30代の男女203人が転職で失敗したことの1位・2位は事前の情報収集不足に起因していました。
だって転職は本人・家族が大きなリスクを背負う人生の大きなライフイベントですよ。入念に情報収集するに決まってます。
では、なぜ情報収集不足で転職を後悔してしまうのか。
その理由はシンプルで、求人票の記載条件は氷山の一角に過ぎず、見えていない情報の存在に気づいていないためです。

ということで、この記事では転職を検討している方に向けて、転職後に後悔しないための情報収集の方法と収集すべき情報を具体的に解説します。
結論からお伝えすると、実際に現場で働いている現役社員や過去に働いていたOB・OGからリアルな情報を具体的収集すれば転職後に後悔する可能性が限りなく低くなります。
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求人票の労働条件を盲信してはいけない理由
そもそも、なぜ求人票の記載内容が実際と異なるのか。
この理由は企業の採用担当者は現場のリアルを知らないため。
また、厚生労働省主導の働き方改革で新たに設定された時間外労働の上限規制により、社員の残業可能時間に上限ができたことで、現場社員は会社に残業を申告しない(正確にはできない)ケースがあり公式記録と実際がズレているためです。
時間外労働の上限規制とは
残業時間の上限は、原則として月45時間・年360時間とし、
臨時的な特別の事情がなければこれを超えることはできません。
施行 大企業:2019年4月〜/中小企業:2020年4月〜
業務量はどんどん増加しているのに、人材補充なしで残業時間を減少させることなど現実的にはほぼ不可能。
とはいえ上からは月間の残業時間は規定を超えるな!と叱責される。
現場社員はサービス残業をやらざるを得ないというワケです。
こんな話を企業がわざわざ教えてくれないですし、そもそも公式記録にそんな事実は存在しないのです。
これが求人票の労働条件を盲信してはいけない理由です。
転職前の情報収集は従業員から収集すべし
雇用側の発信する情報が実際と乖離しているなら、現場で働く従業員から『実際の声』を聞けば良いのです。
また、転職支援サービスも多様化しており、転職エージェント以外にも現役社員やOB/OGとコンタクトを取れるサービスや社員が自社の口コミを投稿するサービスなど、探せばいくらでも見つかります。
- 転職会議
- 人脈・コネ
転職会議
『転職会議』は社員が自社のクチコミを投稿する転職者のための情報収集サイトです。
わざわざ自社のクチコミを投稿する理由は、自社のクチコミを投稿することで他社のクチコミを閲覧できるためです。
- 企業の業績
- 年収・評価制度
- 退職理由・退職検討理由
- 面接で聞かれたこと・選考の基準
- 仕事のやりがい・面白み
- 事業の成長性や将来性
- 入社理由・入社後に感じたギャップ
ただし、口コミを閲覧するには自社の口コミを投稿しなければならない点、口コミ投稿者は転職を検討しているため情報がネガティブに偏っている可能性が高い点には注意が必要です。
人脈・コネ
転職先の従業員と顔見知りの場合に最も有効な情報収集の方法です。
従業員との関係性にもよりますが、よりリアルで精度の高い情報が無料で入手できます。
話を聞く従業員が自分に興味を持ってくれているなら、企業人事へ口添えしてもらえる可能性があります(コネ入社)。
ただし、従業員が自分に興味を持っていなければ適当に流されてしまうため日頃から社外の人間とも良好な関係性を築いておくことをおすすめします。
何を聞けば良いの?転職前に収集すべき情報
『誰に聞く?』の次に大事なことは『何を聞くか』。
せっかく現場で働く社員とコンタクトを取れても、的を得た内容を質問しなければ知りたい情報は得られません。
業務内容
勤務・労働条件
受かるためのポイント
ヘルスケア業界でその転職エージェントはNG-使うべき厳選5社で業界別に専門チームからサポートしてもらえる転職エージェントを紹介しているので求人票の入手先の参考にしてみてください。
業務内容
転職の条件に「仕事のやりがい」を求めているなら業務内容の確認は必須。
転職先の業務内容に魅力を感じて転職を決断した人にとって、最もモチベーションが下がるトラブルでしょう。
営業職なのに業務の大半は資料作りのデスクワークだった
マーケティング職なのに顧客先で頻繁にプレゼンしなければならなかった
デモがメインと聞いていたのに業務の大半がトラブル対応だった

どんな職種にもスポットライトが当たる華やかな部分の裏側には、それを支える地味な作業が隠れているものです。
なぜ認識できていないのか?
