研究開発の現場で実験記録として記録していました。
研究開発職の業務を知りたい方は参考に程度にご覧ください。
※本記事は一般的な実験捜査の手技や手順をまとめているものであり、企業秘密や特許に関わる機密情報の掲載はありません。
試薬・資材の保存
試薬 | 保存場所 | 調整後の保存期間 |
AMP(50mg/mL) | 入口入って左側の冷凍庫に小分け分注 | |
LB培地(粉) | 薬品庫 | |
LB培地(液) | 冷蔵庫 | |
EXL10-Gold(大腸菌) | 入口入って右側の冷凍庫に小分け分注(100or200ul) | |
チューブ用○シール | 机右端上段引き出し | |
Xtra Midi | 机左端下段引き出し | |
黄色蓋滅菌チューブ | 左から3番目の引き出し上段 | |
Mini prep | クリーンベンチ向いの机上 | |
消えないマジック | 机右端上段引き出し | |
イソプロパノール | 試薬庫 | |
エタノール | 試薬庫 | |
無水エタノール | 試薬庫下段(ガロンビン) | スプレッター消毒用 |
1xTAEバッファー | 左端下にボトルあり | |
1xTAEバッファー(タンク) | 背面の棚 | 立てて収納する |
サイズマーカー | 冷蔵庫正方形の箱 | |
ローティングバッファー | 林さんの作業中ラック | |
BluePAD(バンド確認用) | 左から3番目上の引き出し | |
右下冷凍庫その他ボックス | ||
ライゲーションハイ | 右下冷凍庫その他ボックス |
廃棄ルール
廃棄物 | 廃棄方法 | 備考 |
爪楊枝(コロニー用) | 滅菌ゴミ | クリーンベンチ内 |
集菌後上清LB培地 | 滅菌後回収用タンクへ | |
AMP分注チップ | 普通ゴミ | |
プラスミド | 普通ゴミ | |
ミニプレップとミディプレップの違い
ミニプレップ | ミディプレップ | |
目的 | 確認プラスミド用 | 確定プラスミド用 |
採取プラスミド量 | 少ない | 多い |
培養液作成 |
|
|
AMP | 50mg/mLをFinal100ug/mLになるようにLB培地に添加する |
|
一度に実施できる本数 | 4 | 4 |
プラスミドの合成
①MilliQ、合成元プラスミド、rCut Smart beffurを準備する
②下表のレシピで事前にワーキングMIX(MilliQ、バッファー)をチューブに入れる
①希釈DNA | ベクター 1uL/インサート3uL |
②x10Buffer(r Cut Smart Buffer) | 2uL |
③制限酵素(1種類につき) | 0.4uL |
④MilliQ | 残り |
合計 | 20uL |
③DNAをチューブに必要量入れる※WMを同じ量入れたいのでベクター用はMilliQ2uL入れて3uLとする
④制限酵素をWMに入れる
⑤DNA入りチューブにWMを入れてピペッティング⇨スピンダウン
⑥37℃で1時間〜24時間
⑦反応終了後ベクター用にrPidALP0.5uLを添加して37℃30分反応※チップをP100に付け替えてピペッティング
電気泳動
- アガロース1%+1xTAEで泳動用ゲルを作成する(穴13箇所)
- 電気泳動器具に1xTAEを▷印まで注ぎゲルを沈める。バッファーが少なければ追加する
- 調整したカットチェック用Sampleの蓋に6xローティングバッファーを4uLずつ添加してスピンダウン⇨タッピング⇨スピンダウン実施。※チップはEXチップ(オレンジ色)を使用する。ボルテックスはNG
- ゲルの先頭にサイズマーカー(Thermo Scientific GeneRuler 1Kb)6uL添加
- 各穴に③を全量添加
- 135V・20分(UPを1回プッシュで前回の設定出る)で電気泳動開始 ※ゲルをはみ出る心配はなし
泳動パターンの確認
- 泳動後のゲルをBluPADへ乗せる
- 上から専用のカバーを設置してオレンジのボードを乗せる(曇り防止)
- 覗き穴からバンドを確認して目的遺伝子が取れていることを確認して記録ように写真撮影
DNAの切り出し
