臨床検査技師を辞めてストレスを解消できた実体験に基づいており信頼性と再現性が高いです。
本記事は悩みの内容に応じた適切な解消法を提案します。
4度の転職経験を持つ筆者が>>Sドラゴンの詳細プロフィールはこちら
退職理由は下記の通り。
仕事も人間関係も毎日が同じことの繰り返しで飽きた
年収が低すぎて将来が不安になった
学会発表や勉強会を強要されてウザかった
検査室内のしょうもない派閥争いに巻き込まれてうんざりした
臨床検査技師を退職後に4度の転職を経て、現在はようやくストレスフリーの生活を送れています。
- 残業時間は月10時間
- 通勤時間は5分(自転車)
- 2022年の年収は700万円で着地予定
- 仕事は自分の得意なことだけ
- 勤務時間内に副業実施
- 学会参加の強要なし
- 夜勤なし
- 土日祝休み
臨床検査技師を辞めたいけど転職できるか不安
転職して本当に今のストレスが解消できるのか不安
ストレスを解消する転職以外の選択肢を知りたい
上記のような悩みを抱える臨床検査技師の方に向けて、私の実体験を元にケースごとの最適な解決策をご提案します。
本記事で解説する解決策があなたのストレス解消に繋がれば幸いです。
職場の人間関係が面倒
臨床検査技師は検査室という閉鎖空間で大勢が勤務するため派閥争いが多発します。
職場で派閥争いが起こる原因は下記の4つ。
仕事内容に緊張感がないから
価値観が異なる人間が集まっているから
部署ごとの権力が同じでないから
行き過ぎた承認欲求があるから
要するに、価値観が異なる複数人が同じ空間で協働するため派閥争いが起こります。
こう断言する根拠は、医療機器メーカー時代に複数の医療機関を担当して派閥争いを目の当たりにしたからです。
面倒な人間関係から解放されたいなら、単独でタスクを管理する外勤職がオススメ。
- 治験コーディネーター
- 臨床開発モニター
- アプリケーションスペシャリスト
- 営業
各職種の業務内容や待遇は【実務経験者が教える】臨床検査技師にオススメの転職先|企業の他職種6選で詳しく解説しているので興味がある方はチェックしてみてください。
毎日同じ業務ばかりで退屈
毎日朝から晩まで同じことの繰り返しで退屈とはいえ、大病院は担当業務が固定化されており、部署異動も簡単にはできません。
毎日同じ業務ばかりで退屈な方の解決策は3つあります。
部署異動せずに参加できる他業務に参加する
中小規模の医療機関に転職する
他職種にキャリアチェンジする
部署異動せずに参加できる他業務に参加する
採血、治験業務、チーム医療など、現職のまま参加できる他業務の割合を増やす方法があります。
患者さんや他職種との交流も取れるため、毎日同じことを繰り返すだけの悶々とした毎日から脱却できます。
中小規模の医療機関に転職する
中小規模の医療機関では在籍する技師の人数が少ないため、検体検査、生理機能検査、チーム医療など全ての業務を兼任します。
幅広い領域の業務に携われるため退屈さを感じることは少なくなりますが、業務に慣れるまでは覚えることが多く、忙しい日々が続きます。
また、救患を受け入れる中小規模病院では日当直の頻度が上がるため、休日出勤・夜勤が増える可能性があることにも要警戒です。
他職種にキャリアチェンジする
今の担当業務が固定化されていてつまらないと感じてるなら、臨床検査技師という職種自体がつまらないと感じるようになるのも時間の問題。
臨床検査技師からの転職でオススメの他職種(医療系専門職)を6つご紹介します。
- 治験コーディネーター@治験施設支援機構
- アプリケーションスペシャリスト@検査機器・試薬メーカー
- 研究開発職@中小企業
- 臨床開発モニター@開発業務受託機構
- メディカル・サイエンス・リエゾン@製薬メーカー
- メディカルアフェアーズ@製薬メーカー
各職種の業務内容や待遇は【実務経験者が教える】臨床検査技師にオススメの転職先|企業の他職種6選で詳しく解説しているので興味がある方はチェックしてみてください。
日当直がしんどい
休日出勤・夜勤が多いとワークライフバランスが乱れて、プライベートに支障が出ます。
特に小さな子どもを持つ方。
小学生とはいえ、子どもを家に残して仕事に行くのはなかなか抵抗があると思います。
とはいえ、日当直は誰もができれば避けたい業務であり、いつまでも免除とはいきません。
日当直を避けたい方の解決策は3つあります。
日当直がない医療機関に移動する
時短勤務者になる
企業に転職する
