アプリケーションスペシャリストは医療機器メーカーや検査試薬メーカーなどで顧客と企業を橋渡しする重要な役割を果たす職種です。
この職種の主な役割は、特定の製品や技術に関する深い知識と専門性を持ち、顧客に製品の正確な使用方法を指導し、技術的なサポートを提供することです。製品の機能や性能を最大限に活用するためのトレーニングを顧客に提供し、使用上の問題が発生した場合には迅速なトラブルシューティングを行うことが本職種のミッションです。
一般的に営業数字は持たない職種のためノルマが課せられることはありません。ただし、最近では営業への学術サポートにより間接的に売上に貢献することが求められています。
「アプリケーションスペシャリスト」って長いので、本記事では「アプリ」と略して記載します。
アプリの年収実例を公開
まずはみんなが気になるお金事情。
アプリが所属する医療機器メーカーの平均年収を医療系専門職と比較してみましょう。
出典:平成30年賃金構造基本統計調査-職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(e-Stat)|医療機器メーカー企業の平均年収ランキング1位~24位【2021年最新版】
※計算方法:きまって支給する現金支給額×12+年間賞与その他特別給与額
医療機器メーカー社員の平均年収は668万円。医療系専門職と比較すると医師(1131.1万円)、歯科医師(848.9万円)の次にランクインしており、どのコメディカルよりも高年収です。
ただし、この金額は新卒・ベテラン、アプリケーションスペシャリスト以外の職種も含まれている平均金額です。
アプリケーションスペシャリストの入社後4年目までの年収(各種手当込み)を私の実例でご紹介します。
この年収は私が入社してから4年目までの実際の年収推移を示しています。
給与水準は臨床検査技師に比べるとはるかに高いため、高年収を希望する方には最適な職種といえます。
アプリケーションスペシャリストが在籍する企業は医療機関のような年功序列ではなく、毎年の人事評価によって能力に応じた報酬が得られる給与システムです。そのため、自身の頑張り次第では前年度の+100万円も目指せるため、30代前半で技師長を超える年収を手にすることもできます。
人事評価は毎年目標を設定して年度末に評価します。目標の達成度に応じて今年度の賞与、翌年度の基本給の金額が決定される仕組みです。
年収の7割は自己の努力により変動しますが、残りの3割は業界全体の動向に左右されるため制御不能です。
未経験者がアプリで活躍する方法
未経験者がアプリケーションスペシャリストとして活躍するには、「熱意」が最も重要なファクターです。
アプリケーションスペシャリストの仕事は医療機関勤務よりも厳しい環境があります。
主な困難は以下の通り。
- 長時間労働:日々の業務に加え、休日出勤や深夜作業が必要になることもあります。
- 高ストレス:顧客との直接対応による精神的なプレッシャーがあります。
- 答えがない問題:医療機器の複雑さから、発生した問題の解決が困難な場合があります。
そのためアプリケーションスペシャリストは、技術的なスキルや経験以上に、強い精神力と熱意が求められます。
アプリケーションスペシャリストとして活躍するには、ただ技術や知識があるだけでは不十分であり、仕事に対する情熱と耐え忍ぶ力が必要です。この職種に対する「真の熱意」がなければ、仕事の厳しさを乗り越えることはできないでしょう。
転職を成功させるには、以下の点を考慮してください。
- 転職市場の状況: 良質な求人に出会うためには、転職市場に常に注意を払い、適切なタイミングで行動することが重要です。
- 複数の転職エージェントの利用: 多くのアプリケーションスペシャリスト求人にアクセスするためには、複数の転職エージェントを利用することが推奨されます。
最終的には、アプリケーションスペシャリストとしての職務は大変ですが、適切な準備と情熱があれば、キャリアアップにつながる有意義な転職が可能です。自己の限界に挑戦し、成長を求める方には、この職種が新たなチャンスを提供するでしょう。
臨床検査技師からアプリになるには?
