医療機器メーカーや検査試薬メーカーのアプリケーションスペシャリスト・フィールドサイエンティストは年収が高く休日も多いことから臨床検査技師の転職先として非常に人気の高い職種です。
しかし、年収が高いということはそれなりにキツイ仕事ではないか?と応募をためらっていませんか?
本記事ではアプリケーションスペシャリストへの転職に興味がある臨床検査技師に向けて、本職種の辛い・キツイ・大変なことをピックアップして解説します。
アプリが辛い・キツイ・大変な理由
- 帰宅時間が遅い
- 長期休暇は出勤になる可能性が高い
- ごく稀に極端なスパイクとして残業時間が月60時間を超える
業務内容は企業によって多少異なりますが、上記3点は概ねどの企業でも該当するものです。
では詳細を解説していきます。
帰宅時間が遅い
アプリケーションスペシャリストは医療機関に出向いて顧客の装置を使用してデモンストレーションや操作トレーニング、トラブル対応を行う職種です。
みなさんもご存知の通り、日中の医療機関で検査機器を止めようものなら臨床からクレームの嵐。止めれるわけがありません。
つまり、アプリケーションスペシャリストは医療機関の診療終了後に作業を開始することになります。
経験上、施設に入室できるは早くても16時ごろ。そこから作業を開始するため、終了するのは18時〜19時ごろになります。
そして、忘れてはならないのが移動時間。18時〜19時に施設を退出してそこから自宅に帰ることになりますが、担当施設が必ずしも家から近いとは限りません。
私の経験では、最も離れた施設は自宅から2時間かかりました。
担当エリアは事前に把握できますが、どの施設担当になるかはあなたの適性を見てから決まるため、入社しないと分かりません。
移動時間を考慮すると、帰宅時間が22時ごろになるのも珍しくありません。
フレックス・みなし労働時間制が適応されている
帰宅時間が遅かった日の翌朝、必ず8:30に出社する必要はありません。アプリはフレックスタイムやみなし労働時間制が適応されており、始業時間が個々の判断に任されています。そのため、前日遅くまで勤務していたのなら、翌日は10時に業務を開始しよう、といったフレキシブルな勤務体制が取れます。
長期休暇は出勤になる可能性が高い
アプリケーションスペシャリストのメイン業務の1つに製品デモンストレーションがあります。
- 製品デモンストレーションとは
- 新製品や新規顧客がスムーズにルーチン検査を開始できるように、アプリケーションのセットアップやデータ取りを行う作業です。新規顧客ではセットアップ項目が多岐に渡ることがあるため、デモンストレーションに要する時間が長期間に及ぶことがあります。
新規顧客の場合、既存装置と入れ替えることが一般的のため、新製品を導入したタイミングで既存装置は撤去されています。
要するに検査がストップするということです。
医療機関で長期間検査が止まるなど言語道断ですよね。そのため、休診中に装置の入れ替え、セットアップ、データ取りを実施することになります。
アプリケーションスペシャリストの作業前にエンジニアによる設置・調整作業が発生するため、製品デモンストレーションには1週間程度の時間を要します。
1週間休診になるタイミングといえば、ゴールデンウィークや年末年始、お盆あたりですよね。そのため、アプリケーションスペシャリストは上記のような長期休暇は出勤になる可能性が高いのです。
休日出勤分は必ず代休を取得できる
休日出勤したからといって年間休日が減るわけではありません。アプリケーションスペシャリストが所属する医療業界企業は社員の健康管理にはかなり気を遣ってくれるため、必ず代休は取得できます。むしろ、平日に連休を取得できるため、旅行費用などが安く抑えられてラッキーです。
その他にも、有給は上長から取得の指示が出ますし、誕生日休暇やリフレッシュ休暇など特別な休暇制度が整備されている企業も多数あるため、年間休日は125日を超えることも珍しくありません。
アプリケーションスペシャリストは医療機関と比べ休日は確実に多く取得できるでしょう。
ごく稀に極端なスパイクとして残業時間が月60時間を超える
臨床検査技師時代は残業したくてもできなかった方が多いと思いますが、アプリケーションスペシャリストはその真逆。製品デモやトラブル対応が重なるととんでもない残業時間になることがあります。
少ないときで10時間前後、多いときで30~40時間程度、ごくまれに極端なスパイクとして60時間を超える例が発生することがあります。
残業時間は40時間を超えないように厳密に管理されています。月60時間のスパイクは数年に1度程度です。
残業0時間でも残業代が支払われる
アプリケーションスペシャリストは20〜40時間分の固定残業代が支給されることが多いです。本来は「残業時間が20〜40時間までは申請不要」という目的ですが、要領が掴めてくると残業時間が発生しない月も出てきます。この場合でも固定残業代は支払われるため、働いていなくても20〜40時間分の残業代をゲットできてしまいます。
アプリケーションスペシャリストの転職難易度は高い?
