臨床検査技師

【辞めてよかった】臨床検査技師の将来性の闇〜3つの残酷な真実〜

臨床検査技師はやめとけ

臨床検査技師をこのまま続けてたら間違いなく将来ヤバい状態に陥りますよ。

なぜならこの先に臨床検査技師、特に検体系技師を待ち受ける闇が深すぎるから。

残酷な3つの真実
  • 上がらない給料・増え続ける業務量と責任
  • 検体検査室はコスト削減の『切り札』
  • これからはシンプルに働く場所が減る

この3つをかけ合わせるとどうなるか。

答えは安い給料で死ぬほど働かされるけど、簡単に切り捨てられる可能性がある』です。

 

この記事では、この先に臨床検査技師を待ち受ける残酷な3つの真実をどこよりも詳しく解説します。

今から臨床検査技師を目指そうとしている方も、既に臨床検査技師として働いている方も、本当にこのまま臨床検査技師を続けても大丈夫なのか?

このことをよく考えてみてください。

この記事を書いた人

Sドラゴン

■奈良県天理市生まれ。最終学歴は3年制の専門学校卒。
■臨床検査技師⇨胚培養士⇨治験コーディネーターを経験して29歳で医療機器メーカーに入社。
■臨床検査技師を医療機関の内外から見てきた知見を共有します。

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上がらない給料・増え続ける業務量と責任

自覚されている方も多いと思いますが、臨床検査技師の給料・年収は、国家資格の医療職とは思えないほど相当に低いです。

それに加え、年次昇給の金額はお昼ご飯にプリンを追加しただけで消えてなくなる程度の金額。

現状が既にこんな状態なのに、この先もっと残酷になります。

臨床検査技師は医療職の中でも特に年収が低い

下表は医療機関勤務のコ・メディカルの20代の平均年収をまとめたものです。

臨床検査技師と他職種の平均年収(20代)
職種男性女性
20〜24歳25〜29歳20〜24歳25〜29歳
臨床検査技師310万円358万円306万円366万円
看護師349万円418万円352万円372万円
放射線技師346万円397万円322万円384万円
理学・作業療法士328万円374万円318万円364万円
薬剤師331万円456万円355万円419万円

出典:賃金構造基本統計調査 / 令和2年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種(厚生労働省)

新卒の頃(20代前半)は職種間の年収にそこまで大きな差はありませんが、20代後半ごろから徐々に金額の差が大きくなります。

臨床検査技師は他職種と異なり夜勤が少なく、危険手当などの追加手当も貰えないためコメディカルの中でも特に賃金が低いです。

ベース賃金が低いことに加えて、診療報酬改訂による検査点数の引き下げ、病院全体の収益減により、検査部門は日々コスト圧縮を迫られている状況。

Sドラゴン
Sドラゴン
こんな状況だと残業代もまともに申請させてくれないワケです。

ちなみに、医療機器メーカー勤務時代に仕入れた情報によると、技師長・科長クラスでも年収は600万円〜650万円程度。

長く勤めても役職が上がっても、大した金額は貰えないのが臨床検査技師の悲しいところ。

右肩上がりの医療費・保険料と診療報酬のマイナス改定

下図にお示しした通り、1995年以降、主要な先進国の中で唯一日本だけが平均賃金が横ばいやや低下傾向です。

この理由は下記ツイートに。

Sドラゴン
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これが日本人・日系企業の給料が上がらない理由の1つです。

日本人の給料が上がらない一方で、ひたすら右肩上がりなのが国民医療費

出典:GemMed

医療技術の高度化や高齢者の増加が国民医療費が上がり続ける主な要因と言われています、医療にかかる財源は有限。

誰かが何かしらの形で負担することになりますが、その1つがあなたの給料から毎月天引きされている健康保険料

日本の国民医療費の48.8%は被保険者の保険料から捻出されていますが、医療費が増加すると必然的にあなたの給料から天引きされる健康保険料の金額も増加します。

下図の緑の棒グラフは1人あたりの年間保険料負担額を示していますが、年々右肩上がりで増加していることが分ります。

ここまでをまとめると

日本人の給料は上がらない

給料から天引きされる健康保険料は毎年増える

これだけなら国内の内資系企業でも同じことが言えますが、問題はここから。

健康保険料増大に伴う国民の負担を軽減するために、政府は診療報酬のマイナス改定を検討しています。

診療報酬のマイナス改定の恩恵

給料から天引きされる健康保険料の金額を抑えられる

医療機関受診時の患者負担が減少する

診療報酬のマイナス改定により給料から天引きされる健康保険料の金額が安く抑えられるため、多くの国民の手取りが増える一方で、心中穏やかではないのが医療関係者。

診療報酬がマイナス改定されれば医療報酬単価が下がるため、医療機関の収入に影響が出るのは言うまでもありません。

もちろん、高齢者増加に伴い患者数も増えるため、下がった単価は患者数の増加でカバーできる部分もありますが、それは今と同じ給料で今より忙しくなることを意味しています。