日当直がない医療機関に移動する
今の職場で日当直を避けれないなら、日当直がない他の医療機関に移動するしかありません。
転職エージェントに日当直がない求人を探して欲しいと伝えれば、日当直が発生しない求人だけをピックアップして紹介してくれます。
時短勤務者になる
時短勤務、非正規雇用者になれば日当直を免除してもらえるケースが多いです。
その上、定時が早くなるため家の用事に使える時間も必然的に増えます。
とはいえ
- いつ切られるか分からない
- 年収が減る
上記のようなリスクがあるため、時短勤務はできるだけ短期間に留めることをオススメします。
企業に転職する
休日出勤・夜勤を避けたいなら、企業の他職種に転職するのも有効な方法の1つです。
企業は医療機関とは異なり原則夜勤なし・休日出勤なしなので、ワークライフバランスを保ちやすいです。
そもそも、私は臨床検査技師として他の医療機関に転職することはあまりオススメしません。
診療報酬の元で働く限り、どの医療機関に移っても給料や待遇に大差はないからです。
臨床検査技師の将来性は【辞めてよかった】臨床検査技師の将来性の闇〜3つの残酷な真実〜で詳細に解説しているので興味がある方はチェックしてみてください。
休日出勤や夜勤を無くし、ライフワークバランスを整えたい方には治験コーディネーターがオススメです。
- フレックスタイム導入のためワークライフバランスをコントロールできる
- フレックスタイムとは始業時間・就業時間をタスクに応じて自分で設定できる制度のこと。
- 決められたタスクを完了できるなら働く時間は自由。
- 早く変える日と残業する日を自分でコントロールできる。
- 9割が女性でワーママも多く、時短勤務者の理解が得られやすい
- CRCはマルチタスクが要求されるため女性が多い職種です。
- 家庭(子ども)を持つ女性も多いため、同じ境遇の方に対する理解も得られやすいです。
- 子どもの発熱など急な退社にも柔軟に対応してもらえます。
CRCは採用のハードルが低く、ほぼ100%転職できると思います。
早出/遅出が嫌
早出/遅出が嫌な方は、シフト制がない職場に転職する必要があります。
残念ながら臨床検査技師はどの職場もシフト制。
早出/遅出が発生しない企業の他職種は、顧客対応が発生しない職種に限定されます。
CRC:患者対応のため採血室が開くと同時に業務がスタートします。
カスタマーサポート職:顧客先での対応は日常業務が終了する夕方以降になるため、帰宅時間は遅くなります。
顧客対応が発生しない企業の他職種は研究職。
研究職なら自分のタスクを自分のペースでこなせるため、顧客に振り回されて早出/遅出が発生する心配はありません。
満員電車通勤が嫌
満員電車が嫌なら解決策は5つ。
- 車通勤に変更する
- 職場の近くに引っ越す
- 近所の職場に転職する
- 時差出勤できる職場に転職する
- テレワーク(在宅勤務)できる職場に転職する
車通勤に変更する
満員電車が嫌なら車通勤に変更すればOK。
従業員用の駐車場の数には限りがあるため、まずは上司に相談してみてください。
もし車通勤を許可してもらえなければ、職場の近隣の月極駐車場を個人名義で借りる方法がありますが、事故った時に労災が使えないため、あまりオススメはしません。
無断で車通勤するなら下記のリスクを背負ってください。
- 交通費は全額自腹
- 事故った時も全て自己責任
上記のリスクは背負いたくないけど車通勤はしたいという方は、車通勤OKの職場に転職することも検討してください。
交通の便が良くない医療機関なら自家用車通勤OKのことも多いため、探せば見つかると思います。
また、企業への転職も検討できるなら社用車通勤させてくれる企業を探すのも有効な方法の1つです。
- ガソリン代は全額会社負担
- 高速道路も乗り放題
- 通勤は会社の車
職場の近くに引っ越す
今の職場環境に満足しているなら、職場の近くに引っ越すことをオススメします。
職場の近くに引っ越すメリット
- 満員電車のストレスが無い
- 始業時間の10分前に家を出れば間に合う
- 昼休みに家に帰れる
- 1時間残業しても19時には帰宅してる
通勤時間ほど無駄な時間はありません。
職場の近くに引っ越すことで無駄な時間を大幅に削減できます。
職場の近くに引っ越すデメリット
- 引っ越しの手間とコストが発生する
- 生活環境が大きく変わる
- 緊急時に呼び出されるリスクが高い
引っ越すので、単発ですが時間とお金がかかります。