アプリケーションスペシャリストの転職難易度は、求人の数が限られていること、募集人数が1~3名程度と非常に少ないことから、臨床検査技師が転職できる他職種の中ではやや高めです。
ポジションの専門性が高く、特定のスキルセットや経験を持った候補者を求めていることを示しており、こうした職は専門性が高いため、適合する候補者が少ない一方で、その分、求められる条件に合致すれば選考を通過しやすい可能性もあります。
その企業の製品を実際に使用していた経験があれば採用される可能性は高くなります。
また、年収が比較的高いことは、この職種が高度な技術や専門知識を要求されることを反映しています。高年収は多くの応募者を引きつける可能性があり、結果として応募者数が増加し、競争が激化するかもしれません。
ただし、特定の技術や知識が必要であるため、その分野における経験や資格を持つ応募者だけが選考のテーブルに上がることになります。
あなた自身の経験やスキルが求人条件とどれだけマッチしているかが、転職の成功に大きく影響するでしょう。
1/1で内定を勝ち取れることは99%ありません。アプリへ転職したいなら複数求人に広く応募することをおすすめします。
なお、アプリケーションスペシャリスト求人は下記記事で紹介する他職種向け転職サイトから頻繁に紹介してもらえますので参考にしてください。
研究機器・試薬のアプリなら該当しません
- 帰宅時間が遅い
- 長期休暇は出勤になる可能性が高い
- ごく稀に極端なスパイクとして残業時間が月60時間を超える
上記はあくまでも医療・メディカル業界の企業の話。
実は、研究開発関連のライフサイエンス業界企業からもアプリケーションスペシャリストの求人は出ています。
研究開発関連ならアポイントや作業は基本日中になるため、顧客対応のため帰宅時間が遅くなることはありません。また、研究機関は土日祝が休日になるため、土日祝に作業が発生することもありません。
医療業界のアプリと比較した際のデメリットは下記の通り。
- 研究者を相手にするため高い知識レベルが要求される
- オフィスが都心部にしか設置されていないため出張ベースで全国を飛び回る
- 医療業界のアプリ以上に求人が少ない
ライフサイエンス業界の企業は外資が多いため、ライフサイエンス業界のアプリを志望するなら、JACリクルートメント、ランスタッドなどの外資に強い転職エージェントに登録する必要があります。
ライバルは大学院卒や研究者達ですが、臨床検査技師なら十分戦えると思います。
興味がある方はチャレンジしてみてください。
まとめ
本記事では、医療機器メーカーのアプリケーションスペシャリストが辛い理由を解説しました。
家庭の時間を大切にされる方や小さな子どもがいるご家庭だと少々負担が大きいかもしれません。一方で、子育てが終わった方や独身の方には自由に働けて年収も上がるためおすすめできる職種です。
ご自身の家庭環境や業務の適性を総合的に考慮して、アプリケーションスペシャリストへの転職を検討してくださいね。
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