職種があれば詳細をチェックしてください。

職種おすすめ度年収業務レベルワークライフバランス転職難易度職種詳細へ
DMR
(4.0 / 5.0)
600〜1,500万円簡単悪い簡単詳細を見る
アプリケーションスペシャリスト
(3.5 / 5.0)
500〜800万円簡単やや悪いやや難しい詳細を見る
メディカルサイエンスリエゾン
(2.5 / 5.0)
500〜1,000万円難しいやや良い難しい詳細を見る
メディカルアフェアーズ
(3.0 / 5.0)
600〜1,000万円難しい良い難しい詳細を見る
フィールドエンジニア
(2.5 / 5.0)
500〜850万円やや難しい悪いやや難しい詳細を見る
研究開発
(2.0 / 5.0)
350〜750万円難しい普通やや難しい詳細を見る
臨床開発モニター
(3.0 / 5.0)
500〜750万円やや簡単悪いやや簡単詳細を見る
検査センター
(4.0 / 5.0)
400〜600万円簡単やや良い簡単詳細を見る
治験コーディネーター
(4.5 / 5.0)
450〜550万円簡単良い非常に簡単詳細を見る
胚培養士
(2.5 / 5.0)
350〜450万円やや難しいやや悪いやや難しい詳細を見る
動物検査センター
(4.5 / 5.0)
400〜600万円簡単良いやや簡単詳細を見る
キャリアコンサルタント
(4.0 / 5.0)
450〜800万円難しい良い簡単詳細を見る

臨床検査薬情報担当者(DMR)

DMRは体外診断薬・医療機器の情報担当者です。診断薬業界のフロントラインで活躍するポジションであり、多くの挑戦とやりがいがありますが、その特性上、向いている人と向いていない人の差がはっきりしているため、自分の性格や興味、価値観と照らし合わせて検討することが重要です。

なお、似ている職種として医薬品情報担当者(MR)がありますが、応募条件に営業経験もしくは薬学のバックボーンが必要になるため臨床検査技師からの転職は難しいです。

転職難易度が簡単な理由は、離職率が高く1年を通して常にポジションに空きがあるためです。また、本職種は「営業」なので、高度な専門的知識よりもコミュニケーション能力を重視した採用になるため「誰でもなれる」職種といます。

特徴

  • IVD製品の専門知識が必要
  • 臨床検査技師とのコミュニケーションが中心
  • 地域担当制で定期的に施設訪問するため移動が多い
  • 成果主義で、販売目標を達成することが求められる

業務内容

  • IVD製品の情報提供や説明
  • 新製品のプロモーション活動
  • 臨床検査技師や医師からの質問への回答
  • 市場調査や競合製品の情報収集
  • 販売目標の達成

向いてる人

  • コミュニケーション能力が高い人
  • IVD製品に興味がある人
  • 自分で計画を立て、実行するのが得意な人
  • 長時間の移動や外出が苦にならない人

向いていない人

  • 一人での作業やデスクワークを好む人
  • 移動や外出が苦手な人
  • 成果主義の環境にストレスを感じる人
  • IVD製品に興味がない人

やりがい

  • IVD製品を通じて、患者の健康や生活の質の向上に貢献できる
  • 臨床検査技師との関係構築を通じて、プロフェッショナルなネットワークを築ける
  • 最新のIVD製品情報や医学の知識を学べる
  • 販売目標を達成したときの達成感

転職先

検査機器メーカー、検査試薬メーカー、医療機器メーカー

アプリケーションスペシャリスト

アプリケーションスペシャリストは検査機器メーカーに所属する職種で、自社製品のコンセプト、測定原理、また取扱い方法や日常メンテナンスおよび推奨される検査方法について顧客に説明する職種です。

よく似た職種に「クリニカルスペシャリスト」がありますが、この職種は手術で使用する医療機器の知識、操作方法、手技を術者(主に医師)に対してレクチャーする職種です。手術に立ち会い術者をサポートすることが主なミッションになるため、オペ室経験を持たない臨床検査技師からの転職は極めて難しいでしょう。

転職難易度が「やや難しい」理由は、臨床検査技師であれば応募可能ですが、DMRとは異なりポストが少なく、求人の枠が限られており求人倍率が高くなるからです。ライバルが多いため、相対評価の中で落選する可能性が高くなります。

特徴

  • 体外診断薬、検査機器の専門知識が必要
  • 臨床検査技師とのコミュニケーションが中心
  • 地域を担当し、定期的に訪問するため移動が多い
  • 販売目標を課せられることはなく、顧客満足度向上が主な評価項目

業務内容

  • 病理診断検査項目の臨床的意義や価値など、学術的な情報提供を行う
  • 顧客ニーズや市場ニーズを把握し本社へ報告することで、自社製品の価値や品質の向上を図る
  • 検査の質と顧客満足の向上を意識し、最善な解決策を考える
  • 顧客満足向上を目指し、関係部署と協働する

向いてる人

  • コミュニケーション能力が高い人
  • 臨床検査業界に興味がある人
  • 自分で計画を立て、実行するのが得意な人
  • 長時間の移動や外出が苦にならない人

向いてない人

  • 一人での作業やデスクワークを好む人
  • 移動や外出が苦手な人
  • 対顧客業務にストレスを感じる人
  • 臨床検査業界に興味がない人

やりがい

  • 体外診断用医薬品を通じて、患者の健康や生活の質の向上に貢献できる
  • 医師や臨床検査技師との関係構築を通じて、プロフェッショナルなネットワークを築ける
  • 最新の検査薬情報やバイオマーカーの知識を学べる
  • 顧客満足度が向上したときの達成感

転職先

検査機器メーカー、検査試薬メーカー

【現役が解説】企業で働く臨床検査技師の実態(アプリケーションスペシャリストとは?)医療機器業界で重要な役割を担うアプリケーションスペシャリストの仕事内容、なるための道のり、そして待ち受ける魅力的なキャリア機会について解説します。キャリアチェンジを考えている方や、このポジションについて深く知りたい方に最適です。...