- BluPAD上にゲルを乗せてナイフで必要部分を切り出す※多少バンドが切り取られても問題なし。
- 切り出し用ナイフはコンタミ防止のため都度MilliQで拭く
ゲルからDNAの抽出
Gel Extraction Kitを使用する。
- QGを450uLゲル分チューブに分注する
- 切り出したゲルを①に入れ50℃で溶かす※肉眼でゲルが見えなくなればOK
- イソプロ(奥の試薬棚)を150uL添加してボルテックスして軽くスピンダウン
- ピペッティングしながらカラムに全量移して13000rpmで30秒〜1分遠心
- 液を廃棄してPEを750uL入れ2分間静置
- 13000rpmで30秒〜1分間遠心
- 液を捨てて空で13000rpmで1分間遠心
- MilliQをベクター30uL、インサート20uLでエリュートする
- 1分静置、13,000rpm,30-1min遠心
ライゲーション
- ベクター0.5uL、インサート0.5uL、ライゲーションハイ0.5uL(DNAの半量)をチューブに入れる
- 16℃で30分反応させる
トランスフォーメーション:プラスミドの大腸菌への導入
- ブロックインキュベーターCを4℃にSを42℃にセット
- ライゲートしたDNAに大腸菌(XL10-Gold)をDNA量の2倍以上添加する
- 4℃のブロックインキュベーターで30分間インキュベーション
- 42℃45秒でヒートショックを与える※タイマーで計測する
- 4℃で2分〜
培地にまく
- LB培地(シャーレ)にSample名を記載する※水滴が付着している場合は除去する
- プラスミド導入済大腸菌チューブを軽くスピンダウンする
- アルコールに浸ったスプレッター(とんぼ)に火をつけて火炎消毒する
- 逆さまにしてラックに立てて冷ます
- ②をピペットでシャーレに雑にまく※シングルコロニーが欲しいため
- 培地にラップを巻いてインキュベーターへ※乾燥しすぎないようにするため
プラスミド導入後の大腸菌の培養時間は培養温度で下記の通り異なる。
- 37℃:16時間
- 32℃:24時間
37℃で増殖が悪い場合に32℃で培養する。この理由は、37℃だとプラスミドの発現量が多く、大腸菌の増殖を粗大している可能性を考える。32℃だとプラスミドの発現量が低下するため大腸菌が増殖できる、と推測
- “LB Aggar”と記載された試薬瓶に1.5%BactAgar添加LB培地を400mL作製する
- ①をオートクレーブする
- ②が冷めたら50mg/mLAMPをFinal100 ug/mLになるよう添加する。(800uL)
- スターラーで撹拌する
- シャーレに適量分注する(20枚程度作製できる)
カットチェック
プラスミドの制限酵素チェック(カットチェック)とは
ライゲーションに問題がないことを確認する。
ライゲーションは、酵素の作用による 2 つの核酸断片の結合です。これは、 DNAの分子クローニングにおいて不可欠な実験手順であり、 DNA 断片を結合して組換え DNA分子を作成します (外来 DNA 断片をプラスミドに挿入する場合など)。DNA 断片の末端は、1 つの DNA 末端の 3′-ヒドロキシルと別の 5′-ホスホリルとの間のホスホジエステル結合の形成によって結合されます。RNAも同様にライゲーションすることができる。一般に補因子が反応に関与しており、これは通常ATPまたはNAD +です。. 真核細胞のリガーゼは ATP タイプに属し、NAD+ 依存性は細菌 (大腸菌など) に見られます。
前の実験で調製したプラスミド DNA を制限酵素で切って電気泳動してみます。
正しい形に組み立てられているプラスミドならどう切れるか(?)、セルフライゲーション
していたらどう切れるか(?)、など、考えられるいくつかのパターンを想定し、
電気泳動したときにそれらのバンドのパターンから自分の拾ったコロニーが
”本物の”プラスミドを持っているのかどうかを、ある程度知ることができます。
当施設では、単独コロニーを取ってきて複数培養して、他とバンドが異なるものを”ハズレ”としてやり直す、当たりのものを次ステップに進める。
