「医療分野は儲かる」
昨今のコロナフィーバーが発端でこのような邪な企みを抱き、医療・ヘルスケア業界に参入する中小企業が後をたちません。
私は、コンシューマ向け検査サービスを開発・市場投入する医療系ベンチャーに入社しましたが、約3年で転職しました。
この記事は、企業で働いてみたい臨床検査技師が私と同じ失敗をしないように注意喚起することを目的に執筆しています。
ブラック企業の特徴5選
- 知名度が低い
- 年収・月額が相場より高い
- 「新しいことにチャレンジ」「好奇心旺盛」などのキーワード
- 福利厚生が社会保険のみ
- 求人の募集サイトが限定的
結論、お金は重要ですが、無名で福利厚生が皆無の中小企業は手を出さない方が無難です。企業に行くとしても有名な大手企業を選択した方が良いです。
本記事があなたの今後の役に立てれば幸いです。
なぜブラック企業に転職したのか?
ブラック企業へ転職する前は大手検査機器メーカーで働いていたこともあり、同じことを繰り返す毎日に飽きていました。そんな時に、ブラック企業の社長が検査機器の見学に来ることになり、その対応を私が務めることになりました。
雑談の中で
- 開発スピードの速さ
- チャレンジングな社風
- 裁量権の広さ
- 自宅から職場までの距離
このような点に魅力を感じたため、転職を決意し直談判したところ即日内定を貰うことができました。
ブラック企業での業務内容と退職理由
ブラック企業での業務は非常に多岐に渡りました。
- 検査サービスの立案
- 情報収集
- 検査系の立ち上げ
- 検査キットの構成開発
- 検査資材の価格交渉
- 検査コストの試算・価格設定
- 販売サイトのページ構成作成
- 検査結果報告書の草案作成
- 上記に関わる社内・外との各種調整業務全般
- 進捗・タスク管理
- 検査キットの作成
- 検査
検査だけでなく、開発から販売まで全てを担当していました。
上記に加えて、研究開発業務やNGSのルーチン業務、LCMS,GCMSを使用した質量分析、超臨界抽出など、とにかくやることが多い毎日が続きました。
さらに恐ろしいことに、それぞれの領域に専門家は不在であり、わからないことがあればググって解決という綱渡状態。
ミスれば終わる、こんな高ストレス環境下では長期間就業することは不可能と判断し、会社を去ることを決断しました。
【恐怖】ブラック企業で震えた話
社長の構想はとてつもなく広く、全てが実現すれば大企業に化けることは間違いありません。
ただ、社員の人数と質が社長の構想に届いていないため、様々な問題が隠れていました。
法令違反
市場投入したとある検査。自宅で簡単に検体採取できる点をアピールしていましたが、販売開始半年後に使用している検体採取キットは一般医療機器であり、家庭では使用できないことが発覚しました。
通常なら企業が法律を守って適切な経営ができるよう社内に法務担当者が設置されますが、法務担当者は不在、現場レベルの確認程度だったためこの問題が発生しました。
ローンチスケジュールのタイトさ
法令違反が発覚した検査キットは2023年8月にプロジェクトが発足して同年10月にローンチするよう指示がありました。準備期間はたったの2ヶ月。この期間で上述した開発からキット販売までの業務を遂行する必要がありました。
とにかく時間との戦いで、情報収集に費やせる時間が限られていたことも上記法令違反が発生した原因の1つだと考えます。
社員の無責任さ
このブラック企業は専門家が不在の素人集団です。それが故、各々の社員のオーナー意識は完全に欠落しており、指示されたことだけをこなします
この理由は、責任を取りたくないから。専門家ではないため、あらゆる判断に自信が持てない、自分の判断が間違っていて問題になることを避けたいため能動的に動こうとしません。
その結果、業務や判断が特定の人材に集中することになります。
ブラック企業の特徴5選
知名度が低い
知名度が低い企業が必ずしもブラック企業であるわけではありませんが、情報が少ないため、企業の実態を把握しにくい場合があります。そのため、企業の評判や過去の実績、社員の口コミなどを入念に調査することが重要です。
また、面接時には働き方や企業文化について具体的な質問をすることで、より多くの情報を得られる可能性があります。
年収・月額が相場よりも高い
高い給与を提示している企業は魅力的に見えますが、それがブラック企業の兆候である可能性も考えられます。
高給与の裏には、長時間労働や過度の業務負荷がある場合があります。給与条件だけでなく、労働時間、残業の有無、休日の取得状況など、働き方全体を考慮することが大切です。
「新しいことにチャレンジ」「好奇心旺盛」などのKW