アプリケーションスペシャリスト求人は医療系専門職の中でも希少性が高く、転職市場に常に出回っているわけではありません。
求人が出るタイミングは大きく2つ。事業拡大に伴うメンバーの増員と欠員補充です。前者は成長過程のベンチャー・スタートアップ企業が主な求人者であり、経験者をターゲットに募集しています。後者は大企業が主な求人者であり、ポテンシャルが評価されれば未経験者でも積極的に採用する傾向があります。
そのため、臨床検査技師から転職する場合には大手企業を中心に応募すると採用確立がアップします。
ただし、欠員がいつ出るのかはわかりませんし、アプリケーションスペシャリスト求人は募集が始まると応募が殺到してすぐに募集が締め切られることが多いです。
そのため、いつでも紹介を受けられるようにあらかじめ複数の転職エージェントに登録して「アプリケーションスペシャリスト希望」であることを確実に伝えておきましょう。
アプリケーションスペシャリスト求人を紹介してもらうには?
アプリケーションスペシャリストは転職エージェントで求人を募集することが一般的です。
「どこに登録すればアプリケーションスペシャリスト求人を紹介してもらえるか?」
大手企業のアプリケーションスペシャリストの場合は、doda、リクルートダイレクトスカウト、ビズリーチ、Answersなどの医療系分野に強い転職エージェントであればどこに登録しても紹介してもらえます。
少しでもチャンスを広げるためにも、未登録の転職エージェントがあれば片っ端から登録しておいてください。
Answersには登録されていますか?もしまだ登録されていなければ「紹介元の方のお名前」に”りゅうじんしょうた”と記載することでAmazonギフトカード5,000円が貰えます!
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一方で、ライフサイエンス分野のアプリケーションスペシャリスト求人はJACリクルートメントやランスタッド、リアルライフサイエンスなど取り扱いが限定的ですのでご注意ください。
ライフサイエンス分野は、生物学を基盤とし、生命のさまざまな側面に関連する科学の総称です。この分野は生物学のみならず、生命現象を理解し、解明するために必要な幅広い科学分野を包括します。主な目的は、生命の起源、進化、構造、機能、成長、分布、および環境との相互作用についての理解を深めることにあります。
ライフサイエンス分野には以下のような多様な科学が含まれます:
分子生物学:生命現象の基本単位である分子レベルでの生命の機構を研究します。
細胞生物学:細胞の構造、機能、および細胞間での相互作用に焦点を当てます。
遺伝学:生物の遺伝情報、遺伝子の機能、遺伝病など遺伝に関する研究を行います。
生理学:生物の身体的および化学的機能を理解し、生命維持に必要なプロセスを研究します。
生態学:生物とその生活環境との相互関係に焦点を当てます。
進化生物学:生命の進化と生物多様性の原因を探求します。
ライフサイエンスは医学、薬学、農学など、直接的に人間の健康や生活に関わる応用科学への基礎を提供します。医薬品の開発、疾病の診断および治療法の改善、食品の安全性と栄養の向上、環境保全など、人類の福祉向上に貢献するための研究が、この分野で行われています。
最近では、バイオテクノロジー、ゲノム編集、合成生物学などの進歩により、ライフサイエンス分野は急速に発展し、新たな治療法の開発や、持続可能な生産技術の創出など、未来の社会を支える重要な役割を担っています。
ただし、ライフサイエンス分野の求人を扱う転職エージェントはハイクラス人材を優先的にサポートするため登録しても必ず求人紹介を受けれるとは限りません。
リアルライフサイエンスであれば私経由で紹介することもできるので問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。
アプリの業務内容