その理由は、基本的に求人票にはその職種特有の業務内容しか記載されておらず、地味な作業の記載が無いためです。
ということで、やりがいを求めて転職する方は地味な作業をできるだけ細かく具体的に洗い出すことを意識して質問しましょう。
平常時の1日の流れ
1日の流れを聞けば、地味な作業の内容と割合を概ね洗い出せます。不明な時間帯が発生しないようにできるだけ細かく確認することがポイントです。
デスクワークの内容とボリューム
地味な作業の代表例が各種事務作業。パソコンでカタカタする作業時間と作業内容を確認すればトータルに占めるデスクワークのボリュームが確認できます。
社内タスクの内容とボリューム
どの企業でも社員は会社に業務内容を報告する義務があります。日報や週報、タスク毎の社内報告書など企業によって報告様式は様々なので、どれくらいの頻度でどんな内容をどのように報告するのかを確認しておきましょう。
今抱えている悩み
社員が抱えている悩みから組織的な問題が洗い出せます。
【例】
- 営業からの質問攻めで自身のタスクが侵攻しない⇨営業の質が低い可能性
- 顧客からのクレーム対応に日々追われている⇨プロダクトの品質が悪い可能性
正確な情報を得るには具体性が何よりも重要です。
勤務・労働条件
転職の条件が「今より楽に働くこと」なら勤務条件と労働条件の確認は必須です。
せっかくリスクを侵して転職したのに、結果がこれでは目も当てられません。
上限を超えて残業すると上司に怒られるため勤怠の報告時間は事実と異なる
基本は週休2日制だけどGW・年末年始などの長期休暇は毎回休日出勤する
テレワークを導入しているが上司や同僚がオフィスに出社するため自分も出社せざるを得ない雰囲気がある
求人票の条件を参考にしつつ「実際はどうか」の観点で確認してください。
平常時の1日の流れ
ここで聞きたいことは「何時から働き出して、何時に終わるのか?」です。1日の流れを聞けば、始業時間と就業時間が洗い出せます。
繁忙期の時期と1日の流れ
短期間とはいえ、どの業界にも必ず繁忙期があります。企業・業界にもよりますが、平常時と比べて残業時間が倍以上に増加することも珍しくありません。あらかじめMAXのキツさがどの程度か?を頭に入れておくことでリスクの回避・精神的なダメージの軽減が期待できます。
休日出勤の有無
ヘルスケア業界など一部の業界では医療機関が休診中にメーカー社員が作業をすることが一般的ですが、応募人数が減ることが目に見えているため、どの企業も求人票にこのことは記載していません。休日出勤の発生時期と頻度は現場社員からしか情報が収集できません。
深夜作業の有無
求人票には『例外事項』は記載されません。深夜作業は例外に当たることが多いため求人票で深夜作業の有無は判断できません。現場社員から深夜作業が発生する要因と頻度を確認してください。
基本的に、応募者が不利に感じる情報は企業側からは出てきませんし、企業側に直接聞いてしまうと『やる気がない奴』と判断されて間違いなく落とされます。
勤務・労働条件面を気にする求職者は『なるべく楽して稼ぎたい』と考えていると思いますが、企業側は『馬車馬のように働いても辞めない人材』を欲しがっていることを忘れてはいけません。
受かるためのポイント
お目当ての企業に受かるには企業の求める人材像をカンニングすることが重要です。
ありのままの自分を評価してもらいたい気持ちは非常に分かりますが、自分のセールスポイント=企業の求める人材像とは限りません。
企業側が求める理想像に自分をフィッティングさせることが採用の角度を高めるコツです。
タスク処理で最も重要なスキル
企業が中途社員に求めることは『即戦力』です。そのため、タスク処理に重要なスキル・マインドを習得済みであることをレジュメ・面接時の質疑応答に盛り込めば、即戦力となる人材であることをアピールできます。
社内で評価されている人材の特徴
社内で評価されている人材は企業が求めている理想像に近いため、スキル・マインドを真似すれば企業の採用担当に刺さるため書類選考の通過率が高くなります。
現場マネージャーが評価する人材の特徴
書類審査通過後の面接には、ほぼ100%入社後に自分の上長となる現場マネージャーや部門長が同席して『現場で使える人材かどうか』を評価します。部門長・現場マネージャーは『辞めない人材』と同じレベルで『自分と同じ思考回路の人材』を欲しています。自分が部門長・マネージャーと同じ思考回路の持ち主であることを面接でアピールしましょう。
現場マネージャーや部門長が求めている人材像は個人によって異なるため、外部の人間が情報を得ることは容易ではありません。
まとめ:転職を後悔したくないなら能動的に情報を収集しましょう!
転職サイトや転職エージェントに登録すれば労働条件や業務内容などの情報が簡単に手に入りますが、それらの情報は企業が労働力を得るためのCMであることを忘れてはいけません。
転職は情報戦。
勝てば社内ニート、負ければブラック企業。
会社が個人を守ってくれる時代はとっくに終わっており、自分の身は自分で守るしかありません。
あらゆる情報源を駆使して、情報戦を制してくださいね!