カットチェックの方法
準備
- プラスミドDNAをQbitで測定する場合(ミディプレップ産物DNA)はFinal0.2ug/uLになるようにMilliQで希釈する。
- QbitはSampleを2uLで測定する。(1uLはブレが大きい)
- PCR産物開封はベンチの中で行うこと(細胞に入れるものは汚染厳禁)
- Qbit測定用Sampleは10倍希釈を2回で100倍希釈とする(ベンチ内)
- ついでにチューブにDNAを2uL分注しておく(カットチェック用)
【0.2ug/uLの計算】
- 例:100倍希釈の測定結果が14.6ng/ulだった場合
- DNA2uL+MilliQ12.6ul→Final0.2ug/uLになる。
- Qbitで測定しない場合は37℃培養なら0.5uL、32℃培養なら1uL添加する。
- 下記内訳で合計10uLになるように調整する
①希釈DNA | 0.5uL / 1uL |
②x10Buffer(r Cut Smart Buffer) | 1uL |
③制限酵素(1種類につき) | 0.2uL |
④MilliQ | 残り |
合計 | 10uL |
【ワーキングMixの作成】
- ④⇨②⇨①⇨③の順番で準備する。
- ①に④②①を添加する
【制限酵素取扱について】
- 酵素は最後に添加する
- ボルテックはNG
- 冷凍庫から出すときはアイスブロックに乗せる
- 使用前はスピンダウンする
- 使い終わったら先に戻す
- 37℃で1~24時間インキュベートする
アガロースゲル電気泳動
- アガロース1%+1xTAEで泳動用ゲルを作成する(穴13箇所)
- 電気泳動器具に1xTAEを▷印まで注ぎ①で作成したゲルを沈める。バッファーが少なければ追加する
- 調整したカットチェック用Sampleの蓋に6xローティングバッファーを2.5uLずつ添加してスピンダウン⇨タッピング⇨スピンダウン実施。※チップはEXチップ(オレンジ色)を使用する。ボルテックスはNG
- ゲルの先頭にサイズマーカー(Thermo Scientific GeneRuler 1Kb)6uL添加
- 各穴に③を全量添加
- 135V・20分(UPを1回プッシュで前回の設定出る)で電気泳動開始 ※ゲルをはみ出る心配はなし
泳動パターンの確認
- 泳動後のゲルをBluPADへ乗せる
- 上から専用のカバーを設置してオレンジのボードを乗せる(曇り防止)
- 覗き穴からバンドを確認してミニプレップなら当たり・ハズレを、ミディプレップなら目的のDNAが取れていることを確認する
- 当たりをピックアップして机右上の○シールにNoを書いてチューブに貼る
トランスフォーメーション:プラスミドの大腸菌への導入
- ブロックインキュベーターを4℃にセット
- MilliQ99.5uL+当たりプラスミド0.5uLで200倍希釈する
- ボルテックス+スピンダウン
- 新しいチューブに大腸菌(XL10-Gold)を20〜30uL添加する
- ③に②を0.5uL添加する
- 4℃のブロックインキュベーターで30分間インキュベーション
プラスミド導入後の大腸菌の培養時間は培養温度で下記の通り異なる。
- 37℃:16時間
- 32℃:24時間
37℃で増殖が悪い場合に32℃で培養する。この理由は、37℃だとプラスミドの発現量が多く、大腸菌の増殖を粗大している可能性を考える。32℃だとプラスミドの発現量が低下するため大腸菌が増殖できる、と推測
- 42℃45秒でヒートショックを与える※タイマーで計測する
- 4℃で2分〜
培地にまく
- LB培地(シャーレ)にSample名を記載する
- プラスミド導入済大腸菌チューブを軽くスピンダウンする
- アルコールに浸ったスプレッター(とんぼ)に火をつけて火炎消毒する
- 逆さまにしてラックに立てて冷ます
- ②をピペットでシャーレに雑にまく※シングルコロニーが欲しいため
- 培地にラップを巻いてインキュベーターへ
ミニプレップ
シャーレ培養⇨LB培地5mLでOverNight
- LB培地(液体)を培養チューブに5mL分注する
