転職リテラシーが低い人は転職エージェントを使うべきではない理由
転職リテラシーとは、求人・コンサルタントの善悪を自分で判断できる能力のことです。
具体的には、下記の項目の全てに該当する方は転職リテラシーが高いと判断できます。
- 求人票
- 求人が募集されている背景を理解できる
- 企業情報を見て会社の将来性を判断できる
- 募集されている仕事内容を具体的にイメージできる
- 求人票の就業時間・休日欄の記載内容の真偽を確認できる
- 転職エージェント
- コンサルタントの善し悪しを判断できる
上記の全てに該当する方は、ご自身で求人の善悪を見極められる方なので、転職エージェントを利用しても転職が失敗する可能性は低いです。
一方、該当しない項目があった方は転職リテラシーが高いとはいえないため、求職者の利益より自社の利益を優先する質の悪いハズレ転職エージェントに当たると、転職を後悔する可能性があります。
転職希望者と転職エージェントの推移
総務省「労働力調査」によると、新型コロナウイルスのパンデミックが発生した2018年以降、国内の転職希望者は急増していることが分かりました。
転職希望者の増加に伴い年々増加傾向にあるのが民間職業紹介事業所、いわゆる転職エージェントや転職サイト。
社歴が浅い後発の民営職業紹介事業者は社会貢献より自社の利益重視で職業紹介事業に参入している可能性が高く、「求職者の利益」は後回しにされる傾向が強いです。
転職エージェントのビジネスモデル
転職エージェントのビジネスモデルは求職者を企業に採用させることで手数料を得る成功報酬型ビジネスです。
- 転職エージェントは企業に営業をかけて求人を獲得します。
- 獲得した求人を求職者に紹介し、応募の意思を確認したら求人企業に推薦します。
- 推薦した求職者が企業と雇用契約を結んだら、成功報酬として企業から転職エージェントに紹介手数料が支払われます。
転職エージェントが提案する4つの転職プラン
転職エージェントが提案する転職プランは4つあります。
キャリアアップ
キャリア維持
キャリアダウン
キャリア復活
志が高く求職者の利益を最優先に考える転職エージェントはキャリアアップまたはキャリア維持の転職プランを優先的に提案しますが、自社の利益重視の転職エージェントは平気でキャリアダウンの転職プランを提案してきます。
転職エージェントが最も儲かるスキームは、キャリアダウンの転職を高速回転させること。
転職リテラシーが低い人は転職エージェントを使うべきではない理由のまとめ
転職希望者の増加に伴い、自社の利益重視の転職エージェントも増加している。
転職エージェントは求職者を企業に紹介させて手数料を得る成功報酬型。
4つの転職プランの中で最も転職難易度が低いのはキャリアダウンの転職。
- 今より仕事が楽になりますよ
- 確実に職場環境を変えれますよ
- 幹部候補ポジションなので将来的には年収が上がりますよ
こんな口実でキャリアダウンの転職を勧めてくるため、転職が失敗しやすくなります。
転職リテラシーが低い人がハズレ転職エージェントを盲信するとどうなるか
転職エージェントは転職サイトと比べると転職が成功しやすいスキームです。
転職エージェント | 転職サイト | |
---|---|---|
求人の質 | 厳選されている | 変な案件も多く含まれる |
求人の探し方 | 紹介してもらえる | 自分で探す |
企業情報の収集 | 内部事情も教えてもらえる | 公表情報しか入手できない |
応募書類の添削・面接対策 | 協力してくれる | 一人でやる |
日程調整・条件交渉 | 代行してくれる | 一人でやる |
転職エージェントを利用すれば事前の情報収集の精度が高まるため、入社前後のイメージギャップが発生する可能性は低いハズ。
ところが、株式会社ビズヒッツが30代で転職を経験した203人を対象に実施した「30代の転職に関する意識調査」の結果、30代の転職で失敗したことの上位1位・2位は事前の情報収集不足が原因でした。
もっと他の会社と比較検討すればよかった
転職エージェントは転職市場の全ての求人を網羅しているワケではありません。
特に無名の中小転職エージェントは企業に営業をかけることで求人を獲得しているため、求職者に紹介できる求人数はそれほど多くありません。
とはいえ、ようやく喰いついた獲物を簡単には逃さないのが中小転職エージェントの怖いところ。
あなたの希望条件は絵に描いた餅です。現実を見てください。
そんな希望条件が通るほど甘い世界ではありません。
希少性が高い人気求人です。今応募しないと次いつ募集が出るかわかりません。
ハズレ転職エージェントに当たると、手持ちの求人に応募させるためにそれらしい文句を並べて求職者を囲い込み、他社比較をさせてくれなくなります。
転職先のリサーチが足りなかった
転職エージェント経由で入手できる情報は、求職者から応募の意思を消失させないようにするため実際と異なるケースが多々あります。
具体的には