その他にも、タスクシフトで医師の業務をコメディカルが受け継ぐ施策が進んでいますが、これは医師の業務量を減らして病院の支出を抑えることが最大の目的。

超高齢化社会に突入中の日本では、今後も患者数が増大することは明らかです。

臨床検査技師を続けるということは、今と同じ給料のまま今より業務量と責任が増えるリスクを背負うということなんです。

検体検査室はコスト削減の『切り札』

n151120b2b2.jpg出典:日医on-line

上図は医療機関の総支出の内訳を示したデータです。

実は、医療機関の支出で最も多くの割合を占めるのは人件費

Sドラゴン
Sドラゴン
病院経営を安定して黒字化させるには人件費の最適化は欠かせない課題です。

臨床検査技師は『その他医療関係職』に含まれますが、6.5%の内訳は下図の通り。

平成30年に公表された厚生労働省のデータによると、現在国内では64,080人が臨床検査技師として登録されており、看護師・薬剤師を除くコ・メディカルの中では理学療法士(PT)に次いで2番目に人口が多い職種です。

Sドラゴン
Sドラゴン
人手がかかる用手法時代ならまだしも、機械化が進んだ現代の臨床検査業界でこれだけの人数が必要かは疑問です。

厄介なことに臨床検査技師には独占業務がありませんし、看護師のように人数に応じて診療報酬がアップする仕組みもありません。

病院の最大の支出は人件費であること、臨床検査技師は収益に対して人件費がかかりすぎていること、これらの問題を検査の自動化で解消できることを医療機器メーカーは病院経営層に日々常々訴求しています。

さらに、忘れてはならないのが検体検査室は他職種と異なり『検査試薬代』がランニングコストとして発生すること。

人件費+検査試薬代が相まって他部署よりも支出が目立つため、臨床検査技師は経費削減の標的にされやすいといえます。

検体検査室の経費を手っ取り早く削減できる方法が検査室のブランチ化です。

ブランチラボとは、医療機関内に設置した大手検査センターが運営する検査室のことで、検査に関わる機器・試薬・人材は全て検査センターの所有物となります。

検査室をブランチ化することで、徹底した機器の購入価格の低減、ランニングコストの削減、人件費も最小限にとどめるなど、企業ならではの経営方針の恩恵を受けられるため、検査に関わる病院経費を大幅に削減できます。

法的な業務規制により患者に直接接触する業務、すなわち採血業務および生理機能検査業務を企業職員は行うことができないという特性があります。

Sドラゴン
Sドラゴン
検体検査室は病院内でブランチ化できる数少ない部署です。

検査機器・試薬メーカー勤務の経験から断言できますが、消耗品や試薬の大手検査センター価格は病院価格とは比べ物にならない程安いんです。

消耗品や試薬代が安くなる最大の理由は、大手検査センターは消耗品や試薬を大量に購入するから。

検査試薬メーカーにとって、検査センターは超大口の取引先。1試薬ごとの単価が下がってもトータルの売りを見れば価格交渉に応じざるを得ません。

Sドラゴン
Sドラゴン
検査センターに比べると独法医療機関は年間の試薬消費量はたかが知れてるため、なかなか価格交渉には応じてもらえないワケです。

さらに、ブランチ化することでメーカーが検査実績課金方式を受け入れてくれる可能性もあります。

 

  • 検査実績課金方式とは、各検査測定項目につき1テスト当たりの価格(単価)を試薬メーカーと契約し、毎月の検査報告実績数に対してのみ費用を支払う完全後払い方式の制度
  • 例えば、再々検まで測定したとしても請求される試薬コストは1テスト分のみであり、試薬代・消耗品代を大幅に削減できます。