- ①に50mg/mのLAMPをFinal100ug/mLになるように添加する(10uL)
- 爪楊枝でシングルコロニーを採取して懸濁
- 孵卵器で培養(37℃半日or32℃1日,200rpm※フラスコがある場合は180rpmで)
プラスミド抽出:QIAquick PCR Purification Kit(QIAGEN)
- 5mLの培養液を2段階目までキャップを閉めて5000rpm,5min遠心する
- 1.5mlチューブを1Sampleにつき2本準備する※フタにNoを記載しておく
- 懸濁用バッファー(P1)を冷蔵庫から取り出す
- ①をデカントして10秒程度遠心、ピペットマンで残液を除去する
- P1:250uLでペレットを懸濁してしっかりボルテックス※空チューブは滅菌ゴミ
- P2:250uLを分注して転倒混和※ボルテックスはNG、青くなったりならなかったりする
- N3(酢酸臭):350uL分注して転倒混和
- 室温、13000rpm、10分間遠心※ホルダーを1.5ccチューブ用に付け替える
- 遠心中にカラムを準備してNoを記載する
- デカントでカラムに移す、残液はピペットマンで移す
- 室温、13000rpm、30秒〜60秒間遠心
- チューブに落下した液をデカントで捨てる
- PB:500uL分注して室温、13000rpm、30秒〜60秒間遠心
- チューブに落下した液をデカントで捨てる
- PE:750uL分注して室温、13000rpm、30秒〜60秒間遠心
- チューブに落下した液をデカントで捨てる
- 空で13000rpm、60秒間遠心
- チューブを新しいものに入れ替える
- MilliQ:50ul分注して1分間静置
- 13000rpm、30秒〜60秒間遠心
- カットチェックへ
ミディプレップ:Xtro Midi
シャーレ培養⇨フラスコ培養
- LB培地(液体)を培養チューブに2mL分注する
- ①にAMPをFinal100ug/mLになるように添加する(4uL)
- 爪楊枝でシングルコロニーを採取して懸濁
- 孵卵器で培養(37℃or32℃,200rpm※フラスコがある場合は180rpmで)
- フラスコにLB培地を90/180 mL添加してオートクレーブ
- ⑤にAMPをFinal100 ug/mLになるように添加する(180 mLなら50ug/mLAMPを360 uL)
- 半日培養して濁りを確認できたらフラスコに培地の1/500量、濁りが確認できなければできるだけ長く培養を継続し、それでも濁らなければ全量をフラスコへ添加する。
- 37℃または32℃でOverNight
プラスミドDNAの抽出
- 遠心機を4℃6,000 rpmでセットして空運転させておく
- 培養液を50mLチューブに均等に分注する
- 4℃, 6,000 rpmで10分間遠心をして、大腸菌をデカントで50 mlチューブに集菌する。※チューブのメモリを外側に統一する※終了したら22℃8,000rpm,10minで空運転する
- 4℃, 6,000 rpmで10秒遠心をしてピペットマンで廃液する。
- 8 mlのBuffer RES(冷蔵庫)を各チューブに等分ずつ加えて(4本なら2mLずつ)ボルテックスでペレットが剥がれるまでMixする
- ピぺッティングでペレットをほぐしながら1つのチューブにまとめてボルテックする※空チューブは滅菌ゴミ
- 8 mlのBuffer LYS(青い試薬)を加えて5回程度上下反転させ、室温で5分間インキュベートする
- 8 mlのBuffer NEUを加えて液が透明になるまで5回程度上下反転させ、室温で5分間インキュベートする
- 待ち時間でカラムを準備する。文字を上向きにしてNoを記載する。Oリングをつけて新しい50mLチューブにセットする。
- カラムのふちにピペットの先を付けて、カラム全体にBuffer EQU 12 mlを浸透させる。自然落下により落ちるのを待つ。
- 室温8,000 rpmで10分間遠心し、上清をカラムに移す。自然落下により落ちるのを待つ
- ここで一度廃液を捨ててチューブを空にする