メディカルサイエンスリエゾン

メディカルサイエンスリエゾン(MSL)は、医療関係者や医療機関と企業の架け橋となる役割を担います。医療現場での最新の治療法や疾患の状況などに精通し、企業の製品情報を医療関係者に提供することで、医療現場と企業の両方のニーズを満たすことを目指します。また、医療関係者からの製品に関する問い合わせに回答したり、医療関係者との情報交換を通じて製品の改善点や新しいニーズを把握することも重要な業務です。

転職難易度が「難しい」理由は、応募条件として薬学のバックボーンが要求されるからです。基本的に臨床検査技師の経歴では応募することができませんが、募集が少なく条件緩和された求人に限り臨床検査技師でも応募できることがあります。

特徴

  • 医療知識を持つ専門家として、医師や医療従事者とのコミュニケーションを通じて医療現場に貢献できる
  • 医療従事者や学術研究機関、患者団体など、多様な外部関係者とのコミュニケーションにより社会的なつながりが広がる
  • 新しい医療技術や治療法の情報を収集し自己成長を遂げられる

業務内容

  • 医療関係者への製品情報提供:製品の適正使用や治療法の最新情報など、医療関係者に必要な情報を提供します。
  • 医療現場での情報収集:医療関係者からの問い合わせに回答することで、治療現場での問題点やニーズを把握し、製品の改善点を企業にフィードバックします。
  • 研究支援:製品に関する研究に協力したり、研究データの解釈や分析などの支援を行います。
  • 医療関係者とのコミュニケーション:医療関係者との信頼関係を築き、製品や治療法に関する正しい理解を促進します。
  • 内外部との情報共有:製品に関する最新の情報を内部の関係者や外部の医療関係者と共有することで、製品の品質向上や治療法の発展に貢献します。

向いてる人

  • コミュニケーション能力が高い:医療従事者や研究者とのコミュニケーションが主な業務であるため、明確に情報を伝える能力が求められる。
  • 科学的知識が豊富:医薬品の効果や安全性に関する最新の情報を理解し、適切に伝える必要がある。
  • 柔軟性と対応力:様々な背景を持つ医療従事者との対話があるため、柔軟に対応できることが重要。

向いていない人

  • 独学や自己啓発が苦手:医薬品や治療法の知識は常に更新されるため、自ら学ぶ姿勢が必要。
  • 人前や新しい人とのコミュニケーションを避ける:MSLは外部の医療従事者とのコミュニケーションが中心のため、人との交流を避ける性格の人は向かない。
  • 短期的な結果を求める性格:MSLの業務は中長期的な視点での関係構築が中心であり、短期的な成果を求める性格の人はフィットしづらい。

やりがい

  • 最先端の医療情報に触れる:新しい治療法や医薬品の情報に常に触れることができ、医療の最前線を知ることができる。
  • 医療の発展に貢献:医薬品の正しい情報を伝えることで、医療の質の向上に貢献することができる。
  • 多様な医療従事者との関係構築:様々な専門家とのネットワークを築くことができ、それによる新しい知識や視点の獲得が期待できる。

転職先

医薬品メーカー、バイオテクノロジー企業、医療機器メーカー、診断薬メーカー、健康食品・サプリメントメーカー

メディカルアフェアーズ

メディカルアフェアーズ(MA)とは、製薬メーカーに所属する職種で、医療ニーズ(有効な治療方法がない疾患に対する医療ニーズ:アンメットメディカルニーズ)を踏まえたエビデンスの創出・発信・浸透を図るとともに、患者さんや医療関係者に取って有益な情報を提供し、国内外の治療の発展と治療成績向上に貢献することを目的として活動します。

転職難易度が「難しい」理由は、応募条件として薬学のバックボーンが要求されるからです。基本的に臨床検査技師の経歴では応募することができませんが、募集が少なく条件緩和された求人に限り臨床検査技師でも応募できることがあります。

特徴

  • 医療分野における製品開発や情報提供、医療現場との連携など社会貢献度が非常に高い職種
  • 海外赴任や英語力の向上などグローバルなキャリアチャンスがある
  • 医療分野の専門家とのディスカッションを通して医療分野に対する深い知見が得られる

業務内容

  • 医療関係者とのコミュニケーション:製品情報の提供と医療関係者からの問い合わせへの回答を行い、患者への最適な治療支援を目的とする。
  • クリニカルトライアルの支援:トライアルの設計・実施を支援し、製品の有効性や安全性に関する情報を医療関係者に提供する。
  • 医学的文献の調査・分析:最新の医学的文献の調査・分析を行い、情報の品質管理を実施する。
  • 研究支援:研究者への医学的情報提供や、研究デザイン・解析の支援を行う。
  • 規制・ガイドラインの知識:医薬品や医療機器の法規制やガイドラインに関する詳細な知識を持ち、関連する規定の遵守を確保する。

これらの業務を通じて、メディカルアフェアーズは医薬品や医療機器の正確な情報提供と、その品質・安全性の確保を目指しています。

向いてる人

  • 医学的・科学的知識に興味がある:製品や治療法に関する深い知識が必要なため、学ぶ意欲がある人が向いています。
  • コミュニケーション能力が高い:医療関係者や研究者とのコミュニケーションが中心の業務であるため、相手の立場やニーズを理解し、適切な情報を伝える能力が求められます。
  • 倫理的な判断力がある:医薬品や医療機器の情報提供は、患者の治療や生命に関わるため、高い倫理観が必要です。
  • 柔軟な思考を持つ:医療や製品の情報は常に更新されるため、変化に適応し、新しい知識や情報を迅速に取り入れることができる人が向いています。
  • 組織的な協調性がある:他の部門や外部の医療関係者と連携して業務を進めるため、チームワークを大切にする姿勢が必要です。

