厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、臨床検査技師の平均年収は508万円(平均年齢:41.3歳、勤続年数:11.9年)です。平均月収は35万円、平均賞与(ボーナス)は87万円ほどで、手取り年収はおよそ380万~406万円が目安となります。
医療系専門職として人気の高い臨床検査技師ですが、一部の方から「年収が低い」といった声が上がっています。
この記事では、臨床検査技師の年収を上げるための4つのアプローチを紹介します。
年収を高めたい臨床検査技師の方はぜひ参考にしてください。
我慢する
最も伝統的な方法ですが、現職で我慢しながら長く働くことは、年功序列により年収を高める一つの方法です。
医療機関は年功序列の制度をとることが多く、勤務年数が長くなるに連れて年収の伸びも大きくなります。
以下に臨床検査技師の年代別年収を提示します。
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
20-24歳 | 337万円 | 336万円 |
25-29歳 | 403万円 | 416万円 |
30-34歳 | 459万円 | 424万円 |
35-39歳 | 519万円 | 473万円 |
40-44歳 | 576万円 | 491万円 |
45-49歳 | 721万円 | 513万円 |
50-54歳 | 740万円 | 571万円 |
55-59歳 | 707万円 | 549万円 |
医療機関でのキャリアは年々積み重ねられ、経験やスキルが認められることで収入が増えることから、年齢が高くなるにつれて年収は高くなります。
しかし、大幅な昇給は役職がつく30代後半ごろから。比較的ゆっくりとしたペースでの昇給が予想されるため、年功序列による年収アップには忍耐が必要です。
ベース賃金が高い医療機関に移動する
医療機関の間でも給与体系や福利厚生に大きな差があります。
ISO15189の取得状況、日当直の有無、加算の種類、設備投資の必要性などにより、医療機関ごとの年収は大きく変わるためです。
独立行政法人労働政策研究・研修機構が実施した調査では、経営形態別の医師の平均年収がまとめられているので見てみましょう。
経営形態 | 平均年収 |
国立 | 882万4,000円 |
公立 | 1347万1,000円 |
公的 | 1353万4,000円 |
社会保険関係団体 | 1280万7,000円 |
医療法人 | 1443万8,000円 |
個人 | 1414万円 |
学校法人 | 739万5,000円 |
その他の法人 | 1406万4,000円 |
医療法人・個人の年収が高く、国立・学校法人(大学病院)の年収が低いことがわかります。上表はあくまでも医師の年収ですが、臨床検査技師をはじめとした医療スタッフへの還元意識の高さは参考になります。
- 学校法人はなぜ年収が低いのか
- 大学病院では研究や医師育成が主目的であり、利益追求が主な目的ではないため、人件費の予算が限られています。これにより、勤務する医師やスタッフの年収が低く設定されがちです。また、大学病院は医療スタッフの数が多く、予算とスタッフのバランスが取れていないため、個々のスタッフの給料も比較的低めになります。さらに、多くの病院で年功序列の風潮が残っており、資格や実績があっても昇給が難しく、年収が上がりにくい状況が続いています。
臨床検査技師のまま年収をアップしたいなら医療法人・個人クリニックに移動することをおすすめします。
ヘルスケア系企業に転職する
臨床検査技師のスキルは、製薬会社や医療機器メーカーなどのヘルスケア系企業でも求められています。
下図で医療系専門職と医療機器メーカーの年収を提示します。
医療機器メーカーの平均年収は医療系専門職の中でも特に高年収の薬剤師より高いです。
これらの大企業では、臨床現場よりも高年収で福利厚生が充実している場合が多く、キャリアチェンジを検討する価値があります。
臨床検査技師は、フィールドサポート、営業、製品開発やマーケティング分野での活躍が期待されています。
副業する
自分のスキルを使って副業を始めることも、一つの解決策です。
臨床検査技師の資格や経験を生かし、講師業やフリーランスのコンサルタントとして活動することで、さらなる収入を得ることができます。また、オンラインで情報発信を行うことで、広告収入を得る機会も広がります。
ただし、医療機関によっては副業を禁止していることもあるため、規定の確認は必須です。
臨床検査技師におすすめの副業やバレ防止対策等については下記の記事で詳細に解説しているので参考にしてください。
まとめ
【辞めてよかった】臨床検査技師の将来性の闇〜3つの残酷な真実〜で解説している通り、臨床検査技師は今後業務量は増加するけど給料は上がらない可能性が高いです。
臨床検査技師としてそれなりの年収を得たいなら、戦略的なキャリア形成が必須でしょう。
今回紹介した4つの方法を検討し、どのアプローチが自分のキャリアプランやライフスタイルに合っているかを見極めてください。
自分に合った道を選び、年収を高めるための努力を続ければ必ず道は開けます。諦めずに頑張りましょう。
他の医療機関やヘルスケア系企業への転職を検討するなら転職サイトや転職エージェントに登録することをおすすめします。臨床検査技師なら転職のプロから手厚い支援を無料で受けれるため利用しない手はありません。
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