- 5 mlのBuffer EQUを⑨と同様にカラムに浸透させ、自然落下により落ちるのを待つ(カラム洗浄1回目)
- カラムからフィルターを除去する※入っていた容器にもどす
- 8 mlのBuffer WASHを加えて、自然落下により落ちるのを待つ(カラム洗浄2回目)。
- 全ての液が落下したら新しい50mLチューブに移す
- 5 mlのBuffer ELUを加えて、自然落下により落ちるのを待つ。溶出液を50 mlチューブに回収する
- 溶液内のDNA濃度をQbitで測定する※希釈はMilliQを使用する
プラスミドDNAの精製(以降はクリーンベンチ内で作業)
- 遠心機を4℃, 10,000 rpmで30分間にセットして空運転させる
- 溶出液に3.5 mlのイソプロパノール(室温)を添加して、ボルテックス+5分静置してDNAを沈殿させた後、4℃, 10,000 rpmで30分間遠心する。*上清を注意深く捨てる。ペレットが剥がれやすいので要注意。終了したら室温, 10,000 rpmで10分間にセットして空運転
- 待ち時間で70%エタノールを作成する※必要量+1mL作成でOK。70%エタノールは用事調整
- 4℃, 10,000 rpmで5秒間遠心して上清をピペットマンで捨てる。
- DNAペレットを2 mlの70%エタノール(室温)で洗浄し、室温, 10,000 rpmで10分間遠心する。上清を注意深く捨てる。*ペレットが剝がれやすいので要注意!
- チューブの蓋を開けた状態でDNAペレットを5〜10分間空気乾燥させて、適切な量のMilliQに溶解する。
Qbitで測定したDNA量をガイドにしてFinal2ug/uLになる量を添加する。
Qbit | 希釈倍率 | ELU量 | 合計 | MilliQ |
7.42 | 10 | 5 | 371ug | 185uL |
- ペレットが底になるようにチューブを寝かせてMilliQを添加し、適当な時間浸しておく
- 黄色蓋の滅菌チューブに消えないマジックでNoをふる
- ⑤を慎重にピぺッティングして均一になったら⑥に移す※ペレットは多少管壁に残る
- 最終のDNA濃度を測定して滅菌チューブにラベルを貼ってトランスフェクションに使用する。
AlphaLISAの測定
測定前準備
- サンプルの希釈倍率を決める
- サンプルと同じ希釈倍率で培養用培地をMilliQで希釈する
- 正常ヒトIgG(10mg/mL)液状IgG標準液をFinal30ug/mLにPBSで希釈する(PBSは試薬庫にあり)⇨PBS21uL+IgG9uLでFinal30ug/mL
- ③をST0として下表の通り希釈系列を作成する※ボルテックス禁止
Tube | Vol(HumanIgG)uL | Vol(希釈液上記②)uL |
A | St0を10 | 90 |
B | Aを60 | 120 |
C | Bを60 | 140 |
D | Cを60 | 120 |
E | Dを60 | 140 |
F | Eを60 | 120 |
G | Fを60 | 140 |
H | Gを60 | 120 |
I | Hを60 | 140 |
- 10xAlphaLISA BufferをMilliQで希釈する(必要量はスプレットシート参照)
- ⑤にAlphaLISA anti-Igg Acceptor beadsとBiotinylated Antibody Anti-IgGを規定量加えるワーキングミックス(WM①)とする。(必要量はスプレットシートを参照)ビーズはボルテックスする
- 96Wellプレート(丸底)にサンプルを10uL、WMを分注量+5uLずつ分注する
- WM①を10uLずつ8連ピペットで蛍光用96ハーフプレートに分注する
- サンプルを2.5uL分注して5回ピペッティングする
- プレートシールで蓋をしてプレート遠心機でスピンダウンする
- 60分間インキュベート
- 5分前にWM②を作成する(1xAlphaLISABuffer+SA-Donor beads)(必要量はスプレットシート参照、ボルテックスで混ぜる、部屋の電気を消す)
- 60分後にWM②を12.5uLずつ分注して5回ピペッティングする