残業時間は10〜20時間/月と記載がある
入社すると実際の残業時間は40時間/月だった
休日は土日祝・年末年始と記載がある
大型連休は毎年出勤だった
テレワークOKと記載がある
配属先の部署では原則出社が義務づけられていた
求人票を見渡してもどこにもそんな記載はない。
転職エージェントからもそんな話は一切聞いていない。
とはいえ、雇用契約を結んでしまった以上、求職者は泣き寝入りすることしかできません。
求人企業、または求人企業と利害関係がある団体から得られる情報は、求職者を応募させるための偏りがあります。
雇用者側(他人)から受動的に得られる情報だけで転職を決めると、高確率で転職を後悔することになります。
転職リテラシーが低い人が転職を成功させる3つのポイント
転職が失敗する最大の理由は他人から与えられる情報を口を開けて待っているだけという受身の姿勢です。
これから転職活動を開始される方は、下記の3つのポイントを抑えて自ら積極的に情報を取りにいかなければ転職は成功しません。
転職リテラシーを高める
真っ先に取りかかるべきことは、転職リテラシーを高めること。
- 求人票
- 求人が募集されている背景を理解できる
- 企業情報を見て会社の将来性を判断できる
- 募集されている仕事内容を具体的にイメージできる
- 求人票の就業時間・休日欄の記載内容の真偽を確認できる
- 転職エージェント
- コンサルタントの善し悪しを判断できる
転職リテラシーを高めて上記を習得する方法は、転職経験を重ねて何度も痛い目に遭い、身をもって体得することです。
企業や転職エージェントの質は業界・業種によって千差万別。
注視する点は各業界で異なるため、『このやり方が正解』とは断言できません。
とはいえ複数回の転職も、何度も痛い目に逢うことも、できれば避けたいところ。
そんな時は求人企業と利害関係がない第三者から知恵を借りることが有効です。
- あなたが転職を検討する業界・業種のビジネス経験が豊富な人
- 業界や業種が同じであれば企業間で業務内容や労働条件に大差はありません。あなたが目指す業界・業種のキャリアが長い人から得た情報は信頼性が最も高いです。
- あなたが目指すキャリア形成を実現させた人
- 年収・業界・職種など、あなたの「なりたい」を既に達成しており、かつあなたと生い立ちが似ている人から話を聞けば、ゴールに到達するための最短ルートが分かります。
- 定期的に相談できる人
- キャリアはピンポイントの相談ではなかなか的を得た回答は得られません。方向性に迷いが生じたときにいつでも話ができる相談役を見つけてください。
もし上記に該当する身近な相談役が見つからなければ、キャリアコーチングサービスで探してみるのが良いかもしれません。
coacheeというキャリアコーチングサービスは相談相手をテーマや業界別に探せて、気になるコーチが見つかればメルカリ感覚でコーチングサービスを購入できるため、気軽に利用できてオススメです。
転職リテラシーの高め方が分からない方は、coacheeに在籍するコーチに相談してみてはいかがでしょうか。
ハードルが高い転職サービスを利用する
質の悪いハズレ転職エージェントはリテラシーの低い情報弱者を喰い物にするため、情報弱者が集まりやすい場所に潜んでいることが多いです。
転職リテラシーの低い人が集まりやすい場所は下記の通り。
- 利用料金が無料
- 登録すれば誰でも転職エージェントサービスが受けれる
すなわち、転職サービスを受けるハードルが低く、誰もが気軽に利用できる場所にハズレ転職エージェントは出現しやすい傾向があります。
- 利用料金が発生する転職サービス
- サポート対象を選定する転職エージェント
利用料金が発生する転職サービス
転職エージェントにせよ、転職サイトにせよ、求職者が無料で利用できるサービスは求人企業と求人紹介者に100%利害関係があります。
一方、求職者も利用料金を支払う転職サービスなら転職エージェントを介さずに高年収のハイクラス求人に応募できるため、ハズレ転職エージェントに当たることは起こり得ません。
無料の転職サイトは参入障壁が低く、掲載求人に誰でも応募できてしまいます。
そのため、質の高い人材から候補を選定したいハイクラス企業は転職サイトに求人を掲載しません。
ところが、有料の転職サービス『ビズリーチ』なら無料の転職サイトには掲載されない非公開求人が多数掲載されています。

ビズリーチは、求人企業・転職エージェント(ヘッドハンター)・求職者が対等な関係で採用・求職活動ができる転職プラットフォームです。
転職エージェントサービス以外にも企業からのダイレクトオファーや求職者からの逆アプローチができるため、転職エージェントを介さないで転職活動を進めたい方には最適な場です。
利用料金の壁が求職者のスクリーニング機能を担っているからです。
通常、転職エージェントや転職サイトを利用した転職活動では求職者の費用負担は発生しません。
無料で利用できるからこそ、人材の質を問わず、あらゆる人材が利用しています。
