医療機器メーカー

サービスエンジニアってどんな仕事?元医療機器メーカー社員がよくある質問を解説!

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医療機器メーカーの職種別の役割と各職種間の関係性

サービスエンジニアはフィールドの顔として、営業・アプリケーションスペシャリストと連携し、既存顧客への直接的なサポートを提供します。機器の修理・調整・点検からソフトウェアのアップデート、在庫管理まで、彼らの業務は医療機器の安定稼働に不可欠です。

業務内容

医療機器の修理・調整・点検

サービスエンジニアは医療機器のチェック、破損部品の交換、交換後の位置調整、定期点検を行います。これには、機器の正確な機能を保証し、患者の安全を確保するための厳密な手順が含まれます。

ソフトウェアのバージョンアップ

医療機器は、バグ取りや機能改善のために定期的にソフトウェアのバージョンアップが必要です。このバージョンアップは装置の動作に大きく影響し、技術的な知識を要するため、機械に詳しいエンジニアが対応します。

在庫管理業務

サービスエンジニアは定期点検や緊急修理に必要な部品を確保するための在庫管理も担当します。在庫が過多にならないようにすると同時に、必要な部品が常に利用できるように、使用状況を常にモニタリングします。

これらの業務は、医療機器が適切に機能し続けるために不可欠です。エンジニアとサービスエンジニアは、医療機器が常に最良の状態であることを保証し、結果として患者の安全と治療の効果を確実にします。

ノルマの有無

フィールドエンジニアの業務は、営業職とは異なり、売上のノルマが課されるわけではありません。しかし、顧客サポートに関連する行動指標が設定され、これらの指標に達しないと給与の査定に影響を与えることがあります。

行動指標の例

  • 担当施設を訪問した月間の回数
    サービスの質を保つためには、一定の頻度で顧客施設を訪問し、機器の状態を確認し、顧客のニーズに応える必要があります。
  • 顧客からの問い合わせ対応の件数
    顧客サポートの効率と効果を測るために、問い合わせ対応の件数が評価されます。
  • 修理の出動件数
    緊急修理や定期的なメンテナンスに対応する出動件数も、業務遂行能力を示す重要な指標です。
  • 在庫管理
    必要な部品の適切な在庫管理は、迅速な対応とサービスの連続性を保つために評価されます。

医療機器メーカーでは、これらの定量的な評価指標を用いて毎年個人目標を設定し、エンジニアのパフォーマンスを評価します。このように、フィールドエンジニアの業務成果は、具体的な行動指標を通じて測定され、それに基づいて給与や昇進が決定されます。

月収・年収1000万円達成できる?

フィールドエンジニアの年収は、一般的に500万円から800万円程度で、具体的な金額は各企業が設定した給与規定に基づきます。この業界では年功序列ではなく、実力や職務遂行能力に基づいたグレードや等級によって給与が決定されます。これらのグレードや等級は、毎年の人事評価での成績によって昇降するため、給与もその評価に応じて変動します。

月収としては、手取りで30万円から50万円程度になることが多いです。年収1000万円を目指すには、一般的には技術職のプレーヤーとしてではなく、マネージャーやより上位の管理職に昇格する必要があります。管理職への昇格には、単に技術的なスキルだけでなく、リーダーシップやプロジェクト管理能力など、さらに高度な職務能力が求められます。

未経験・資格・英語力

サービスエンジニアの職には特別な資格が必須ではない場合が多いですが、理系のバックグランドとしてネットワーク、電気、機械の知識が求められることが一般的です。特に技術的な理解が必要な業務が多いため、これらの分野に関する知識は、効率的に作業を進める上で大きな助けになります。

英語力については、外資系企業においては少なくとも読解力が求められます。多くの外資系企業では、機器のマニュアルや技術文書が英語で提供されるため、日常的に英語のドキュメントを読んで理解し、作業を進める必要があります。したがって、基本的な英語の読解能力は、外資系企業で働く上で不可欠です。

未経験者でもサービスエンジニアとしての職に就くチャンスはあります。特に、顧客サポートの経験があると有利ですが、業界内での人手不足が背景にあるため、未経験者でも十分に検討されることがあります。実際、未経験から入社し、研修を通じて必要なスキルや知識を身につけることで、成功するケースは少なくありません。

働き方・働きやすさ・ワークライフバランス

医療機器メーカーで働くサービスエンジニアの職場は、柔軟な働き方を支援することで知られています。以下の特典により、働きやすさとワークライフバランスの維持が可能です。