- シールしてスピンダウン後、アルミホイルで遮光して30分間インキュベート
Ensightでの蛍光測定
- 装置本体の電源をON(右後ろ)
細胞培養
細胞株 | スピカ | K1株 | S株 |
培地 | Spica-M100 | BalanCD CHO GROWCHO GROW TH A | Dynamis Med |
L-Glutamin | 不要 | 1%添加 | 1%添加 |
Anti-Clumping Agent | 1%添加 | 1%添加 | 1%添加 |
培養室のルール
- 開封試薬は冷蔵庫上段、未開封試薬は下段に格納する
- 安全キャビネット内に物を入れる際はアルコール消毒する
- チューブ類開封前はキャップ周辺をバーナーで炙る
- ゴミは外に廃棄する
- 開封したらクリップで封をする
- アスピレーターはアスピレートピペットを刺す前後にアルコールを吸引させる
- アスピレートピペットは長い場合は折って短くする
- アスピレーター使用次はアスピレートピペットの先端に200ul用のチップを装着する
- 遠心条件は1,200rpm,3分
凍結融解
使用試薬・器材の準備
- 培地
- サプリメント
- アスピレーター
- ピペット
- チップ
培地の作成
培地+サプリメントを混合して作成
培地の加温
作成した培地を37℃で加温する
細胞融解
- 凍結チューブを2分間程度37℃で加温する
- 氷が少し残る程度まで溶けたら培地に添加する
トランスフェクション
前培養(Day-1)
TF前日に2×10^6cellsを2mLのSpica M-100培地+1%Anti-Clunming Agentに播種する
- 細胞数をカウントする
- 2/カウント数=播種する量
- 2-播種する量=6-wellプレートに新たに添加する培地の量
- ③*0.01=ATAの量
TF当日(Day0)
- 37℃でSpica M-100を必要量加温する、アスピレーターをセットする
- 滅菌チューブにDNA4ugとSpica M-100を80uL添加する
- セルカウントして4×10^6cellsを50ccチューブに採取する※4/カウント数
- 1200rpm/3min遠心→上清をアスピレートする
- 1mLのACAを含まないSpica M-100で懸濁して1200rpm,3min遠心→上清をアスピレート
- ②に1mg/mlのPEIを8ul加えてピぺっティング、速やかに⑤に添加して懸濁する
- 37℃,1時間インキュベート※30分経過時にチューブを振って細胞を混ぜる
- 6-wellプレートにSpica M-100を2mL添加する
- ⑧に⑦をピペッティングしながら分注する
- 細胞を観察して問題なければCO2インキュベーターでOverNight
※一過性発現で播種してからしばらく放置する場合は乾燥防止のため全ての空きwellにPBSを添加する
※プレートは周囲が乾燥しやすく中心が乾燥しにくいため、試験は真ん中に寄せる
TF翌日(Day1):ACA添加
- ACAを1%添加する
- プレートをよく混ぜる
TF翌々日(Day2):薬剤選抜1回目
5×10^6cells/mLx2ml(1×10^6cells)でPuro5ug/mL(10ug/2mL)セレクション
- Spica M-100を37℃で加温する、ACA室温へ、プレート準備、
- Spica M-100+1%ACAを調整する
- 細胞を800uLでよくピぺっティングしてほぐす⇨セルカウント
- 1x10^6cells量を計算する※1/カウント数
- 2000-④=②の量
- ⑤/2x2で②を6-wellプレートへチップそのままで④量を6-Wellプレートへ
- Puro 1mg/mLを冷蔵庫から出して10uLを⑥へ添加してよく混ぜる
- 細胞を観察して問題なければCO2インキュベーターへ
- 生存率が90%を超えるまで継代を繰り返す
※Puroはすぐ細胞が死ぬため増殖に時間を要する、G181はだらだら死ぬためすぐ増えてくる
薬剤選抜:2回目