向いてない人

  • 独学や自己啓発が苦手:医療や製品の知識は常に更新されるため、自ら学ぶ姿勢が必要です。それが苦手な人は向かないかもしれません。
  • 長期的な視点を持てない:製品の開発や承認、普及には時間がかかるため、短期的な成果を求める性格の人はフィットしづらい。
  • 対人関係を避ける傾向がある:医療関係者や研究者とのコミュニケーションが中心の業務であるため、人との交流を避ける性格の人は向かない。

やりがい

  • 医療現場への貢献:医療関係者や患者に適切な医学的情報を提供し、医療現場の質を向上させることができる。
  • 製品開発への関与:製品の開発段階から関わり、その成果を医療現場に届けることができる。
  • 医療知識の深化:医療関係者とのコミュニケーションを通じて、専門知識を継続的に更新・深化できる。
  • グローバルな視野の獲得:国際的な環境での業務を通じて、グローバルな視点を持つことができる。
  • 多様なキャリアパス:製品情報の提供だけでなく、開発やマーケティングなど多岐にわたる業務に携わることができ、キャリアの幅を広げることができる。

転職先

医薬品メーカー・診断薬メーカー、バイオテクノロジー企業、医療機器メーカー、健康食品・サプリメントメーカー、開発業務受託機構(CRO)、国立の学術機関や研究所

フィールドエンジニア

フィールドエンジニアは、検査機器や医療機器の導入、保守、トラブルシューティングに関する専門知識を持つ技術者です。顧客の要望や問題に対応し、適切なソリューションを提供する役割を担います。また、技術的なサポートやアドバイスを行い、顧客満足度の向上を目指します。製品のアップデートや改善のフィードバックも行うことがあります。

転職難易度が「やや難しい」理由は、応募条件に工学系のバックボーンが要求されるためです。そのため、フィールドエンジニアになりたい場合は「対象機器の使用経験を有すること」と記載がある求人を狙う必要があります。

特徴

  • 検査機器、医療機器の専門知識が必要
  • 検査機器、医療機器を実際にオペレーションする現場担当者とのコミュニケーションが中心
  • 地域を担当し、定期的に訪問するため移動が多い
  • 販売目標を課せられることはなく、再修理率の低下と顧客満足度向上が主な評価項目

業務内容

  • 製品・サービスの導入サポート: 顧客の環境に合わせて製品やサービスを導入し、最適な設定やカスタマイズを行います。
  • トラブルシューティング: 顧客からの問い合わせやトラブル報告に対応し、原因を特定して解決策を提供します。
  • 定期的な保守・点検: 製品やシステムの定期的なメンテナンスやアップデートを行い、常に最適な状態を保つことを目指します。
  • 技術的なサポート: 顧客からの技術的な質問や要望に答え、製品の使用方法や最適な運用方法をアドバイスします。
  • フィードバックの収集: 顧客の声や使用状況を収集し、製品改善のためのフィードバックとして開発チームに伝えます。
  • 研修・教育: 新製品のリリースや技術のアップデートに伴い、顧客や内部スタッフへの研修や教育を行います。
  • ドキュメンテーション: 業務で得られた知識や経験をもとに、マニュアルやFAQの作成・更新を行います。

向いてる人

  • コミュニケーション能力: 顧客やチームメンバーとの円滑なコミュニケーションができる人。
  • 問題解決能力: 複雑な問題やトラブルに直面しても冷静に対処し、解決策を見つけ出せる人。
  • 学習意欲: 新しい技術や知識を継続的に学びたいと思う人。
  • 忍耐力: 難しい問題や繁忙な業務状況でも持続的に取り組める人。
  • 顧客志向: 顧客のニーズを理解し、最適なサービスを提供することを優先する人。

向いていない人

  • 受動的な性格: 自ら積極的に行動することが苦手な人。
  • 短気: 小さなトラブルや顧客のクレームにすぐにイライラしてしまう人。
  • 固定観念が強い: 新しい方法や技術に対して抵抗がある、または変化を嫌う人。
  • 単独作業を好む: チームでの協力や顧客との対話を避けたいと思う人。
  • 技術的な興味が薄い: 技術や製品に対する興味や好奇心が乏しい人。

やりがい

  • 顧客の問題解決: 顧客が抱える問題や課題を解決し、その喜びや感謝を直接受け取ることができます。その結果として、顧客のビジネスや日常の業務がスムーズに進むことに貢献できるのは大きな達成感を感じることができます。
  • 技術的な成長: さまざまなトラブルや新しい技術の導入に関わることで、技術的なスキルや知識を日々向上させることができます。
  • 製品・サービスの改善: 顧客からのフィードバックや自身の経験をもとに、製品やサービスの改善提案を行い、それが実際に採用されるときの達成感。
  • 多様な経験: 様々な業界や規模の企業、異なる技術や環境での業務に関わることができるため、多様な経験を積むことができます。
  • チームとの連携: サービスエンジニアは多くの場合、他の部署やチームと連携して業務を進めるため、チームでの成功体験や共同作業の楽しさを感じることができます。
  • 業界の最前線での活動: 新しい技術やトレンドに常に触れる機会が多いため、業界の最前線で活動する刺激や楽しさを感じることができます。