アプリケーションスペシャリストは「顧客サポート」が主な業務です。営業・エンジニアと協働して顧客の製品サポートを提供するフィールドプレーヤーです。
テクニカルサポート・マーケティングチームなどの本社機能と顧客の橋渡しも行うポジションであり、医療機器メーカーとしては必要不可欠な存在です。
アプリケーションスペシャリストが行う業務の詳細は下記の通りです。
- 製品デモンストレーション: 新しい製品を市場に導入する際、または新規顧客が製品を導入する際、製品の特徴や利点を説明し、測定を実演します。
- 顧客トレーニング: 製品を購入した顧客に対して、製品の正しい使用方法やメンテナンス方法についてのトレーニングを顧客の施設に出向いて実施します。
- 技術サポート(トラブル対応): 製品の使用中に発生した技術的な問題や疑問に対してサポートを提供します。迅速かつ効果的な問題解決により、顧客満足度の向上に貢献することでリプレイス=売上アップに繋がります。
- 市場フィードバックの収集: 顧客からのフィードバックや市場のニーズを収集し、製品開発チームやマーケティングチームに情報を提供します。これにより、製品の改良や新製品の開発に役立てられます。
- 規制遵守の支援: 医療機器や検査試薬は、厳格な規制基準に基づいて使用される必要があります。アプリケーションスペシャリストは、これらの基準についての知識を持ち、顧客が規制遵守を確実に行えるよう支援します。
- 臨床医訪問:熟練者になると、技師や医師のKOLを訪問して自社製品のアピールや意見を求めることがあります。KOLを取り込めば関連する系列病院のリプレイスが優位に進むため、各社の上級アプリケーションスペシャリストは活発に臨床医訪問を実施します。
- 各種勉強会:技師会研究班の勉強会や施設の検査室勉強会、医局説明会など、自社製品に関する勉強会(プレゼン)を実施します。売上アップに繋がることもありますが、主にステークスホルダーとの関係性向上のために実施する付加価値的な業務といえます。
アプリケーションスペシャリストは営業と異なり直接的に売上アップに貢献する機会は稀ですが、製品の専門家としてエンドユーザーをフォローすることで、最終的に企業の収益向上に繋げる縁の下の力持ち的な存在といえます。
顧客との新運用に関する事前相談 ・検査機器と検査システムのオンライン打ち合わせ ・装置設置後のアプリケーション登録 ・顧客要望に応じた基礎検討の実施 ・検討結果の報告書作成 ・オンラインテストの実施 ・顧客トレーニングの実施 ・臨床への報告業務の補助 ・ルーチン開始の立ち合い 新規設置は売上に直結するため営業は積極的ですが、アプリケーションスペシャリストには確認事項が多く、複雑な業務が伴います。 事前相談では、装置の入れ替え後も顧客がスムーズに検査を行えるようサポートします。この段階での丁寧なヒアリングは、後の顧客満足度に大きく影響します。 オンライン打ち合わせでは、検査機器とシステム間での項目情報のやり取りや、データフラグの取り込み方、定性変換のアルゴリズムなど、具体的な連携方法を決定します。 アプリケーション登録は、設置後に検査項目を装置にインストールする作業です。顧客の要望に基づいた基礎検討を行い、性能試験などを通じて装置の状態を確認します。これらの結果は報告書にまとめ、顧客に提出します。 オンラインテストでは、事前に打ち合わせた内容をテストし、問題があれば修正を行います。顧客トレーニングでは、新規装置の使用方法を教育します。 臨床への報告業務では、測定値の変更などを臨床部門に伝え、ルーチン開始の立ち合いでは、実際に検査がスムーズに進むようサポートします。 アプリケーションスペシャリストの仕事は多岐にわたり、確認漏れや設定ミスによるトラブルの可能性があります。そのため、上司や先輩との密な連絡を保ち、迅速な問題解決を図ります。