「新しいことにチャレンジ」「好奇心旺盛」といったフレーズはポジティブな印象を与えますが、これらの言葉だけで企業を判断するのは危険です。これらのキーワードが、実際には高い業務量や多岐にわたる業務内容を正当化するために使用されていないか、具体的な業務内容や成長支援の体制を確認することが重要です。
福利厚生が社会保険のみ
福利厚生は従業員が安心して働ける環境を整える上で非常に重要です。
福利厚生が社会保険のみということは、その企業が従業員の健康や福祉に対して最低限の投資しかしていない可能性があります。健康診断、メンタルヘルスケア、休暇制度など、その他の福利厚生についても確認し、自分の価値観やライフスタイルに合った企業を選ぶことが望ましいです。
求人の募集サイトが限定的
求人の募集サイトが限定的である、または採用に関するコストを明らかに渋っている企業は、経営状態や従業員への投資に問題がある可能性があります。
多くの企業は、優秀な人材を獲得するために、幅広い媒体や手法で積極的に求人活動を行います。これには、オンラインの求人サイトだけでなく、業界イベントのスポンサーシップや大学との連携なども含まれます。
採用活動において多様な手段を用いず、特にコストをかけずに済む手法のみに依存している場合、その企業は従業員の能力やキャリア開発よりもコスト削減を優先している可能性があります。
これは、将来的に給与の上昇やキャリアアップの機会が限られていることを示唆する場合もあります。
ブラック企業を避けたいなら転職エージェントを使うべき理由
ブラック企業はとにかく採用コストを嫌います。できることなら優秀な人材を無料で獲得して骨までしゃぶりつくそうと考えています。
ブラック企業の特徴5選に該当する求人を避ければ高確率でブラック企業に当たりませんが100%ではありません。限りなく100%に近づけるためには転職サイトではなく転職エージェントを利用した転職活動を行ってください。
採用コストが高いため、真剣に採用を考えている企業が多い
転職エージェントを通じた採用は、転職サイトに求人を出すよりも高額なコストがかかることが一般的です。これは、エージェントが提供する一対一のカウンセリング、個別のマッチングサービス、面接調整、条件交渉などの手厚いサポートサービスのためです。そのため、エージェント経由での採用活動を行う企業は、採用に対する投資意欲が高く、真剣に優秀な人材を求めていると言えます。
専門知識と市場理解
転職エージェントは、特定の産業や職種に関する深い知識を持っています。彼らは市場の動向、求人企業の背景、業界の平均給与など、豊富な情報を基にしてアドバイスを提供できます。この専門知識を活用することで、求職者は自分のスキルや経験に合った、そして健全な労働環境を持つ企業を見つけることができます。
企業の内部情報へのアクセス
転職エージェントは、企業と密接な関係を築いており、公開されていない情報や職場の実態についても把握しています。彼らは企業の人事部や採用担当者と直接コミュニケーションを取るため、企業文化や労働条件、キャリア成長の機会など、求人広告だけでは伝わらない詳細を提供できます。これにより、表面的な魅力だけでなく、企業の本質を理解することが可能になります。
個別のキャリアアドバイス
転職エージェントは個々の求職者と一対一で関わり、キャリアの目標や希望条件を詳細に把握します。このプロセスを通じて、求職者のニーズに最も適した求人を選定し、ブラック企業や不適切な労働環境から保護する役割を果たします。また、履歴書のブラッシュアップや面接対策など、転職成功のための具体的なサポートも提供します。
交渉の代行
転職エージェントは、求職者と企業の間で条件交渉を代行することができます。これにより、労働条件や給与、福利厚生などに関する交渉がスムーズに行われ、求職者が納得のいくオファーを得られる可能性が高まります。ブラック企業はしばしば不透明な条件で求職者を引きつけるため、このプロセスは非常に重要です。
まとめ
転職活動をする際は、企業の求人情報だけでなく、その背後にある企業の姿勢や文化も考慮に入れることが大切です。
自分が望むキャリアと働き方に合致する企業を見つけるために、広い視野で情報収集を行い、疑問点は積極的に質問し複数の情報源から企業の実態を把握するようにしましょう。
何よりも、自分自身のキャリアと幸福を最優先に考えた転職活動を進めてください。
転職エージェントの利用は、転職市場におけるリスクを軽減し、個々の求職者が自身のキャリアに合った、健全な職場環境を見つけるための有効な手段です。
ただし、エージェント選びにも注意が必要です。信頼できるエージェントを選ぶためには、評判やサービス内容を事前に調査し、複数のエージェントと話をしてみることがおすすめです。
私がブラック企業から脱出するために利用した転職エージェントを下記記事で紹介しているので参考になれば幸いです。