キャリアチェンジ

臨床検査技師の転職体験談|アプリケーションスペシャリスト編

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今回インタビューするのは、臨床検査技師として長年働いた後に、医療機器メーカーのアプリケーションスペシャリストに転職した橘さん(27歳・男性)です。

どのような経緯で転職を考え、実現したのかを伺います。

まずは転職前のキャリアについて教えてください。

臨床検査技師としての経歴を教えてください。

臨床検査技師の専門学校を卒業して新卒で総合病院の臨床検査部に入職しました。当直に入るために1年半かけて血液、生化学、微生物、一般、輸血、心電図検査をローテーションで経験し、生化学検査グループに配属となりました。配属後は免疫検査を担当し、コバス、アーキテクト、AIA、ミュータス、AP-Xの測定を担当しました。

臨床検査技師として勤務されて感じたやりがいや課題を教えてください。

やりがいは医療従事者という立場で地域への貢献、社会貢献ができることです。サラリーマンにはできない役割なので、その点はやりがいを感じて働いていました。また、隣接する大学との交流の一環で研究活動にも参加できたため、働きながら学術活動を行えることにもやりがいを感じました。

課題としては、院内で臨床検査技師の立場が弱く、部署によっては臨床との距離がとても遠いことです。特に検体検査担当者は日常検査の中で医師や他の医療職と関わること機会が少ないため、チーム医療の蚊帳の外にいるような錯覚に陥ります。臨床との交流を図るために消化器内科のカンファレンスに参加したこともありましたが、完全に部外者、お客様の扱いで技師に意見を求められることはありませんでした。院内でのプレゼンスを高め、もう少し発言権をもたせてもらう必要があると思います。

続いて転職の動機を伺います。

他職種に対する興味が芽生えたきっかけを教えてください。

検査室に出入りしているメーカーさんと病院の外でばったり遭遇して。もし興味があればメーカーとして働いてみませんか?と声をかけてもらったことがきっかけです。働き始めて5年ほど経過していて、一通りの業務ができるようになって。余裕が出てくると周りの環境がよく見えるようになって。このまま検査室という閉鎖的な空間に閉じこもったままで将来大丈夫なのか、検体検査担当だから専門的な技術も身についていない状態を心配していたんです。技師は休みも給料も少ないですしね笑そんな時にメーカーとしてキャリアアップしてみませんか?と誘われて、チャレンジしたい気持ちから転職を決断しました。

転職を決意した主な理由を教えてください。

臨床検査技師としての自分のキャリアに不安を感じていたこと、待遇の悪さに不満を抱えたいたこと、メーカーとしてキャリアアップしたかったことが転職を後押ししました。

新しい職種で何を期待していましたか?また、どのような不安がありましたか?

期待していたことは待遇の改善と仕事を楽しむことです。検査技師時代はマンネリ化した毎日を過ごして死んだ目をして働いていましたから笑

不安に感じていたことは、新しい仕事が自分に務まるかどうか、会社の足を引っ張らないかを気にしていました。同業界とはいえ、全く未知の職種だったので未経験者でも仕事ができるのか、本当に不安でした。

橘さんが経験した転職のプロセスを教えてください。

転職活動で行った具体的なステップを教えてください。

本来なら転職サイトに登録して求人に応募するんだと思いますが、私の場合は向こうから声をかけてくれたので、求人を探すことはしていません。社内の審査で必要だからと履歴書と職務経歴書の提出を求められたので、それらの書類を作成して営業さんに提出しました。

臨床検査技師としてのスキルや知識が転職活動でどのように評価されましたか?

これは転職後の後日談になりますが、メーカーのメンバーやマネージャーの方は検査の知識が凄いんです。私の場合、生化学・免疫検査のメーカーに入社しましたが、病院で培った5年間の経験やスキルは何も評価されませんでした。メーカーにもよるのかもしれませんが、私の入社した企業は検査の知識よりも地頭の良さ、賢さを評価の対象にしていたようです。おそらく私はリファラルの恩恵を受けたのでしょう笑

転職活動中に苦労した点や学びを教えてください。

苦労というか、面接を受けてから採用の連絡が来るまでかなり時間がかかったので、その間は生殺し状態でした。仕事が手につかなかったし、ストレスで身内に当たり散らかしてました笑 きっと藁をも掴む思いだったから入れこみ過ぎてしまったんですね。今思えば反省点であり、学んだことです。

新天地での生活についてお聞きします。

転職後の職場環境や仕事の内容はどのようなものですか?