アプリケーションスペシャリストの職務には、外勤だけでなく意外と多くの内勤業務が含まれています。これらのデスクワークは顧客からの信頼を獲得し、製品の品質保持・向上に直接貢献する重要な業務です。具体的には、顧客提出物の作成、トラブル内容の顛末書作成、問い合わせに対する回答調査、各種顧客対応文書の準備、外勤業務で使用する資料の作成、新規設置施設用の設定資料作成、簡易トレーニングマニュアル作成、社内報告業務、メール対応、苦情報告書の作成などがあります。 これらの業務は、顧客満足度を高めるためにも、迅速な報告・対応が求められます。また、これらの内勤業務は、アプリケーションスペシャリストが持つべきスキルや知識の幅を広げ、業務の質を向上させるためにも役立ちます。それぞれの業務は顧客への説明資料の作成から、社内での報告書作成、トラブル時の対応策の提案まで、専門知識やコミュニケーション能力を要するため、アプリケーションスペシャリストにとっては大きな挑戦でもあります。 アプリケーションスペシャリストが行う内勤業務は、製品に関する深い知識や技術的な理解だけでなく、顧客からの信頼を築き上げるためのコミュニケーションスキルも必要とされます。これらの業務を通じて、アプリケーションスペシャリストは顧客のニーズに応え、より良いサービスの提供を目指します。 最終的に、アプリケーションスペシャリストの役割は、単に製品の使用方法を指導するだけでなく、顧客が製品を最大限に活用できるようサポートすることです。内勤業務はこの目標を達成するための基盤となり、顧客との強固な関係構築に貢献します。アプリケーションスペシャリストは、内勤と外勤の両方の業務を通じて、医療業界における重要な役割を担っています。
アプリのスケジュール
アプリケーションスペシャリストは、そのスケジュール管理能力や自己管理能力を駆使して多岐にわたる業務をこなすことが求められます。特に、新規設置施設の立ち上げや出張時の業務には、高い集中力と効率的なタスク管理が不可欠です。
これらの状況では、一般的なオフィスワークとは異なり、フレックスタイム制やみなし時間制が適応されている一方で、業務に応じた柔軟な時間調整が必要となります。
フレックスタイム制は、労働者が⽇々の始業・終業時刻、労働時間を自ら決めることによって、⽣活と業務との調和を図りながら効率的に働くことができる制度です。
引用元:フレックスタイム制の分かりやすい解説&導入の手引き
労働基準法第38条の2による事業場外労働のみなし労働時間制とは、労働者が業務の全部又は一部を事業場外で従事し、使用者の指揮監督が及ばないために、当該業務に係る労働時間の算定が困難な場合に、使用者のその労働時間に係る算定義務を免除し、その事業場外労働については「特定の時間」を労働したとみなすことのできる制度です。
引用元:「事業場外労働に関するみなし労働時間制」の適正な運用のために
定められた月間の労働時間を超えればいつ働いても良いのがフレックスタイム制、業務の有無に関わらず働いたことになるのがみなし労働時間制です。
また、会社から1人1台ノートPCとSIMカードが貸与されるため、報告書作成や社内日報入力などの内勤業務はテレワークが可能な場合もあります。
平常時の1日は、自宅での内勤業務やWEB会議への参加、訪問施設での業務など、比較的自由度の高いスケジュールが特徴です。こうした自由度の高さは、ライフワークバランスの維持に貢献する一方で、自己管理能力が求められる点に注意が必要です。
9:00-10:00 | 自宅で内勤業務を実施。内勤業務がなければ自由時間。 |
10:00-11:00 | 自宅でWEB会議に参加。 カメラ付PCが貸与されるためどこからでも会議に参加可能。 |
11:00-12:00 | 自宅で内勤業務を実施。内勤業務がなければ自由時間。 |
12:00-13:00 | ランチ |
13:00-14:00 | 訪問施設で使用する資材(顧客案内文書・説明用資料など)の準備。 使用する試薬類は施設へ直送しているため会社に取りに戻る必要なし。 |
14:00-15:00 | 訪問施設への移動時間。 移動は社用車を使用できる場合がある。 遠方施設を訪問する際は新幹線や飛行機を利用することもある。 |
