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【医師に聞けない!を解消】検査データの読み方ざっくり解説|まずはここをチェック!

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臨床検査技師/臨転堂の運営者
病院勤務後、大手診断薬メーカーへ転職。転職経験を活かし、臨床検査技師向けキャリア情報を発信中。「臨床検査技師の可能性を広げる」がモットー。
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健康診断や病院での検査結果、なんとなく数値を見て「高い?」「大丈夫?」と気になること、ありますよね。でも、どの項目をどう見て判断すればいいのか、医師に聞きそびれてしまうことも多いのではないでしょうか?

この記事では、信州大学附属病院の臨床検査医・石橋先生による解説をもとに、**「検査値ってどう見ればいいの?」**という疑問にお答えします。

検査値、どこから見ればいい?

病院で行われる血液検査や尿検査などは、健康状態をチェックする大切な情報源です。
ただし、「この数値が高いから病気!」とすぐに決まるわけではありません。

まず大事なのは、**「異常値だけに注目しすぎないこと」**です。

ポイント①:1つの異常値だけで判断しない

検査には「基準値」がありますが、これは健康な人の95%が当てはまる範囲。
つまり、健康な人でも5%は「基準値外」になることがあるということなんです。

たとえば、血液のナトリウム(Na)がちょっと低めでも、体調や水分量の影響かもしれませんし、特に症状がなければ問題ないケースもあります。

ポイント②:いくつかの項目を組み合わせて考える

検査項目は1つ1つ独立しているわけではなく、関連性を持っています
たとえば、腎臓の働きを見る「クレアチニン」という項目が高かった場合、それだけでは判断できません。尿素窒素(BUN)やeGFRという値も一緒に確認することで、初めて“腎機能”の全体像が見えてくるのです。

ポイント③:「なぜこうなったのか?」を考える

検査値は、体の中で起きている“変化の結果”です。
ただ「高い・低い」と見るだけでなく、**「なぜそうなったのか」**という流れ(メカニズム)を考えることも大切です。

例:
✔︎ナトリウムが低い → 水を飲みすぎている?
✔︎それとも、薬の影響?ホルモンの働き?
など、“原因”を探ることが治療につながります。

ポイント④:患者さん自身の情報と照らし合わせる

年齢、性別、体格、飲んでいる薬、当日の体調……
これらによって検査値は変わることがあります。たとえば筋肉量が多い人はクレアチニンがやや高めに出ることもありますし、脱水気味なら血液が濃くなって高く出ることも。

Sドラゴン
Sドラゴン

つまり、「検査値=診断」ではなく、「検査値×あなたの状態」がポイントなんです。

どんな順番で見ていけばいいの?

以下のように13のステップで見ていく方法を紹介します。

検査結果の見方:13ステップ
① 栄養状態はどうか
アルブミン、総コレステロールなどで栄養の状態を確認します。
② 造血能はどうか
ヘモグロビン、赤血球、血小板などから血を作る力を確認します。
③ 炎症があるか
白血球、CRPなどを見て体に炎症が起きていないかをチェックします。
④ 肝機能の異常
AST、ALT、ビリルビンなどで肝臓の働きやダメージを見ます。
⑤ 腎機能の異常
クレアチニン、尿素窒素などで老廃物を処理する腎臓の働きを評価します。
⑥ 糖代謝の状態
血糖値やHbA1cで糖尿病の可能性やコントロール状態を見ます。
⑦ 脂質異常
LDL、HDL、中性脂肪などから脂質のバランスを確認します。
⑧ 心機能の評価
BNP、心筋トロポニンなどで心臓の負担やダメージを評価します。
⑨ 筋肉の異常
CKやLDなどで筋肉に異常がないか確認します。
⑩ 酵素の異常
体の中で働く酵素の異常を見て組織の状態を判断します。
⑪ 凝固・線溶系
PT、APTT、Dダイマーなどから血の固まりやすさや血栓傾向を見ます。
⑫ 電解質バランス
ナトリウム、カリウム、カルシウムなどで体内のバランスを評価します。
⑬ 呼吸・酸素の状態
酸素分圧、二酸化炭素分圧、pHなどで呼吸機能の状態を確認します。

最後に

検査データはあくまで「参考情報」。
見方を少し知っておくだけで、自分の体調の“気づき”につながります。

でも、わからないことは医師にしっかり聞いてOK。
「ここが気になるんですが…」と伝えられるようになれば、もっと納得して検査を受けられるようになりますよ!

「医師には聞きづらい、でも自分で調べる時間がない」

このような方は私に依頼していただければ検査データを解説します。

血液検査の結果をわかりやすく解説します 血液・生化学・免疫・感染症等なんでも承ります!
Sドラゴン
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実績もありますので、安心してご相談ください。

ABOUT ME
龍神
経歴:臨床検査技師→胚培養士→治験コーディネーター→アプリケーションスペシャリスト→研究開発・細胞培養→検査試薬メーカー技術員 保有資格:臨床検査技師免許 、緊急臨床検査士 、二級臨床検査士(臨床化学/免疫血清学)