転職先

検査機器メーカー、医療機器メーカー

研究開発職

研究開発とは、研究によって得られた知識・技術を製品として世に出し事業化する職種です。今までにない新しい製品を生み出すイノベーティブな側面が強く、革新的なアイデアを製品化・実用化して自社の利益に貢献することが主なミッションです。

転職難易度が「やや難しい」理由は、応募条件に研究経験が要求されるためです。研究未経験者が応募できる研究開発求人は派遣ぐらいしかありません。大手メーカーに研究職として転職したい場合、臨床検査技師時代の研究経験・論文投稿の実績が要求されます。

特徴

  • 新しい技術や製品の開発に携われる知的好奇心を刺激するインテリジェントでチャレンジングな職種
  • 専門的な知識や経験が要求されるため給与水準が高く、他の職種に比べて高額な報酬が得られることがある
  • ヘルスケア業界はまだまだ発展途上な分野のため将来的にも需要が高く、キャリアの安定や将来性を考える上でも魅力的な職種

業務内容

  • 製品・技術の開発・改善:新しい医薬品や医療機器の開発、既存技術の問題点分析と改善。
  • 研究戦略・プロジェクト管理:研究戦略の策定、市場調査、プロジェクトの予算やスケジュール管理。
  • 規制・知的財産の調整・管理:規制当局との調整、特許出願やライセンス契約の管理。
  • 学術的活動と外部連携:学術的な発表、論文執筆、外部研究機関や大学との共同研究。
  • 業界トレンドの把握とチーム育成:業界の最新トレンドの追跡、チームの指導やキャリアアップ支援。

向いてる人

  • 好奇心が強い:新しい知識や技術に対する探求心が強く、未知の領域に挑戦することが好き。
  • 持続力・忍耐力がある:研究や開発は時間がかかることが多いため、長期間にわたって一つのテーマに取り組むことができる。
  • 協調性がある:研究開発はチームでの作業が多いため、他のメンバーや専門家との協力を重視し、コミュニケーション能力が高い。

向いていない人

  • 変化を嫌う:研究開発は常に新しい技術や知識の更新が求められるため、変化や新しいことを受け入れるのが苦手な人は向かない。
  • 結果を急ぐ性格:研究や開発には即座に結果が出るわけではないため、短期間での成功を求める性格の人はフィットしづらい。
  • 単独作業を好む:研究開発は多くの場合、チームでの作業が中心。単独での作業を好む、または他者とのコミュニケーションを避ける傾向がある人は難しいかもしれない。

やりがい

  • 社会貢献と大きな成果:新しい発見や技術開発を通じて、自分の関わったプロジェクトが社会に大きな影響を与え、人々の生活を向上させることができる。
  • チャレンジと成長:高度な知識やスキルが求められるプロジェクトに携わり、自分の能力を試すことができる。これにより、自身の成長を実感できる。
  • 協力とチームワーク:チームメンバーや他の専門家との連携を通じて、プロジェクトを成功に導く。共同での成功体験が、やりがいを感じさせる。

転職先

医薬品メーカー、検査試薬メーカー、化粧品メーカー、バイオベンチャー、食品メーカー

臨床開発モニター

臨床開発モニター(CRA)は、治験において患者さんが治験薬を安全に受けるために医師や病院と連携しながら、治験の進捗やデータ収集などを管理・監視する専門職です。治験プロトコールに基づき、モニタリング計画を策定し、病院へのモニタリングやクエリー対応、報告書の作成などを行います。また、治験データの品質管理やコーディネーション、法規制対応も重要な業務の一つです。臨床開発モニターは、治験に関する専門的な知識やコミュニケーション能力が求められる職種であり、治験業界において不可欠な役割を担っています。

転職難易度が「やや簡単」な理由は、臨床検査技師であれば応募可能であり、求人の数が1年を通して比較的多いためです。あらゆる求人に片っ端から応募すればどれかには引っかかると思います。

特徴

  • 治験業界での需要が高く雇用が安定している
  • 治験マネジメントや医療機関との連携などのスキルを身につけキャリアアップにつながる
  • 治験薬の深い知識が身に付くため創薬に興味がある人にピッタリ

業務内容

  • 施設要件調査、試験担当医師要件調査:治験に参加する資格の有無を調査
  • 施設契約手続き:治験参加に必要な書類の作成
  • IRB申請資料作成補助:倫理審査委員会で治験実施の許可を得るための資料作り
  • スタートアップミーティング:診療科・関連部署に治験の概要を説明する
  • クエリ対応:CRCが入力した症例報告書の内容にの不備を確認・修正依頼
  • SDV:治験がプロトコルに沿って逸脱なく進んでいることを診療録をチェックして確認
  • 症例登録促進:患者スクリーニングの状況チェック、候補者の適格性をチェック
  • 重篤な有害事象対応:治験中に生じた重篤な有害事象の対応を医療従事者・CRCに指示

向いている人

  • 詳細志向:臨床試験のデータやプロトコルの確認には、細部への注意と正確さが求められます。
  • コミュニケーション能力:研究者や医療機関のスタッフとの連携が必要なため、円滑なコミュニケーションが取れることが重要です。
  • 組織的なスキル:複数の臨床試験や医療機関を同時に監視する場合があるため、タスクの優先順位をつけたり、効率的に業務を進める能力が求められます。
  • 問題解決能力:臨床試験中に問題や不具合が発生した場合、迅速かつ適切に対応する能力が必要です。
  • 学ぶ意欲:臨床試験や医薬品開発に関する知識は常に更新されるため、新しい情報や技術を学ぶ意欲があることが重要です。