15:00-18:00 | 訪問先施設で新製品のデモンストレーションを実施。 医療機関が顧客になるためアポイントは夕方以降になる。 |
18:00-19:00 | 訪問先施設から自宅へ直帰。 オフィスに戻る必要がなければ直接自宅に帰れる。 |
19:00-20:00 | 訪問先施設で実施した業務内容のまとめや社内に提出する日報を作成する。 |
新規設置施設の立ち上げ時や国内出張時には、その業務の性質上、長時間労働や体力を要する作業が伴うことがあります。しかし、これらは年に数回の特別なケースであり、日常的な業務の流れの中でスケジュール管理を適切に行うことで、仕事と私生活のバランスを保つことが可能です。
重要なのは、アプリケーションスペシャリストとして成功するためには、単に技術的な知識やスキルだけでなく、自身の業務スケジュールを効果的に管理し、柔軟に対応する能力が必要であるということです。また、自宅勤務が可能な環境では、自らの時間を有効に使い、仕事と生活の質を高めるための工夫が求められます。
これらのポイントを抑えることで、アプリケーションスペシャリストとしてのキャリアを充実させることができるでしょう。
仕事の柔軟性を生かしつつ、自身の成長と生活の質の向上を目指すことが重要です。
アプリになるメリット・デメリット
臨床検査技師が企業のアプリケーションスペシャリストに転職する際のメリットとデメリットを解説します。
メリット
- 年収が上がる
- 土曜日が休みになる
- 夜勤がなくなる
- いつでもトイレに行ける
- スマホをいつでも自由に触れる
- ランチにラーメンが食べられる
- 毎日誰かと話ができる
- 採血をしなくてよくなる
- メーカー対応の急な居残りがなくなる
- 早出がなくなる
- 結果の問い合わせに回答しなくてよくなる
デメリット
- ビジネスマナーの勉強が必要
- 白黒つかない(答えがない)難問にぶち当たると夜も眠れない
- 客先業務では常に顧客の目を気にしながら業務することになる
- クレーム対応により対人ストレスが増える
- 帰宅時間が遅くなる
- 年末年始・GWなどの長期休暇は出勤になる
- 新製品が出るたびに使い方を覚えなければならない
- KOLとの面談に備えて死ぬほど知識を蓄えて理論武装しなければならない
- そもそも求人を応募しても受からない
アプリになってよかったこと
アプリケーションスペシャリストへの転職は、医療機関勤務から大きな変化をもたらす可能性があります。特に、自分の努力次第で見込める年収の大幅なアップ、自由度の高いスケジュール管理によるライフワークバランスの向上、そして多様な施設との関わりを通じた視野の拡大という3つのメリットは、多くの人にとって魅力的に映ることでしょう。
- 年収の大幅アップ: 医療機関勤務と比較して、アプリケーションスペシャリストは実力主義のもと、自分の成果に応じた報酬を得ることが可能です。これは、自分自身の頑張りを直接的に給与に反映させることができるため、大きなやりがいとなります。
- 柔軟なスケジュール管理: フレックスタイム制度の適用により、いつどこで働くかを自分で決めることができます。この柔軟性は、プライベートの時間を大切にしながら効率的に仕事を進めることを可能にし、生産性の向上と自分の能力を高めることにもつながります。
- 視野の拡大: 複数の施設と関わることで、さまざまな考え方やアプローチに触れることができます。これにより、自身の知見が深まり、医療業界におけるさまざまな課題に対する理解が深まります。レベルの高い施設担当者とディスカッションできるようになることは、自己成長の大きな機会となります。
医療機関勤務で感じている制約や不満を解消し、より充実したキャリアを目指すためには、アプリケーションスペシャリストへの転職が一つの有効な選択肢となり得ます。
自己成長、報酬の向上、ワークライフバランスの達成といった面で、新しい挑戦を楽しむことができますよ!
アプリのココが辛い!