  • フレックスタイム制度: サービスエンジニアは始業時間と就業時間を自由にコントロールできます。これにより、個人のライフスタイルや仕事の流れに合わせて労働時間を調整することができます。
  • 直行直帰: 出勤と退勤時に自宅から直接顧客施設に向かったり、そこから直接帰宅したりすることが認められています。これにより、無駄な通勤時間が省かれ、効率的な仕事が可能になります。
  • テレワーク: 必要なIT機器が会社から貸与されるため、自宅や任意の場所で仕事をすることができます。これにより、柔軟に働くことが可能になり、プライベートと仕事のバランスを取りやすくなります。
  • 社用車の利用: 移動は会社から貸与される社用車で行い、高速道路料金も会社が負担することがあります。これにより、移動に伴うストレスが軽減され、業務に必要な機材の運搬も容易になります。

これらの制度は、サービスエンジニアが効率的かつストレスフリーで働けるように設計されており、職場の自由度を高め、個々のニーズに応じた働き方を可能にしています。ただし、緊急修理の場合などは迅速に対応する必要があるため、柔軟性と即応性が求められます。

転勤の有無とタイミング・拒否できる?

転勤の有無とタイミングは、医療機器メーカーの規模やポリシーによって異なります。大企業では支店が多いため、転勤の可能性が高く、通常は3〜5年ごとの周期で転勤の辞令が出されることが一般的です。転勤は、地域の市場規模や業務量に応じて、業績の優れた社員に対する栄転や、業績不振や問題行動が原因での異動となる場合があります。

転勤を断ることは通常難しく、会社の方針に従う必要があります。しかし、一部の企業では「地域限定制度」を設けており、特定の地域に留まることを選択できますが、これは通常、年収の減少を伴います。

サービスエンジニアは、その性質上移動が多いため、交通ルールの遵守が特に重要です。交通違反が多い場合、企業によってはペナルティとして交通量の少ない地方への転勤が命じられることがあります。

企業による転勤の方針と個人のキャリアプランのバランスを取ることは重要であり、転勤が予想される場合は、事前にキャリアの選択肢や条件を検討しておくことが推奨されます。

キャリアプラン・キャリアパス

サービスエンジニアのキャリアプランには、以下の主要な選択肢があります:

  1. フィールドプレーヤーとしてキャリアを続ける: 体力と熱意が続く限り、技術面でのスキルを維持し続けることができます。多くの経験豊富なサービスエンジニアが活躍しており、実務経験を活かして専門性を高めることができます。
  2. マネージャーに昇進する: 技術的役割から管理職への移行は、チームをリードし、プロジェクト管理や戦略計画の立案を担当することを意味します。管理職は、チームのパフォーマンスを向上させ、組織の目標達成に貢献する責任を負います。
  3. 職種変更を行う: 同じ企業内で異なる職種への変更も可能です。これにより、新たなスキルを習得し、業務の多様性を増すことができます。社内公募制度を利用して、別の部署や職種に挑戦することが一般的です。
  4. 他企業への転職を検討する: 別の医療機器メーカーやベンチャー企業に転職することで、新しい環境でキャリアをリフレッシュし、異なる業務内容や企業文化を経験することができます。特に、外資系のベンチャー企業は新たなチャレンジと機会を提供する可能性があります。

サービスエンジニアのキャリアパスは多岐に渡り、個人の興味、スキル、キャリアの目標に応じて柔軟に選択することが可能です。これにより、長期的なキャリア展望を持ちながら、専門性と職務の満足度を高めることができます。

楽しさ・やりがい・メリット

医療機器メーカーでのアプリケーションスペシャリストやサービスエンジニアとしての業務は、自分の頑張りが直接収入に反映される成果主義が基盤にあり、年功序列の制度とは異なります。これにより、自身の実力と成果が年収の昇降に直結し、自らの努力次第で大幅な年収アップが目指せることが大きな魅力です。

加えて、スケジュール管理が自由なため、ライフワークバランスを自分で調整しやすく、働き方にメリハリをつけることが可能です。休みたい日は休む、働く日はしっかり働くことで、プライベートと仕事の両立がしやすくなります。

仕事の内容も、主観ではなく客観的なデータを基に論理的に原因を究明し、問題を解決していくプロセスが要求されます。これにより、データ収集から仮説立て、作業実施、結果確認に至る一連の流れを通じて、ロジカルシンキングや思考力が自然と鍛えられます。

このように、医療機器メーカーでの職務は自己成長につながるだけでなく、自分の努力が明確に評価され、それが報酬に反映されるやりがいのある仕事です。

きつい・大変・ツラい・デメリット

医療機器メーカーでのサービスエンジニアの職は、長時間労働、緊急出動の必要性、および慢性的な人手不足といった点で困難が伴うことが多いとされています。繁忙期には医療機器の設置が増加し、休日出勤や夜通しの作業が発生することもあります。また、緊急修理の要請には即座に対応する必要があり、計画されたスケジュールが急に変更になることがあり、それがストレスにつながることもあります。

特に、緊急修理が同時に複数発生すると、既定の業務計画を変更し、急遽部品を調達して対応する必要が出てきます。このような状況は、サービスエンジニアにとって相当なプレッシャーとなり得ます。