近所のお気に入りのお店に通えなくなります。
また、休日に職場でトラブルが発生すると真っ先に声が掛かる可能性が高いです。
まぁ、家に居なければ(居ないことにすれば)OKですが。
近所の職場に転職する
今の職場に不満があるなら転職も選択肢に入ります。
近所の職場に転職するメリット
- 満員電車のストレスが無い
- 始業時間の10分前に家を出れば間に合う
- 昼休みに家に帰れる
- 1時間残業しても19時には帰宅してる
- 生活環境が変わらない
- 引っ越しの費用と手間が発生しない
概ね職場の近くに引っ越すメリットと同じですが、生活環境が変わらないことはメリットとしてかなり大きいです。
近所の職場に転職するデメリット
- 転職先の選択肢が減る
- 転職に伴うリスクが発生する
通勤範囲を狭めれば狭めるほど、転職先候補も絞られてしまいます。
業務内容、年収、休出、福利厚生…全てが理想の職場はなかなか見つかりません。
また、転職は業務内容、年収、休出、福利厚生…が今より良くなる可能性も悪くなる可能性も秘めています。
事前の入念な情報収集によりある程度リスクヘッジはできますが、100%良くなる保障はありません。
医療機関のクチコミサイトも運営しており、医療機関の口コミを多数保有しているmedicoエージェントを利用して、入念な情報収集に努めてください。
時差出勤できる職場に転職する
時差出勤ができる職場とは、フレックスタイムを導入しており、始業時間と就業時間を自由に設定できる職場のことです。
![]()
フレックスタイム制とは、一定期間についてあらかじめ決められた総労働時間の範囲内で、始業や終業の時間を労働者が自由に決められる制度です。いわゆる「9時から5時」のように勤務時間が固定されず、働く人たちが自分の都合に合わせて働き方を柔軟に調整できます。
業務に合わせて出退勤時間を調整する医療機関の遅出/早出と概念が似ていますが、シフトではなく前日や当日でも業務時間を変更できるため、フレックスタイム制の方が自由度は高いです。
フレックスタイムが導入されている企業(職種)
- SMO(治験コーディネーター)
- CRO(臨床開発モニター)
- 医療機器メーカー(営業・アプリケーションスペシャリスト・エンジニア)
- 製薬メーカー(メディカルサイエンスリエゾン・メディカルアフェアーズ・学術)
フレックスタイムのデメリット
残業時間を制限されることです。
フレックスタイムは出退勤時間をコントロールして残業時間を調節できる側面があります。
9時-17時が定時の職場で20時まで残業したとします。
この時点で残業時間は+3時間ですが、翌日の始業時間を12時に変更することで、前日の残業時間を帳消しにできます。
一見、従業員に優良な制度に見えますが、この制度があることで残業時間が多い人は業務コントロールができない人と認定され、評価が下がる=給料が上がらない可能性があります。
フレックスタイム制度の導入により残業時間が少ないホワイト企業に見えても、実際は仕事ができない(遅い)人は残業を申請しない(できない)ためサービス残業の嵐なんてこともあります。
テレワーク(在宅勤務)できる職場に転職する
医療機関勤務の臨床検査技師は100%テレワーク不可ですが、企業に転職すればテレワーク可の職種はいくつかあります。
- SMO(治験コーディネーター)
- CRO(臨床開発モニター)
- 医療機器メーカー(営業・アプリケーションスペシャリスト・エンジニア)
- 製薬メーカー(メディカルサイエンスリエゾン・メディカルアフェアーズ・学術)
とはいえ、どの職種も業務の100%がテレワークで完結するワケではなく、事務作業など一部の業務を会社ではなく自宅で実施できるといったイメージです。
WEBライターやWEBデザイナーなどWEB関係の職種なら業務の100%をテレワークで完結できますが、臨床検査技師からの転職は未経験者扱いになるため年収は若干下がると思います。
とはいえ、WEB業界は今後の伸びしろも十分期待できるため、早めにキャリアチェンジして技術を身につけておくと来的には良いかもしれません。
年収が低すぎる
【辞めてよかった】臨床検査技師の将来性の闇〜3つの残酷な真実〜で詳しく解説していますが、診療報酬の元で働く限り、年収を大きくアップすることは絶対に不可能です。
そもそも、医療機関は利益のために運営してはいけないと医療法で定められているため、医療機関勤務者は一般企業勤務者よりはるかに年収水準が低くなります。
医療法 第7条 第5項