アプリケーションスペシャリストの職は、医療機器メーカーでの専門職として、高度な技術や知識が求められる分、厳しい労働条件に直面することがあります。主な課題として挙げられるのは、長時間労働、高いストレス、そして明確な解がない問題への取り組みがあります。これらは、特に新しいテクノロジーや機器の導入・サポート時に顕著に現れます。
長時間労働と休日出勤、深夜作業は、特に医療機関の運用時間外に装置の設置やメンテナンスを行う必要があるため、避けられない状況となります。顧客からの期待に応えるため、アプリケーションスペシャリストは時には非常に厳しい環境下で作業を進めなければならないことがあります。
高いストレスは、顧客である医療機関からの厳しい要求や、時には不満やクレームへの対応から生じます。医療機器のトラブルや性能に関する問題は、患者の治療に直接関わるため、その対応には高い責任感が求められます。また、新しい技術やソフトウェアのアップデートに伴う不具合への対処は、予測不可能な課題をもたらすこともあります。
さらに、明確な解が存在しない問題への取り組みは、アプリケーションスペシャリストにとって最も挑戦的な部分の一つです。医療機器の複雑さや新しい技術の導入により、問題の根本原因を特定することが困難な場合があります。これには、深い技術的知識だけでなく、創造的な問題解決能力が必要とされます。
高ストレス環境に耐えられなかった同僚達の中には退職を選択する人もいました。
アプリケーションスペシャリスト時代の同僚の退職理由を3例ご紹介します。
しかし、これらの困難にも関わらず、アプリケーションスペシャリストの役割は非常にやりがいのあるものです。医療機器の専門知識を活かして医療の現場をサポートし、患者の治療に貢献することは、大きな達成感をもたらします。また、技術的なスキルや知識を常に更新し続けることで、専門分野でのキャリアアップを目指すことができます。
アプリケーションスペシャリストを目指す者にとって、これらの課題に立ち向かい、それを乗り越えることができる強い意志と情熱が求められます。そして、厳しい環境の中で得られる経験は、個人の成長に大きく貢献し、将来的にはより大きな成功へと繋がるでしょう。
アプリが嫌になった時の対処法
アプリケーションスペシャリストの仕事は、充実した教育制度と段階的なキャリアアップのチャンスに恵まれていますが、時には辞めたくなる瞬間もあるかもしれません。そんな時、どのように対処し、自身のキャリアを見直すべきかを考えてみましょう。
自己成長のためのステップアップ機会を模索する
医療機器メーカー内で提供される教育制度を最大限に活用し、さらに上のキャリアパスを目指してみてください。
例えば、大手で学んだ知識と経験を土台に、外資系ベンチャー企業への転職を検討することも一つの選択肢です。これにより、高い年収、より良い労働環境、そして仕事の充実感を求めるあなたのニーズに応える可能性があります。
転職を検討する
辞めたいと思った瞬間が、新たなキャリアのチャンスを模索する良い機会かもしれません。アプリケーションスペシャリストとしての経験は多くの分野で価値があります。
たとえば、他の医療機器メーカーや全く異なる業界への転職を考えてみることもできます。実績と経験を活かし、新しい領域でのチャレンジを考えてみましょう。
キャリアチェンジの可能性を探る
現在の職場でのキャリアチェンジも考慮に入れてください。
たとえば、社内公募制度を利用して異なる部署や役職に応募する、あるいは、新しいプロジェクトに挑戦してみるなど、自身のキャリアをリフレッシュする機会があります。
自己反省と目標設定
なぜ辞めたいと感じたのか、その原因を深く掘り下げてみましょう。そして、自身が本当に求めているキャリアの姿を明確にして、それに向けての具体的な行動計画を立てることが重要です。
アプリケーションスペシャリストを辞めたくなった時は、それが自己成長のための新たなスタートラインであると捉え、自分自身のキャリアに対する情熱を再燃させるチャンスとして捉えてみてください。
どの道を選択するにせよ、アプリケーションスペシャリストとしての経験はあなたの貴重な資産となり、次なるステップへの強力な後押しとなります。
【Q&A】アプリのよくある質問
アプリケーションスペシャリストになるために必要な資格はありますか?