さらに、サービスエンジニア職は常に人手不足に陥りやすく、新規案件の増加にもかかわらず十分な人員補充がなされないことが多いです。即戦力になるべき新人の採用が進まない状況では、既存のスタッフに過剰な負担がかかり、過重労働に陥るリスクが高まります。これらの要因が重なると、サービスエンジニアの仕事は物理的、精神的にも非常に厳しいものとなる可能性があります。

求められる人材・向いてる人

医療機器メーカーのサービスエンジニアに適している人材は、主に以下の特徴を持つ人です。

  • 機械を触る作業が好き・得意な人: サービスエンジニアの主な仕事は機械のメンテナンスや修理であるため、機械に対する興味と理解が重要です。機械や技術に対する知識とスキルが求められます。
  • 人と接することが好きな人(苦手ではない人): 顧客とのコミュニケーションが頻繁に発生するため、コミュニケーションスキルが必要です。顧客からの問い合わせに対応したり、作業の説明やトレーニングを行う場面が多くあります。
  • 報告・連絡・相談が徹底できる人: 作業の進捗や状況を適切に報告し、必要な情報を効果的に共有する能力が必要です。特に緊急のトラブルや修理時には、迅速かつ正確な報告と連絡が求められます。

サービスエンジニアは技術的なスキルだけでなく、顧客サービスやコミュニケーション能力も同等に重要な役割を果たします。この職には、技術的な知識と対人スキルのバランスが取れた人が適しています。また、問題解決能力や冷静な判断力を持ち合わせていることも、この仕事には不可欠です。

女性でも活躍できる?

女性でも医療機器メーカーのフィールドエンジニア(サービスエンジニア)として活躍することは可能です。確かに、この分野では女性が少ないのは事実かもしれませんが、それは過去の産業構造や社会的な観念によるものであり、女性の能力や適性の問題ではありません。

現在、多くの業界では女性が活躍できる環境が整えられつつあります。医療機器メーカーにおいても、重い物を持つことや体力的な問題は、適切なサポートや機器の使い方、作業方法の工夫によって克服できる場合が多いです。また、フィールドエンジニアの業務は単に物理的な力仕事だけでなく、機器の知識、技術的なスキル、問題解決能力、顧客とのコミュニケーション能力など多方面にわたります。

女性がフィールドエンジニアとして働く際には、体力的な面に配慮する必要があるかもしれませんが、それを補うための工夫やサポートが提供されることもあります。また、女性ならではの細やかな気配りやコミュニケーションスキルが、顧客満足度を高めるために大きな強みとなることもあります。

女性でもフィールドエンジニアとして十分に活躍できるポテンシャルがあるため、性別による仕事の選択を制限する必要はありません。興味と適性がある場合には、積極的にそのキャリアパスを追求すべきです。

サービスエンジニアに転職する方法

サービスエンジニアに転職する際には、次の方法が効果的です。

医療機器メーカーの求人ページから応募する

直接企業の公式求人情報を確認し、企業の文化や求める人材像を把握してから応募することができます。

求人サイトから応募する

一般的な求人サイトには多数の職種が掲載されており、様々な医療機器メーカーのサービスエンジニアのポジションを見つけることが可能です。

転職エージェント経由で応募する

特におすすめの方法です。転職エージェントは、応募者の経歴や適性を踏まえて最適な求人を紹介してくれます。ヘルスケア業界や医療業界に特化した転職エージェントを利用することで、業界の深い知識を持ったコンサルタントからアドバイスを受けることができます。

医療機器メーカーの社員に紹介してもらう

既に業界で働いている知人からの紹介は、信頼性が高く、企業にとっても推薦の根拠となるため、採用の確率が上がる可能性があります。

特に転職エージェントを通じた応募は、個々の経歴やスキルに合った求人を紹介してもらえる上に、面接対策や条件交渉などのサポートも受けられるため、サービスエンジニアとしてのキャリアをスタートさせるには最適な方法と言えます。

転職エージェントを利用する際には、リクルートダイレクトスカウトビズリーチランスタッドなどの医療機器やヘルスケア業界に強いエージェントを選ぶとより効果的です。

まとめ

この記事では、サービスエンジニアの具体的な業務内容、仕事のやりがい、そしてキャリアパスについて詳しく説明し、どのようにしてこの分野で成功し、キャリアを築いていくかについて解説しました。

未経験者でも機械や技術への理解があれば、サービスエンジニアとしての道は開けます。

ぜひ、興味がある職種への転職にチャレンジしてみてください。

ABOUT ME
Sドラゴン
経歴:臨床検査技師(天理よろづ相談所病院)→胚培養士(不妊クリニック)→CRC(EP総合)→ASP(ロシュ)→研究開発・細胞培養(バイオベンチャー) 保有資格:臨床検査技師免許 、緊急臨床検査士 、二級臨床検査士(臨床化学/免疫血清学)