5×10^6cells/mLx2ml(1×10^6cells)でPuro50ug/mL(10ug/2mL)セレクション
- 生存率が90%を超えたタイミングで2回目の薬剤選抜を開始
- 生存率が90%を超えるまで継代を繰り返す
生産培養+凍結ストックの作成
2回目の薬剤選抜後の生存率が90%を超えたタイミングで実施。
生産培養
- 3×10^5cells/mlを遠心回収、上清除去
- 2mL(1%ACA添加SpicaM)で懸濁し、5日間静置培養。
- 5日目の上清を回収してAlpha-LISAでヘテロセルプールの発現量を測定。
- 最も発現量が高いプールでシングルセルクローニングを実施する
凍結ストック作成
- 2×10^6cellsを遠心回収、上清除去
- 300uLのセルメニティで懸濁、凍結中部へ
- -80℃に保存(自分用のBOX作成する)
蛍光の観察方法
カウンテス
- 培養液10uLを無染色でカウンテススライドへ充填し、カウンテスへ挿入
- ”GFP”を押す
- Adjusuで任意の輝度に調整(今回は50で統一)
- Apply>Count
- 計測が問題なさそうなことを画面上で確認する
- OKなら計測細胞数と割合をメモ、”SAVE”でデータを保存する
- Save時は左上の”Sample neme”を設定する。日付はデフォルトで含まれるため不要
蛍光顕微鏡
観察開始時
- 3つの光源(CB5S、TH4-100、U-LGPS)の電源をON
- PCの電源をON
- デスクトップ”cellSens”のアイコンをダブルクリックで起動
- 右上”取り込み”ダブの”ライブ”ボタンで観察開始
- フィルターN0.1+顕微鏡フロント光源ランプボタンONで平面視野観察可能
- フィルターNo.3+顕微鏡フロント光源ランプボタンOFF、U-LGPSランプ点灯、シャッターOPENで蛍光観察可能
- ツール>オプション>情報スタンプ>プロパティ>でJPEGに記載させる情報を選択できる
- 林さんはチャンネル(RGB)、対物レンズの倍率(20 x)、露出時間(10ms)
- カメラ制御ウインドウのRGB⇆白黒ボタンでカラーの選択が可能
- GFP観察時は露出時間をマニュアル(10ms)で統一する
- ”スナップショット”ボタンで画面コピー>新たなタブが生成される
- ファイル>名前をつけて保存>JpegとTifの2種類を保存する
- TIFは8ビット(画像>モード>8ビット/16ビット)でなければ画像表示ソフトで表示できない
終了時
- アプリケーションを✖️ボタンで閉じる、PCを終了する
- 光源ランプをOFFにする
- カバーをかける
試薬作成
融合蛋白の合成
GFP
GFPの遺伝子配列は、約238塩基対から構成されます。 GFPの遺伝子は、Aequorea victoriaの一種のクラゲに由来します。 GFPの遺伝子は、細胞内で蛍光タンパク質を合成するために必要な情報を承知します。 GFPの遺伝子は、その他の生物にも挿入され、研究や応用に利用されています。
GFP 遺伝子配列の著作権は Clontech Laboratories, Inc. にあり、American Type Culture Collection (ATCC) によって配布されています。
RFP
RFPの中には特許を取得しているものもあり、その配列は自由に入手できない可能性があることに留意することが重要です。特定のRFPの遺伝子配列をお探しの場合は、そのタンパク質の特許を所有している企業や団体に確認されることをお勧めします。
プロテインA
Staphylococcus aureus spa gene for protein A
プロテインG
プロテインL
プロテインG/A
辞典
EF-1a promoter
EF-1a promoterは、細胞内タンパク質合成に関与する遺伝子の啟動に用いられるプロモーターです。EF-1aは、細胞内の様々な細胞周期段階で発現し、細胞の増殖や分化に関わっています。このため、EF-1aプロモーターは、細胞培養や細胞研究において非常に有用であり、多くの研究において使用されています。