その他にも、メーカーとの交渉次第では定額で試薬使い放題プラン(例:月間1,000万円の固定費で試薬・消耗品使い放題)を契約できることもあります。

いずれにせよ、試薬代を安くしてもメーカー側にメリット(月間の売り上げが100万円以上)がある施設でなければ検査実績課金方式や定額プランの契約は絶対にできません。

これからはシンプルに働く場所が減る

上図は平成2年以降の国内の病院数の推移を示しています。

開設者に関わらず病院数は年々減少していることがデータから読み取れます。

病院数が減少する理由は主に下記の3つ。

支出増大

収益の減少

医師・看護師の不足

支出の増大

検査機器・検査試薬は価格が安い汎用機汎用試薬から専用機専用試薬の時代に突入しています。

専用機専用試薬は下記の理由から検査の標準化には最適な選択肢です。

  • 検査過誤の発生率を大幅に削減できる
  • 誰が作業しても一律同じ結果が得られる
  • トラブル発生時の原因特定が迅速にできる

ただし、価格が汎用機汎用試薬より高いというデメリットがあるため、病院の支出は増加します。

検査関連機器・試薬以外にも多くの医療機器・医薬品が高性能化している分価格も高騰しており、医薬品や医療材料の経費が増大します。

収益の減少

病院の収入源の1つに『入院基本料』というものがあります。

1日あたりの宿泊料金と考えてください。この料金は、医師の診察料や看護師の看護料を含めたサービス全体に対する料金です。

出典:よくわかる診療報酬2022-入院の料金

急性期一般入院基本料11650点
21619点
31545点
41440点
51429点
61382点
地域一般入院基本料11159点
21153点
3988点

上記点数のどれに該当するかは看護師の人数や平均在院日数で変わりますが、在院日数は短いほど点数が高くなるため、急性疾患患者をたくさん受け入れるほど病院の収益は高くなります。

医療機関としては急性疾患患者をできるだけ多く受け入れたいところですが、これからの日本は高齢患者が爆発的に増加していきます。

高齢患者が増加すると認知症や脳血管疾患など、入院日数が長くなる症例が増加するため、入院基本料が減少し病院の収益にも影響が出ることが予想されます。

これに加えて、国民の医療費負担を軽減するため、国は今後も診療報酬を低下させていくでしょう。

医師・看護師の不足

支出が増大し収益が減少すると、医療機関はもはや薄利多売の道を歩むことになります。

要するに、今より患者数が増えて業務量は増加するけど給料は横ばいという最悪の事態。

その結果

  • 医師や看護師は労働に見合う対価が得られる場所に転職していきスタッフが減少。
  • 経営を立て直すにも自院単独でのスタッフ増員は容易ではなく、結果としてダウンサイジングを余儀なくされる。
  • 実質的な経営破綻に追い込まれ経営統合に踏み切る場合も珍しくありません。

 

ここで問題なのは、労働環境が劣悪化して人員が不足するのは医師や看護師など直接患者と対峙する職種であり臨床検査技師ではないという点です。

医師・看護師不足で医療機関が減少しても臨床検査技師の絶対数は変わらない(辞めない)ため、残ったポストの取り合いになることが予想されます。

Sドラゴン
Sドラゴン
ポストが少ないということは、どんなに劣悪な条件でも人材が辞めません。辞めたとしても、更に劣悪な条件で募集して人材を補充します。

臨床検査技師の求人は休みが異常に少なく年収が異常に低いものが多いワケです。

まとめ:この先も臨床検査技師を続けるのはリスクだらけ

本記事の要約
  • 上がらない給料・増え続ける業務量と責任
    • 診療報酬のマイナス改定(給料上がらない)
    • 健康保険料の天引き額増大(手取りダウン)
    • タスクシフトによる医師業務の引き継ぎ(業務量・責任の増大)
  • 検体検査室はコスト削減の『切り札』
    • 病院経費の大部分は人件費
    • 臨床検査技師は収入対して人数が多すぎる
    • 検体検査室はいつでも切れる
  • これからはシンプルに働く場所が減る
    • 医療機器・医薬品の高性能化に伴う価格の高騰
    • 高齢者増による入院基本料の減収
    • 労働環境劣悪化に伴う医師・看護師の不足

医療機関に勤めていれば安定するなどと言われた時代はもはや終焉を迎えようとしています。

特に臨床検査技師。この先給料は安いけど雇用は不安定というリスクとリターンが全く見合わない状態に陥ることは必須。

生理機能検査担当技師は今の立場は守られるかもしれませんが、検体系技師は本当に危うい。

現在中小規模の医療機関にお勤めの検体検査担当の方は、キャリアプランを真剣に考えないと思わぬところでハシゴを外されることになります。

ご自身の将来のためにも、このまま臨床検査技師を続けていくのか、今一度よく考えてみてください。

キャリアプランの考え方が分からないなら転職市場のモニタリング、つまり求人のチェックから始めてみることをオススメします。

臨床検査技師を欲している企業は意外と多いことを知っておくだけでもある程度のリスクヘッジになります。

  • 転職サイトで自分の条件にマッチする求人を探す暇がない
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Sドラゴン
Sドラゴン
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