向いていない人

  • 大雑把な性格:細部への注意が求められる業務なので、大雑把な性格の人はミスが増える可能性があります。
  • 人とのコミュニケーションを避ける傾向:研究者や医療機関のスタッフとの頻繁なコミュニケーションが必要なため、人との交流を避ける性格の人は向かないかもしれません。
  • 変化やストレスに弱い:臨床試験の状況や要件は変わることが多く、また、期限やプレッシャーも伴うため、変化やストレスに対応できない人は難しいかもしれません。

やりがい

  • 医薬品や医療機器の開発に貢献する:CRAの役割は、新しい治療法や医薬品の安全性と有効性を確認するための臨床試験の品質を保証することです。この業務を通じて、新しい治療法や医薬品の開発に直接的に関与し、医療の進歩に貢献することができます。
  • 専門的な知識・スキルの習得:臨床試験のプロトコル、規制、ガイドラインなど、多岐にわたる知識を習得することができます。また、多様な医療機関や研究者とのコミュニケーションを通じて、人間関係のスキルも向上させることができます。
  • 結果の実現を目の当たりにする:臨床試験が成功し、新しい医薬品や治療法が市場に導入されると、その成果が直接患者の治療に役立つことを目の当たりにすることができます。これは、多くのCRAが感じる大きなやりがいの一つです。
  • 多様な環境での業務:CRAは、様々な医療機関や研究施設を訪問するため、多様な環境や人々との交流があります。これにより、日々の業務が変化に富み、飽きることが少ないです。
  • キャリアの拡大・進展:CRAとしての経験やスキルは、臨床開発の他の分野や、医薬品開発全般の業務にも活かすことができます。これにより、キャリアの選択肢や進展の可能性が広がります。

転職先

開発業務受託機構(CRO)、医薬品メーカー

検査センター

検査センターで勤務する臨床検査技師は、多数のサンプルを効率的に処理する能力や、高度な自動化機器の操作スキルを持っています。また、一般の医療機関とは異なり、大量の検査データを迅速に分析・報告するための情報管理能力が求められます。連携する医療機関とのスムーズなコミュニケーションを保つための協調性や、繁忙な環境下でも的確な判断を下す判断力も重要です。これらの特性により、検査センターの臨床検査技師は迅速かつ正確な検査結果を提供し、医療の質を高めます。

転職難易度が「簡単」な理由は、病院と業務内容が同じため即戦力として採用してもらえるからです。また、1年を通して求人が多いため、「どうしても企業に転職したい」なら検査センターを滑り止めにするのは有効な手段です。

特徴

  • シフト制: 多くの検査センターは24時間体制で運営されているため、夜勤や早朝勤務などのシフト制が採用されていることが多いです。
  • 繁忙期の対応: 特定の季節や流行病の際には検査件数が増加するため、臨時の増員や長時間勤務が求められることがあります。
  • 専門分野のローテーション: 検査センターには多種多様な検査が行われるため、技師が専門分野を持ちつつも、他の分野の検査も行うローテーション制が取られることがある。
  • 定期的な研修: 検査技術や機器の更新が頻繁に行われるため、定期的に研修や教育を受ける体制が整っています。
  • 緊急対応: 急患や緊急の検査要求が入ることもあり、迅速な対応が求められることがあります。

業務内容

  • サンプルの受け取りと整理: 患者や医療機関から送られてくる血液、尿、組織などのサンプルを受け取り、適切に整理・保管します。
  • 検査の実施: 指定された検査項目に基づき、各種の検査を行います。これには生化学的、微生物学的、免疫学的、血液学的などの検査が含まれます。
  • 機器の操作と管理: 高度な自動化機器や特定の分析装置を操作し、定期的なメンテナンスやトラブルシューティングを行います。
  • 検査結果の解析: 得られた検査結果を解析し、正常範囲内か異常があるかを判断します。
  • 結果の報告: 検査結果を電子的にシステムに入力し、医師や依頼元の医療機関に報告します。
  • 品質管理: 検査の品質を確保するための内部・外部の品質管理活動に参加します。
  • 研修・教育: 新しい検査方法や機器の導入、技術のアップデートに伴い、研修や教育を受けることがあります。
  • 緊急対応: 急患や緊急の検査要求に対して、迅速に検査を実施します。

向いている人

  • 効率的な作業能力: 大量のサンプルを短時間で処理する能力が求められるため、効率的に作業ができる人に向いています。
  • 高い集中力: 繁忙な環境下でもミスをしないように、持続的な集中力を維持できる人。
  • 柔軟性: 急な変更や緊急の要求にも柔軟に対応できる能力。
  • 技術的好奇心: 新しい機器や技術に興味を持ち、積極的に学びたいと思う人。
  • 協調性: 多くの技師やスタッフと連携するため、チームワークを大切にする人。

向いていない人

  • 単調な作業を好まない: 検査センターでは同じ種類の検査を繰り返すことが多いため、変化を求める人には向かないかもしれません。
  • 独立性が強い: 指示やチームの方針に従うのが苦手な人。
  • 対人スキルを重視する: 検査センターの業務は、機器やサンプルと向き合う時間が長いため、人とのコミュニケーションを重視する人には不向きかもしれません。
  • 適応力が低い: 急な変更や新しい技術の導入に適応するのが難しい人。

やりがい

  • 診断のサポート: 検査結果が医師の診断や治療方針の決定に大きく寄与するため、医療の一翼を担っている実感を得られます。
  • 技術の習得: 最新の検査機器や技術を使用することで、専門的なスキルや知識を継続的に向上させることができます。
  • 大量のサンプル処理: 一日に多数のサンプルを処理することで、効率的な作業能力を身につけることができ、その成果を実感できます。
  • チームワーク: 検査センターでは多くの技師やスタッフと連携して業務を進めるため、チームでの成功体験や共同作業の楽しさを感じることができます。
  • 疾患の早期発見: 正確な検査結果により、疾患の早期発見や予防に貢献することができ、その結果として患者の健康や命を守る役割を果たしている実感を得られます。

