- アプリケーションスペシャリストが実施する内勤業務
アプリケーションスペシャリストは外回りのイメージが強いと思いますが、意外と内勤業務(デスクワーク)も多かったりします。
実際にどんな内勤業務を実施しているのか、なかなかイメージが付きにくいと思いますので、現役のアプリケーションスペシャリストが嘘偽りなく事実ベースで解説します。
医療機器メーカーのアプリケーションスペシャリストの外勤業務についてはこちらで解説しています。

顧客提出物の作成
検討結果報告書作成
アプリケーションスペシャリストの業務内容に以下の検討業務があります。
- 新規設置時の基礎的検討
- 項目追加時の基礎的検討
これらの検討結果を報告書にまとめて顧客へ提出する必要があります。
具体的な検討内容が知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
アプリケーションスペシャリストが実施する検討内容の詳細について
基本的には各メーカー報告書の雛形ファイルがあるため、測定データを切り貼りして形を整える業務になります。
単項目の追加程度ならすぐにまとめることができますが、新規設置となると項目数も膨大になるため検討にも時間がかかる上、報告書作成業務もかなり時間がかかってしまいます。
トラブル内容の顛末書作成
下記のようなケースが発生した際、顧客によっては発生した出来事を病院へ報告するための報告書提出を求められることがあります。
- 機器トラブルで検査が止まった場合
- データトラブルで結果を誤報告した場合
- 発生した事象の詳細
- 発生に至った経緯・原因
- 解決策と今後の是正措置
上記のような内容を作成して顧客へ提出する業務になります。
病院長へ提出する資料になるため、簡潔に内容を記載することはもちろん、敬語や文章の構成などにも配慮する必要があるため、かなり時間を要する業務になります。
問い合わせに対する回答調査
顧客からの質問や問い合わせに対する回答を準備する業務になります。
顧客からの問い合わせの一例を挙げるとこんな感じです。
- 測定試薬の性能が分かる資料が欲しい
- BNPとNT-proBNPの違いが分かる資料が欲しい
- 感染症検査の他社との比較データが欲しい
顧客からの要望にお応えするために
- 社内の文書を検索したり
- グーグルで検索したり
- 海外の文献を検索したり
これらを実施します。
自力で回答が見つけられなかった場合は最終的には本社のマーケティング部隊へ問い合わせを入れることになります。
各種顧客対応文書の準備
会社から顧客案内文書が定期的に配信されてきます。
具体的には
- 試薬のバージョンアップ案内
- 製品の不具合案内
- 新製品の発売案内
これらの配信された文書を印刷&補足説明用資料を準備する業務です。
外勤業務で使用する資料の作成
勉強会資料作成
機器説明会や項目説明会用の資料が該当します。
ベースとなる資料はコンプライアンスの問題で本社がまとめて作成している場合が多いですが、対象となる顧客向けに多少内容のカスタマイズが必要になるケースもあります。
本社作成の資料をベースとして、担当営業や上長とカスタマイズで追加する内容を協議して決めます。
新規設置施設用の設定資料作成
新規設置施設の場合、装置やオンラインの設定を一から構築するため設定箇所が膨大になります。
そのため、顧客やオンラインメーカーと打ち合わせた内容を事前にまとめておかなければ設定漏れなどが発生してトラブルの原因となります。
設定箇所は各会社である程度決まったフォーマットがあるため、その内容に沿って顧客からヒアリングすればOKです。
新人のうちは何をどうやって確認すれば良いのか絶対分からないと思います。
とはいえ、いきなり新規施設の立ち上げを一人で任されることもありません。
まずは、先輩が行っている業務をしっかりと見せてもらい、分からないことは都度確認するようにしましょう。
どの業界でも言えることですが、受け身では確実に失敗するし、同僚から嫌われてしまいますので積極性を持って業務に励んでください!
簡易トレーニングマニュアル作成
トレーニングには大きく分けると下記の2種類があります。
- 装置の操作トレーニング
- 装置のメンテナンストレーニング
基本的には、どちらも本社が作成したトレーニングマニュアルが存在しますが、情報量が膨大なため、初心者は逆に混乱してしまう恐れがあります。
そんな初心者には、必要な情報を最小限にまとめた簡易マニュアルを作成してあげる必要があります。
簡易マニュアルで必要な部分のみを簡単に説明してあげて、ある程度慣れてきたタイミングでその他の詳細な情報をお伝えしてあげましょう。
社内報告業務
日報入力
勤務形態がスーパーフレックスで完全テレワークの場合、個人が業務の報告を行わない限り、誰がどこでどんな仕事をしているのか会社が評価することができません。
そのため、いつ、どこで、誰が、なんの業務を行ったのか日報入力という形で会社に報告する必要があります。
遅くまで業務を行なっている時などは非常に面倒ですが、忘れずに毎日入力する必要があります。
とはいえ、必ず当日中に報告しなければならない訳でもありません。大体は月末締めになるため、月末でなければ翌日など時間がある時に入力すればOKです。
勤怠入力
企業によっては日報とは別に勤怠(始業時間、就業時間)を入力するシステムを有するケースがあります。
日報は会社が業務内容を把握するためのものですが、勤怠入力は給与を管理するためのものなのでシステムが分かれている場合が多いです。
特に、コアタイムが無いスーパーフレックスであれば、自分が業務時間を入力しない限り誰も管理をしてくれません。
スケジューラー入力
完全テレワークを導入している場合は、チームメンバーの予定が把握しづらくなります。
そのため、会社全員で共有できるスケジュール管理ツールに個人の予定を入力する必要があります。
日報や勤怠入力は終了した業務を管理するためのものですが、スケジューラー入力は今後の予定を管理するツールであるため、システムが別々になります。
メール対応
アプリケーションスペシャリストに関わらず、一般的な企業人はとにかくメールが死ぬほど届きます。
検査技師時代はメールでのやり取りなどほぼ発生していなかったと思いますが、1日多い時で100件を超えるメールが届くことも珍しくありません。
もちろん、自分にあまり関係ないメールも含まれていますが、その中に超重要な案件も含まれていたりするため、面倒でもメールの内容は全てチェックする必要があります。
苦情報告書の作成
医療機器メーカーの場合、顧客から受けた苦情は全て本社に報告することが義務付けられています。
特に、自社製品で顧客に不利益が生じた場合は報告までの期日が決められていたりするため、基本的には情報を取得した当日、遅くても翌朝までには報告書を本社に提出する必要があります。
顧客満足度を高めるためにも、迅速な報告・対応が求められるため重要な内勤業務になります。
まとめ:外勤者でも意外と内勤業務がたくさんあります
今回は、医療機器メーカーのアプリケーションスペシャリストが普段実施している内勤業務について現役アプリケーションスペシャリストが解説しました。
営業含め、外回りがメインの職種でも必ず発生する内勤業務は意外とたくさんあります。
こう思っていると少し後悔するかもしれません。
アプリケーションスペシャリストは、外回りで顧客対応をこなしつつ、空いた時間で社内業務や報告書作成業務を実施しなければなりません。
こちらの記事で内勤業務を早く終わらせるための必須アイテムなどをご紹介しています。必要に応じて準備してみてください。
しっかり考えた結果、アプリケーションスペシャリストになりたいと思われたなら、こちらで紹介している転職サイト・エージェントを利用してみてください。
https://rinten-sup.com/7-career-changes/
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アプリケーションスペシャリストに求められるスキルについてはこちら↓
というわけで、今回は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました!
それでは!