検査室とは全く異なる環境です。オフィスがあって各自にノートパソコンが配られて。自宅でのテレワークや出社時間が自由な点も臨床検査技師とは異なる働き方で、平日に自由な時間が増えました。完全週休二日制なので金曜日の晩のテンションは爆上がりです笑

仕事の内容は営業みたいに担当エリアの病院をまわって、検査機器の操作説明や試薬検討、製品の情報提供を行ってます。初めて触る機械や試薬がほとんどで、最初はとても不安でしたが、入社後に研修が3ヶ月ぐらいあって、みっちりトレーニングを受けれたので現場に出てもそれほど不安に感じることはありませんでした。後輩も入ってきて、今は自分のスキルを高めながら指導もして、毎日楽しく過ごしています。

新しい職場でのやりがいや、臨床検査技師との違いを教えて下さい。

やりがいは、社会貢献する臨床検査技師を広くサポートできること。直接患者さんと接することはなく間接的ですが、自分の活動を通して多くの医療機関で医療に貢献できることは1臨床検査技師では経験できないことだと思います。

違いですか。違うことだらけなのでどうしよう笑1つあげるとすれば、仕事をする相手が患者さんではなく臨床検査技師であること。検査技師は接遇の精神を叩き込まれて、いかに患者さんに寄り添うかでしたが、今は臨床検査技師を相手に仕事をするためビジネスコミュニケーションが求められます。ネクタイを結んだり、名刺交換したり、メールを送ったり。臨床検査技師ではあまり馴染みのないビジネスマナーが基礎スキルとして必要になるため、その点が初めは苦労するかもしれません。

臨床検査技師のスキルが新しい職場で役立ったと感じる瞬間はありますか?

メーカー社員のほとんどは医療機関での勤務経験がありません。そのため、日常検査の流れだったり、検査室でどのような課題があるのかを知らない人が営業として活動しています。そんな営業に臨床検査技師の視点でアドバイスできる点は社内でも重宝されています。あとは、キャリブレーターやコントロールを溶解するためピペット操作が多いですが、検査技師時代は毎日使用していたため、戸惑うことなく仕事ができています。

今後のキャリアプランや目標を教えて下さい。

今は3年目ですが、仕事自体は1人で難なくこなせるようになりました。ありがたいことに、社内表彰もしてもらえてやる気に満ち溢れています。今後の目標としては、テクニカルサポート部に異動して、全国のアプリケーションスペシャリストをサポートする事です。アプリケーションスペシャリストが現場で困った時に出番なのがテクニカルサポートです。海外の担当者とやり取りして現場の問題解決を後方から支援してくれる非常に頼りになるポジションです。このポジションに異動して、全国のアプリケーションスペシャリストをサポートしたいと思ってます。

新しい職種での成長や、さらに挑戦したいことはありますか?

英語を話せるようになりたいです。今が外資系企業ということもあり、時々英語のスキルが要求されるんです。まぁ、現場レベルでは英語マニュアルの読解ぐらいなので翻訳サイトを使えばなんてことはありません。私なんて中学生レベルの英語力しかありませんから笑

とはいえ今後、本社で働くためには英語力は絶対必要なので、ビジネスレベルの英語力を身につけたいと思っています。

最後に臨床検査技師から他職種への転職を考えている人へのアドバイスをお願いします。

臨床検査技師という職種は毎日同じ作業を正確に繰り返すことが仕事なので、合う・合わないがあると思います。私は安定しているというイメージで臨床検査技師になりましたが、変化がない毎日に嫌気がさして外の世界に飛び出しました。結果的に、自分にはこの世界が合っていると思っています。

もし、今の仕事に不満や悩みがあるなら、思い切って外の世界に飛び出してみて下さい。視野が広がって新しい景色が見えるはずです。

それと、企業での仕事は検査技師より簡単です。未経験で不安だと思いますが、検査技師の仕事ができるなら少し研修を受ければ必ず仕事はできるようになります。その点は心配しなくても大丈夫です。

臨床検査技師として培ったスキルは新しいフィールドでも大いに役立つので、自信を持って下さい!

では、どこかの医療機関でお会いできる日を楽しみにしています。

まとめ

今回は医療機器メーカーのアプリケーションスペシャリストに転職した橘さんにお話を伺いました。

橘さんはお知り合いの営業さんの紹介でメーカーに転職されましたが、正直これはレアケースです。よほど優秀で検査室での評価が高くない限り、メーカーさんから声がかかることはありません。

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臨床検査技師からアプリケーションスペシャリストへの転職でおすすめの転職エージェントは下記の記事で紹介しているので参考にしてください。

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Sドラゴン
経歴:臨床検査技師→胚培養士→治験コーディネーター→アプリケーションスペシャリスト→研究開発・細胞培養→検査試薬メーカー技術員 保有資格:臨床検査技師免許 、緊急臨床検査士 、二級臨床検査士(臨床化学/免疫血清学)