第七条 病院を開設しようとするとき、医師法第十六条の四第一項の規定による登録を受けた者及び歯科医師法第十六条の四第一項の規定による登録を受けた者でない者が診療所を開設しようとするとき、又は助産師でない者が助産所を開設しようとするときは、開設地の都道府県知事の許可を受けなければならない。5 営利を目的として、病院、診療所又は助産所を開設しようとする者に対しては、前項の規定にかかわらず、第一項の許可を与えないことができる。
医療機関勤務のコ・メディカルの30代の平均年収を下表に示します。
職種 | 男性 | 女性 | ||
---|---|---|---|---|
30〜34歳 | 35〜39歳 | 30〜34歳 | 35〜39歳 | |
臨床検査技師 | 442万円 | 455万円 | 393万円 | 444万円 |
看護師 | 451万円 | 466万円 | 421万円 | 442万円 |
放射線技師 | 427万円 | 525万円 | 413万円 | 460万円 |
理学・作業療法士 | 417万円 | 466万円 | 375万円 | 415万円 |
薬剤師 | 515万円 | 611万円 | 475万円 | 508万円 |
出典:賃金構造基本統計調査 / 令和2年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種(厚生労働省)
年代 | 職種 | 年収 |
---|---|---|
21~24歳 | 臨床検査技師 | 400万円 |
25歳 | 胚培養士 | 400万円 |
25歳〜27歳 | 治験コーディネーター | 550万円 |
27歳〜32歳 | アプリケーションスペシャリスト | 600万円 |
32歳〜 | 研究開発職 | 700万円 |
断言しますが、臨床検査技師のままでは100%稼げません。
年収を上げたいなら病院を退職して企業の他職種にキャリアチェンジするしかありません。
休日が少なすぎる
医療機関に勤務していると
- 土曜日の半日出勤
- 休日の日直
これらは定期的に順番が回ってくるため、年間休日は110日あれば良い方です。
休日を増やしたいなら企業へ転職しましょう。
配属部署にもよりますが
- 完全週休2日制
- 土日祝休み
- 年末年始
- 下記休暇
- 創立記念日…
年間休日は少なくても120日以上あるため、医療機関勤務と比べるとはるかに休日は増えます。
臨床検査技師の転職は難しい?いいえ、そんなことはありません
なぜなら、臨床検査技師は専門性が高い職種なので、医療機関だけでなく企業からの需要も見込めるから。
「転職が難しい」と言っているのは、現状を変えたくない(変える勇気がない)一部の保守的な年配技師だと思います。
20代、30代の臨床検査技師なら要点さえ押さえて転職活動すれば短期間で理想的な労働環境へ転職できます。
年齢のアドバンテージを利用する
個性的な職務経歴書を作成する
最新の求人情報をモニタリングする
転職リテラシーを高める
臨床検査技師が転職を成功するための4つのコツの詳細は【臨床検査技師の転職が難しいは勘違い】転職成功に導く4つのコツで詳細に解説しているので興味がある方はチェックしてみてください。
まとめ:居心地が良くない環境に自分を合わせるのは、愚の骨頂。
私は臨床検査技師を辞めて様々な職種を転々としてきました。
側から見ると『忍耐力が足らない』『ある程度は我慢しろ』なんて思われていたかもしれませんが、居心地が悪い職場で我慢して働き続けるなんて人生の無駄遣いです。
臨床検査技師の業務や待遇に不満があるなら、ぜひ転職にチャレンジしていただきたいです。
どう転んでも、今より状況が悪くなることはないと思いますので。
転職にチャレンジしてみようと思われたのなら、まずはどんな求人があるのか情報収集から始めてください。
日系・外資、大手・ベンチャー、ユニコーンなど、各職種が所属する企業は多岐に渡ります。
人気が高い求人は特定の転職エージェントにしかオープンにされていないこともあるので、求人探しは転職エージェントを活用されることをオススメします。
臨床検査技師からできる転職先の実務内容を詳しく知りたい方はキャリアコーチングサービスで実務経験者から直接話を聞くのも良いと思います。
coacheeというキャリアコーチングサービスは、相談相手をテーマや業界別に探せて、気になるコーチが見つかればメルカリ感覚で気軽にコーチングサービスを受けられるためオススメです。