転職先

SRL、BML、LSI、ファルコなど

治験コーディネーター

治験コーディネーター(Clinical Research Coordinator:CRC)とは、治験を進めるための各種調整業務・治験データ収集の補助を担う職種です。医療機関の関連部署、製薬会社、医薬品開発業務受託機構(CRO)など、調整先は多岐に渡るため治験を円滑に進めるに必要不可欠な存在です。

転職難易度が「非常に簡単」な理由は、応募すればほぼ内定が出るからです。CRCは離職率が高く慢性的に人手が不足しています。そのため、医療資格保持者でコミュニケーション能力に問題がなければほぼ採用される職種です。企業に転職したい、かつ検査業務は嫌という方は優先的にCRC求人に応募すれば良いでしょう。

特徴

  • 直行直帰・時短勤務・フレックスタイムなど働きやすい制度が導入されており子育て世代に大人気
  • 治験業界の職種の中では最も臨床との距離が近く、医師・看護師と共にチーム医療の一員として被験者の治療に貢献できる
  • ワークライフバランスの観点から男女比は9:1と女性が多いものの、男性でも活躍できる職種

業務内容

  • 治験開始前の施設内調整
  • 治験候補患者のスクリーニング
  • 被験者である患者さんへの治験内容説明補助、治験参加の同意取得
  • 患者さんのケア・相談対応
  • 症例報告書の作成補助
  • 院内スタッフとの調整
  • 検査・投薬スケジュールの調整
  • 治験で得られるデータの管理

向いてる人

  • コミュニケーションスキルが高い人
  • マルチタスクが得意な人
  • スケジュール管理が得意な人
  • 臨床に近い場所で仕事がしたい人

向いていない人

  • デスクワーク・事務処理が苦手な人
  • 複数のタスクを同時にこなせない人
  • 人見知り・対人スキルが低い人

やりがい

  • 担当した治験薬が承認されると実際に臨床で使われるようになる
  • 治験被験者と関係性を構築することで『ありがとう』の言葉をもらえ感謝される
  • 功績次第では治験責任医師にチームメンバーとして認めてもらえ頼られる

転職先

院内CRC:大学病院、公的病院、公立病院、専門病院、総合病院、急性期病院、慢性期病院

院外CRC:治験施設支援機構(SMO)

【秘話】治験コーディネーターの知られざる裏側とは?キツい理由・向いてる人の特徴を解説!この記事では治験コーディネーター(CRC)が臨床検査技師から最も転職しやすい他職種である理由を解説します。臨床検査技師などの医療系資格保持者なら応募するだけで書類選考はほぼ間違いなく通過できる理由を元CRCが解説します。...

胚培養士

胚培養士は、不妊治療の一環として行われる体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)において、卵子と精子の結合から胚の成長までのプロセスをサポートする専門家です。彼らは卵子の採取、精子の選別、受精卵の培養、そして胚の移植の適切なタイミングを判断する役割を担います。また、最新の技術や機器を使用して、胚の品質を最適化し、妊娠の成功率を高めるための作業を行います。胚培養士は、夢を持つカップルが子供を持つことを実現するための重要な役割を果たしています。

転職難易度が「やや難しい」理由は、応募条件に細胞培養の経験が要求されるためです。臨床検査技師で細胞培養経験を持つ人は非常に少ないと思います。そのため、未経験可の胚培養士求人であれば応募することができます。

Sドラゴン
Sドラゴン

ちなみに私は細胞培養未経験でしたが、ARTクリニックに片っ端からリクルートメールを送信して内定を勝ち取りました。

特徴

  • シフト制またはオンコール制: 胚の培養は24時間体制で行われる場合が多いため、シフト制やオンコール制が一般的です。
  • 繁忙期の対応: 不妊治療は周期的なものであり、特定の期間(例えば、卵子採取や移植が集中する期間)に業務がピークを迎えることがあります。
  • 週末・祝日勤務: 体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)は患者の月経周期に依存するため、週末や祝日でも勤務が必要な場合があります。
  • 緊急対応: 急な患者の状態変化や機器のトラブルなど、緊急時の対応能力が求められます。
  • 連携とコミュニケーション: 医師、看護師、患者と密に連携を取る必要があります。そのため、コミュニケーション能力も重要です。

業務内容

  • 卵子の採取サポート: 女性から卵子を採取する際のサポートを行い、採取された卵子の品質を評価します。
  • 精子の処理: 精子の洗浄や濃縮を行い、最も適切な精子を選択します。
  • 受精の確認: 体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)後、卵子が正常に受精したかを確認します。
  • 胚の培養: 受精卵を特定の培養液で培養し、胚の成長と発展を監視します。
  • 胚の評価: 培養された胚の品質や発展段階を評価し、移植する胚を選択します。
  • 胚の凍結・解凍: 必要に応じて胚を凍結保存し、後日解凍して使用する場合もあります。
  • 胚の移植サポート: 胚の移植を行う際のサポートを提供し、最適なタイミングや方法での移植をサポートします。
  • 機器の管理・メンテナンス: 使用する機器の日常的な管理やメンテナンスを行い、常に最適な状態を保ちます。
  • データの記録・管理: 培養の過程や結果、患者の情報などを正確に記録し、管理します。
  • 患者とのコミュニケーション: 患者やその家族とのコミュニケーションをとり、治療の進行や結果について説明します。