必要な国家資格・民間資格はありませんが、製品を使用する顧客(臨床検査技師・放射線技師・看護師など)と同一の資格保有者が採用選考では優遇される傾向があります。
また、製品の使用経験があると即戦力と判断されるため、選考ではより有利になります。
アプリケーションスペシャリストへの転職では、特定の資格は必須ではありませんが、応募する企業の要件を満たすことが重要です。主な要件には、以下の3点があります:
応募先企業の検査領域に関する医療機器や検査機器の操作経験
検査実務経験
基礎および応用知識
これらを満たしているほど、転職成功率は上がります。特に、即戦力となる操作経験や実務経験が重視されます。未経験者でも自社製品の操作経験があれば、採用されやすくなります。検査結果の確認・承認作業を含む実務経験も、現場の流れを理解していることを示し、有利に働きます。さらに、応募先の検査領域に関する深い知識は、ユーザーからの問い合わせ対応にも役立ちます。
加えて、転職成功率を高めるためには、プレゼンスキル、業務改善・運用改善の経験、コミュニケーションスキル、ビジネスマナー、実務経験、スケジュール管理能力が推奨されます。これらのスキルは、医療機器メーカーでの販売促進活動や、顧客との効果的なコミュニケーションに貢献します。
最終的に、アプリケーションスペシャリストへの転職においては、即戦力としての技術・知識と、コミュニケーション能力が求められます。これらをバランス良く持ち合わせていれば、転職市場での競争力が高まります。
出張はありますか?
出張はあります。
出張頻度は、支店の数や自社製品のターゲットとなる施設の種類によって大きく変わります。大手企業の場合、支店が多く全国に分散しているため、一人当たりの出張頻度は比較的少ない傾向にあります。逆に小規模な企業やベンチャーでは、支店数が限られており、広範囲をカバーするため出張頻度が高くなることがあります。
家庭の時間を大切にしたい方や、プライベートと仕事のバランスを取りたい方にとっては、出張頻度が転職を検討する際の重要なポイントになることでしょう。そのため、転職前には応募企業や転職エージェントに対して、出張の頻度について詳しく確認することが重要です。
転勤はありますか?
転勤はあります。
支店数が多い大企業ほど転勤の可能性は高くなります。これは、組織運営の効率化、人材の最適配置、キャリアアップの機会提供、組織文化の共有、柔軟性と適応性の向上を目的としています。異なる地域や部門での経験を通じて、社員に幅広いスキル獲得の機会を与え、企業全体の一体感を醸成し、市場や事業戦略の変化に迅速に対応するためです。
英語力は必要ですか?
最低限読み書き程度の能力は必要です。
外資・内資問わず、海外とのやりとりが発生するケースは少なからずあります。ただし、末端社員であればメールベースのやりとりになるため、DeepLやGoogle翻訳などのツールを使用することで対応可能です。
ただし、ライフサイエンス系の外資企業は本国との頻繁なやりとりやミーティングが発生するため、ビジネスレベルの英語力が要求されます。
アプリケーションスペシャリストは女性でも活躍できますか?
活躍できます。勉強会や説明会では女性の声の方が聞き取りやすく定評があるため、選考で優遇されるケースもあります。
まとめ
臨床検査技師が活躍できるアプリケーションスペシャリストについて解説しました。
私はこれまでに臨床検査技師、胚培養士、治験コーディネーター、アプリケーションスペシャリスト・研究開発職と複数の職種を経験してきましたが、待遇面・業務内容・やりがい・将来性を総合的に考慮するとアプリケーションスペシャリストが1番良かったです。
アプリケーションスペシャリストは狭き門ですが、転職エージェントを活用してチャレンジしてみてください。
40分5,000円でキャリア相談も承っているので、私に直接聞きたいことがある方はお気軽にご相談ください。
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