EF-1aプロモーターは、細胞内タンパク質合成に関与する遺伝子の啟動に用いられます。EF-1aは、細胞の複製や分化に関わる遺伝子を発現するために必要なタンパク質であり、EF-1aプロモーターはその発現を制御します。
EF-1aプロモーターを使用することで、研究者は特定の細胞や細胞状態で特定の遺伝子を発現させることができます。例えば、細胞の増殖や分化に関連する遺伝子を発現させるためにEF-1aプロモーターを使用することができます。また、EF-1aプロモーターを使用して、細胞内の様々な細胞周期段階での特定の遺伝子の発現を調べることもできます。
EF-1aプロモーターは、遺伝子組み換え技術を用いて、特定の細胞や細胞状態で特定の遺伝子を発現させることができるため、細胞培養や細胞研究において非常に有用であり、多くの研究において使用されています。
Kozak配列
Kozak配列は、遺伝子翻訳開始点の近くに存在するDNA配列のことです。Kozak配列は、翻訳開始点において、核酸配列が特定の構造を持っていることが知られています。この特定の構造は、翻訳開始点におけるタンパク質合成の開始を促進し、遺伝子の発現を増加させることができます。
Kozak配列は、「A/GCCACC」という配列が最も有効であることが知られており、この配列は、翻訳開始点において、良好な翻訳開始点として機能します。この配列に似たものも多く見られ、研究者はこれを用いて遺伝子組み換えを行うことができます。
Kozak配列は、遺伝子組み換え技術を用いた細胞研究や遺伝子治療などにおいて重要な役割を担うことが期待されており、多くの研究において使用されています。
サイレンシング
サイレンシング (gene silencing) とは、特定の遺伝子の発現を抑制することを指します。サイレンシングは、遺伝子の発現を抑制するために、いくつかの異なるメカニズムが使用されます。
RNAインターフェイス (RNA interference, RNAi) と呼ばれるメカニズムは、一般的に使用されるサイレンシングメカニズムの一つです。RNAiは、特定の遺伝子のmRNAを除去することによって遺伝子の発現を抑制するために使用されます。
クリスプ (CRISPR) と呼ばれる技術もサイレンシングのために使用されます。CRISPRは、特定の遺伝子のDNAを直接改変することによって遺伝子の発現を抑制するために使用されます。
サイレンシングは、疾患のゲノミック治療や、細胞培養における研究などにおいて重要な役割を担うことが期待されており、多くの研究において使用されています。
トランスフェクション
トランスフェクション (transfection) とは、外部からDNAやRNAを細胞に導入することを指します。トランスフェクションは、遺伝子組み換え細胞、遺伝子療法、タンパク質合成のスクリーニングなど、幅広い研究分野で使用されています。
トランスフェクションには、複数の方法があります。一般的に使用される方法には、物理的にDNAを細胞に導入する方法、化学的にDNAを細胞に導入する方法があります。
物理的にDNAを導入する方法には、電気ショック、高圧酸素、高圧酸素震盪などがあります。化学的にDNAを導入する方法には、カルボニル基を有するポリマーや、デオキシリボ核酸を用いる方法があります。
トランスフェクションは、細胞内にDNAやRNAを導入するために必要な技術であり、遺伝子療法やタンパク質合成のスクリーニングなど、幅広い研究において使用されています。
インスレーター配列
この領域に挟まれた遺伝子の転写を周囲のクロマチンによる影響を受けず安定に制御できる配列である.この配列は種々の動物において見出されているが,ニワトリ赤芽球のベータグロビン遺伝子の転写を制御している配列cHS4やショウジョウバエのgypsy配列などが安定な遺伝子発現に応用されている.遺伝子治療においては,導入遺伝子が不活性クロマチン中に挿入されると,その不活性な環境により遺伝子が存在しても転写が抑制され効果が発揮できない.インスレーター配列を挿入した遺伝子を用いることでこの問題を解決できる.
pCHOのtDNAのこと!
参考情報
リンカーについて