ビズリーチは無料会員だと一部のサービスしか利用ができず、有料会員にならなければ全てのサービスを利用できません。
会員種別 | 利用権限 |
無料会員 | ・プラチナスカウトの閲覧・返信 ・公募や特集求人への応募 ・一般求人の検索・閲覧(企業名非公開) |
有料会員 | ・全てのスカウトの閲覧/返信 ・非公開求人を含む求人全ての閲覧/応募 ・ヘッドハンター検索/閲覧 |
- 企業の採用担当、またはヘッドハンターが送る送信回数の限られたスカウトのことで、無料会員でも内容を閲覧・返信できるスカウト。
有料会員にならなければ非公開求人を閲覧することも求人に応募することもできません。
月額3,278円を支払った人だけが求人データベースにアクセスできるため、ハイクラス企業もビズリーチになら求人を公開できるというワケです。
企業側が支払う採用コストが転職エージェントよりも圧倒的に安価であり、選考で優遇されるケースがあります。
転職エージェントの成功報酬額の相場は採用者の理論年収30〜100%ですが、ビズリーチの採用コストは採用者の理論年収の15%。
転職エージェントに比べて採用にかかるコストが50〜85%程度安く抑えられるため、企業が求めるスペックに達していなくてもチャレンジ枠として採用してもらえる可能性が高くなります。
転職が一般化され過ぎたため、転職エージェントを利用するだけで優良企業に転職できる時代は終わりを迎えつつあります。
これからの転職市場では、求職者側も何かしらのコストを支払わなければ優良求人には出会えなくなります。
ぜひ、ビズリーチの有料会員になってハイクラス企業にチャレンジしてください。
\次世代の転職活動でライバルより目立つ存在になれる!/
サポート対象を選定する転職エージェント
質の高い転職エージェントは短期的な利益に捉われることはなく、求職者・求人企業の双方への満足度を最大化することを考えます。
単発案件より継続案件、つまりリピート利用してもらう方が長期的に自社の利益に繋がることを知っているからです。
求人企業の満足度を高める方法は、最も優秀な人材を、最も必要とされる所へ、最も必要とされる時に的確に紹介すること。
パートナーシップを結ぶ企業のレベルに応じた人材のみを推薦するため、無差別に転職サポートを提供しないのが質の高い転職エージェントの特徴です。
サポート対象を選定して、質の高い人材・企業をつなぐことを得意とする転職エージェントにはJACリクルートメントがあります。

企業の経営層に自らアプローチをかける
一部の優良求人(ポジション)は転職エージェントや転職サイトには公開されていません。
知り合いの紹介で内々にヘッドハンティングしていたり、そもそも募集していないこともあります。
転職サイトや転職エージェントに公開されていない求人にアプローチするには2つの方法があります。
- 企業に直接問い合わせる
- 企業の経営層と面談する
①企業に直接問い合わせる
魅力的な企業を見つけたのに求人が募集されていない。
こんな時は企業のコーポレートサイトから求人の問い合わせを入れましょう。
『貴社の事業内容に感銘を受け、ぜひ貴社の一員として事業に携わりたい』
このような旨をメールに書いて送信すれば『一度お話しますか?』と返信をもらえる可能性があります。
②企業の経営層と面談する
個人の力では企業の経営層と面談することは不可能です。
かなりグレーな方法ですが、現職の会社の看板を利用して経営層にアポイントを取りましょう。
とはいえ、リクルート目的のアポイントは相手にもリスクが及ぶ可能性があるため控えるべきです。
現職の商談でアポイントを取り、休憩時間等の雑談で自分をアピールし、相手に興味を頂かせて「また会いたい」「詳しく話をしたい」と思わせてください。
人の短期記憶は20秒と言われています。
初対面の人でも20秒あれば心はつかめます。
ここだけの話、経営者は目的を達成するために自発的に行動できる人材を高く評価する傾向が強いです。転職エージェントから紹介される優秀な人材よりも、雑草根性で這いあがろうとする人材の方が好印象を得られます。
インパクトのある自己紹介の作り方は下記動画が参考になります。
まとめ:個の力を磨いて令和の転職を成功させましょう!
転職エージェントはエージェント側にメリットがなければ求職者にスカウトは送りません。
転職エージェント側のメリットとは最低限の労力(サポートを提供する時間)で報酬を得ること。
つまり、エージェント側にメリットがある求人は必ずしも求職者にメリットがあるとは限りません。場合によってはキャリアダウンになる可能性もあります。
一方、求職者側にメリットがある求人は転職エージェント側のメリットが少ないため、待っていても求人を紹介される可能性は低いです。
令和時代の転職は自らの力で求人を見極める能力が要求されます。
競争が激しくなっている転職市場を勝ち抜くためにも、ぜひ、転職リテラシーを高めて個の力で優良求人を見つけられるようになりましょう。