向いている人

  • 細心の注意力: 微細な作業やデータの管理が求められるため、細かい点に気を配れる人。
  • 高い技術力: 精密な機器の操作や微細な操作を要するため、手先が器用で技術的なスキルが高い人。
  • 忍耐力: 胚の成長を待つ時間や繁忙な業務をこなすための忍耐が必要。
  • コミュニケーション能力: 患者や医師、看護師との連携が重要なため、円滑なコミュニケーションが取れる人。
  • 倫理的判断力: 生命の始まりに関わる業務のため、高い倫理観を持ち、正しい判断ができる人。

向いていない人

  • 大雑把: 細かい作業やデータの管理が苦手な人。
  • 短気: すぐに結果を求める性格や、繁忙な業務に対してストレスを感じやすい人。
  • 単独作業を好む: チームでの連携が必要な業務のため、単独作業を好む人には向かないかもしれません。
  • 技術的な興味が薄い: 新しい技術や機器に対する興味や学びの意欲が薄い人。

やりがい

  • 命のスタートをサポート: 胚培養士は生命の始まりの瞬間に立ち会い、その成長をサポートする役割を担っています。この重要な役割に関与することは、非常に特別な経験として感じられます。
  • 技術の習得と活用: 最先端の技術や機器を使用し、専門的なスキルを継続的に磨くことができます。その技術を活用して成功を収めたときの達成感は大きいです。
  • 患者の夢の実現: 不妊治療を希望するカップルや個人の子供を持つ夢をサポートし、その夢が実現したときの喜びを共有できます。
  • チームとの連携: 医師、看護師、他のスタッフと連携して治療を進める中で、チームとしての一体感や成功体験を共有することができます。
  • 絶えず進化する分野: 胚培養の分野は絶えず進化しており、新しい技術や研究が日々行われています。この変化に対応し、最新の知識や技術を学ぶことで、自身の成長を実感できます。

転職先

全国の不妊クリニック

動物検査センター

動物専門の検査センターは、犬や猫から鳥、爬虫類まで多様な動物種のサンプルを扱います。特有の疾患や感染症に対応した検査項目を持ち、遺伝子検査で品種や血統の確認も行います。家畜の場合、食品安全性の検査も実施。サンプル採取や輸送時には、動物のストレスを考慮した特別な取り扱いが求められます。動物病院や獣医師との連携も密接で、動物の健康と福祉の保護に貢献しています。

転職難易度が「やや簡単」な理由は、業務内容が検査技師と同じため即戦力として採用されるためです。ただし、求人数は非常に限られるためチャンスを掴めた人だけが応募権利を獲得できます。

特徴

  • 多様な動物種: 一般的な臨床検査センターが主に人間のサンプルを扱うのに対し、動物専門の検査センターは犬や猫だけでなく、鳥、爬虫類、小動物など多様な動物種のサンプルを扱います。
  • 特化した検査項目: 動物種によっては特有の疾患や感染症が存在するため、それらに特化した検査項目や方法が必要とされます。
  • 疾病監視: 野生動物や家畜の場合、感染症のアウトブレイクを早期に検出し、監視する役割も担います。
  • 遺伝子検査: 品種や血統を確認するための遺伝子検査が行われることがあります。
  • 食品安全性の検査: 家畜の場合、食品としての安全性を確認するための検査(例:抗生物質の残留検査)も行われます。
  • 繁殖サポート: 繁殖をサポートするためのホルモン検査や精子・卵子の品質検査などが行われることがあります。
  • 特別な取り扱い: 一部の動物はストレスに敏感であるため、サンプル採取時の取り扱いや輸送に特別な注意が必要です。
  • 連携: 動物病院や獣医師、動物保護団体、農業関連機関などとの連携が密接に行われます。

キャリアコンサルタント

キャリアコンサルタントは、個人の職業的な選択やキャリアパスをサポートする専門家です。彼らはクライアントの能力、興味、価値観を評価し、最適な職業や進路を提案します。また、履歴書や職務経歴書の作成、面接技術の指導など、就職活動のサポートも行います。キャリア変更や再就職を考える人、キャリアの方向性に迷っている人など、さまざまな背景を持つクライアントのニーズに応じてアドバイスを提供します。彼らの専門知識と経験は、クライアントが自分のキャリアを有意義に進める手助けとなります。

転職難易度が「簡単」な理由は、医療系キャリアコンサルティング会社が増加しており、比較的求人数が多いためです。特に臨床検査技師専門のキャリアコンサルタントであれば採用が有利になるためおすすめです。

業務内容

  • キャリアカウンセリング: クライアントのキャリア目標や悩みをヒアリングし、適切なアドバイスやサポートを提供します。
  • 能力・適性評価: クライアントのスキル、興味、価値観を評価するためのテストやアセスメントを実施します。
  • キャリアプランの策定: クライアントの将来のキャリアパスや目標を明確にし、具体的なアクションプランを策定します。
  • 履歴書・職務経歴書の指導: 効果的な履歴書や職務経歴書の作成方法を指導し、レビューやフィードバックを提供します。
  • 面接対策: 面接技術の指導や模擬面接を行い、クライアントが自信を持って面接に臨めるようサポートします。
  • 就職・転職活動のサポート: クライアントの求職活動をサポートし、適切な求人情報の提供やネットワーキングの方法をアドバイスします。
  • 継続的なフォローアップ: クライアントのキャリア進展を定期的にフォローアップし、必要に応じて追加のサポートやアドバイスを提供します。
  • キャリア教育: セミナーやワークショップを開催し、キャリアに関する知識やスキルの啓発・教育を行います。
  • 市場情報の収集: 業界や職種の最新のトレンドや情報を収集し、クライアントに提供します。

企業の他職種へ転職するメリット・デメリット

【警告】他職種から臨床検査技師に戻ると年収はダウンします

臨床検査技師の年収は検査の実務経験年数により決定します。企業在職期間は臨床検査技師の実務経験年数にカウントされないため、企業から臨床検査技師に戻る際は想像以上の低い年収が提示されます。

Sドラゴン
Sドラゴン

私、現年収600万なんですが、検査技師経験は5年弱のため年収は350万程度になると言われました。

「国家資格だし、いつでも戻れる」このような安易な考えで臨床検査技師から他職種に転職することはおすすめできません。
企業に転職したら臨床検査技師には戻らない、このぐらいの覚悟で転職に臨んでください。

その他の臨床検査技師から企業の他職種に転職する際のメリットとデメリットを解説します。

メリット

キャリアの多様性と成長の機会

企業での勤務は、臨床検査の分野だけでなく、研究開発、製品管理、マーケティング、営業など多様なキャリアパスを開くことができます。これにより、新しいスキルを学び、キャリアを広げることが可能になります。

例えば、検査機器メーカーのアプリケーションスペシャリストから社内公募でマーケティング職に異動し、その後化粧品メーカーのマーケ職に転職するといったキャリアプランが実現できます。

給与と福利厚生の向上

以下は臨床検査技師の平均年収と私の実際の年収の比較表です。

年代職種年収(最大)同年代男性臨床検査技師の年収
20-24歳臨床検査技師390万円337万円
25歳胚培養士400万円403万円
26-29歳CRC500万円403万円
30-32歳アプリケーションスペシャリスト700万円459万円
32-34歳研究開発750万円459万円

企業は公的な医療機関や研究所に比べて給与水準が高い場合が多く、福利厚生も充実していることがあります。

特に大企業では、高い給与や退職金制度、健康保険、育児休暇などの福利厚生が充実している場合があります。

ワークライフバランスの改善

企業によってはフレックスタイム制度やリモートワークなど、柔軟な働き方を導入していることがあり、ワークライフバランスの向上につながります。

当直・日直がなく、夜間呼び出しなし。完全週休二日制で特別休暇も多数あり。待遇面では臨床検査技師を完全に上回るでしょう。

デメリット

職務の変化に伴う適応の難しさ

臨床検査技師から企業への転職は、業務内容が大きく変わるため、新しい環境や業務に適応することが難しい場合があります。特に、研究開発やビジネスの世界は臨床検査の現場とは異なり、新しい知識やスキルの習得を迫られる場面が多々発生するため、「言われたことだけを忠実にこなす人材」の価値は低いです。

Sドラゴン
Sドラゴン

「指示されたことを間違わないように忠実にこなす病院」に対して、「間違ってもいいから指示される前に自分の意見を述べる」のが企業です。

職場文化の違い

企業の職場文化は医療現場とは異なることが多く、コミュニケーションスタイルや意思決定のプロセス、働き方などに違いがあるため、文化的な適応も必要になります。

医療機関は良くも悪くも「フレンドリー」な職場雰囲気ですが、企業は「報告・連絡・相談の徹底!」といった軍隊を連想するような文化です。

Sドラゴン
Sドラゴン

実際、カルチャーショックを受けて早期離職する臨床検査技師も多いです。

安定性の変化

企業によっては、経営状況による雇用の不安定性が高まる可能性があります。特にスタートアップ企業などでは、市場の変動や経営状態により、雇用の安定性が低い場合があります。

日経ビジネスWeb版には「ベンチャー企業の生存率は、創業から5年後には15.0%、10年後6.3%、20年後0.3%と非常に厳しい現状」との記載があります。

Sドラゴン
Sドラゴン

無名の中小企業なのに高年収を提示する求人には注意してください。

解決策は他職種への転職だけではありません

  • 年収が低い
  • 業務が単調で面白くない
  • 人間関係のトラブル
  • 希望部署に異動できない
  • 休みが少ない

あなたどのような理由で他職種への転職を検討されているのか分かりませんが、職種を変えることにはそれなりのリスクが伴います。

Sドラゴン
Sドラゴン

私ごとですが、臨床検査技師から転職した胚培養士は半年で退職してしまいました。

そこから運が良かったこともあり、企業系検査技師としてキャリアを継続することができましたが、チャレンジを失敗した人に対する世間の目は割と冷ややかです。

もし、今の悩みが職場を変えるだけで解消できるなら、それが最もリスクが低い選択です。

幸い、上記のような臨床検査技師に特化した転職のプロから無料でサポートを受けられるサービスも存在するため、有効活用するべきです。

Sドラゴン
Sドラゴン

自分では思いつかないまさかの提案をしてもらえるかもしれませんよ。

まとめ

臨床検査技師から転職できる他職種をご紹介しました。

臨床検査技師と業務内容が大きく異なるものの、同じ医療業界であれば臨床検査技師の経験やスキルを活かして即戦力として活躍できる職種は数多くあります。

ただし、医薬・製薬業界のMRやCRAは医療業界の中でも特に給与が高いため人気がある反面、それに比例した大変さもあり、離職率が高い職種であることも忘れてはいけない事実です。

Sドラゴン
Sドラゴン

転職を後悔しないためにも、しっかり情報集を行なってください。

【14社比較】臨床検査技師が厳選した転職サイト・エージェントおすすめ9選 「おすすめの転職サイト」というものは転職に求めることに応じて変わります。 あらゆる選択肢にアクセスできる現代の環境は、あなたの望...
Sドラゴン
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ABOUT ME
Sドラゴン
経歴:臨床検査技師(天理よろづ相談所病院)→胚培養士(不妊クリニック)→CRC(EP総合)→ASP(ロシュ)→研究開発・細胞培養(バイオベンチャー) 保有資格:臨床検査技師免許 、緊急臨床検査士 、二級臨床検査士(臨床化学/免疫血清学)